川崎フロンターレは3日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023-24のグループI第2節で等々力陸上競技場に蔚山現代FC(韓国)を迎え、1-0で勝利を収めた。

川崎F9月29日明治安田生命J1リーグ第29節でアルビレックス新潟に敗れ、リーグ優勝の可能性が消滅。残されたタイトル獲得のチャンスは天皇杯とACLとなった。

ACLの初戦ではマレーシアの強豪、ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)とアウェイ戦を1-0で制した。蔚山も初戦のBGパトゥム・ユナイテッドFC(タイ)戦を3-1で勝利。互いに連勝がかかる一戦へ、川崎Fは新潟戦からスタメン5人を入れ替え、バフェティンビ・ゴミスらに代わり、レアンドロ・ダミアンらが先発起用された。

一方のホン・ミョンボ監督率いる蔚山は[4-2-3-1]を採用し、江坂任が右サイドハーフで先発した。

開始1分も経たないうちに左ウイングのマルシーニョと右サイドバックのキム・テファンが、ボールのないところで小競り合い。波乱を予感させたが、
7分に瀬川祐輔の左足が会場を沸かすと、川崎Fのポゼッションタイムへ推移する。

互いに自陣からつなぎ、それに対してハイプレスをぶつけたが、川崎Fダミアンやマルシーニョへのロングボールを交えて回避。これを嫌った蔚山がセットアップする形となり、川崎Fが敵陣でのプレーを増やしてフィニッシュを重ねた。

山根視来の軽く浮かせたパスから脇坂泰斗のシュートは枠外となるが、この蔚山ゴールキックに圧力をかけて高い位置で奪い返すと、ダミアンが強引に右足を振る。これで得たCKからこぼれ球に橘田健人、さらに山根のクロスからダミアンのヘッドと押し込む時間が続いた。

対する蔚山は江坂とイ・ドンギョンの連携に可能性を見出す。18分、20分とイ・ドンギョンにシュートシーンが訪れたが、GKチョン・ソンリョンが難なく対応する。

33分の川崎Fは再び前からはめにくる蔚山のプレスをいなし、脇坂が右タッチラインを沿うような縦パスから瀬川がクロス。だが、ダミアンにはわずかに合わなかった。

前半の終盤はややトーンダウンし、ゴールレスのまま折り返し川崎Fハーフタイムでの交代はなく後半を迎えると、やはり主導権を握り続けるが、48分の脇坂の反転からの右足は枠を捉えられず、59分のカウンターではマルシーニョが抜け出したが、ボックス手前での選択はダミアンへのヒールパス。この間に相手の帰陣を許し、シュートまでは至らない。

67分には大南拓磨のインターセプトからダミアンにこの日1番の決定機が到来。ボックス右で対峙DFを華麗にかわして右足を振ったが、GKチョ・ヒョヌの好セーブに遭う。

攻勢続くも仕上げのみがままならない川崎Fは宮代大聖、山田新、遠野大弥、ゴミスと次々に攻撃のカードを切ると、歓喜の瞬間は89分にようやく訪れた。

ディフレクションした山根のクロスをゴール正面で遠野が収め、丁寧に落とすと、走り込んだ橘田が右足を一閃。強烈な一撃を左隅に突き刺さすと、これが決勝点に。

蔚山の守備に手を焼いた川崎Fだったが、ゲームキャプテン殊勲の一振りで劇的な形で2連勝を飾っている。

川崎フロンターレ 1-0 蔚山現代FC
川崎F
橘田健人(後44)