詳細画像はこちら

なぜ「群サイ」に集まるの?

ホンダアクセスが、「モデューロX 10周年記念オーナーズミーティング in 群サイ」を開催した。

【画像】モデューロX大集結 会場のクルマたちを見る【10周年イベント】 全75枚

ホンダ車の純正アクセサリーパーツを開発・製造・販売する、本田技研工業の連結子会社であるホンダアクセス。同社は「モデューロ(Modulo)」というブランドでエアロパーツやホイールなどを開発しており、そのパーツを装着したホンダ純正のコンプリートカー・シリーズを「モデューロX」として展開している。

詳細画像はこちら
S660を筆頭に、Nボックス、Nワン、ステップワゴンフリードヴェゼル、フィットの各モデューロXオーナーが全国から集結。シリーズ誕生10周年を祝った。    宮澤佳久

2013年1月、最初のモデューロXとして「Nボックス・モデューロX」が発売された。その後、Nワン、ステップワゴンフリードS660ヴェゼル、そしてフィットの7モデルで展開され、今年で10周年を迎えた。

今年3月には代官山T-SITEで「10周年記念モーニングクルーズ」が開催されたが、今回は“モデューロXの聖地”ともいうべき群馬サイクルポーツセンターでミーティングが開催されることになった。

なぜ、群サイか? というと、開発アドバイザーである土屋圭市氏が、ここでテストを重ねてモデューロXを仕上げていったからにほかならない。

つまり、オーナーにとっては愛車で一度は訪れておきたい、まさに「聖地」なのだ。

北海道・九州からも集まった!

今回のイベントは事前エントリー制で、北は北海道、南はなんと長崎県から参加したモデューロXは合計175台、来場者数は323名。

その内訳は、Nボックスが5台、Nワンが13台、ステップワゴンが14台、フリードが15台、S660113台、ヴェゼルが5台、フィットe:HEVが10台。

詳細画像はこちら
トークショーでは、S660のモデューロXは開発に2年も要したことが明かされた。「エスロクのオーナーは絶対にリミッターを解除するから!(土屋氏)」の号令で、リミッター超えの領域でも走りを楽しめるクルマに仕上げたという。    宮澤佳久

S660の参加車が圧倒的に多かったのは、やはり聖地=走りのイメージが強いのと、「血中モデューロX濃度(?)」が最も高いのは、S660オーナーが多いということなのだろうか……。

とはいえ、最近はモデューロXの新型が発表されていない中でも、これだけの来場者が集まったことに“モデューロXオーナーの熱さ”を実感させてくれた。

イベントが始まると、モデューロXの開発アドバイザーである土屋圭市氏と、ホンダアクセス モデューロX開発統括の福田正剛氏、同 完成車性能担当の湯沢峰司氏によるスペシャルトークショーが行われた。

そこで力説されたのは、モデューロXは「タイプR」のような、サーキット走行を前提にしたハードなモデルではないこと。

みんなにメリット 「実効空力」

モデューロXは「助手席に奥さんやパートナーを乗せたり、リアシートには家族を乗せるクルマ」だ。

だから、駐車場から出て走り出したとき“ほんの15km/hくらいの速度で走っても安定感が分かる”、そんなクルマを目指している。

詳細画像はこちら
モデューロXの開発を率いてきた福田正剛氏(右)が、9月で定年退職を迎える。これからは、湯沢峰司氏(左)が熱き開発部隊を牽引することに。    宮澤佳久

コンプリートカーとして、そういうクルマに仕上げるためにはエアロパーツ/サスペンション/ホイールなどトータルで開発を行うわけだが、モデューロXを語る上で必ず出てくる言葉がある。それが「実効空力(じっこうくうりき)」だ。

「実効空力」とは、簡単にいえば“日常の速度域でも体感できる空力効果”のこと。

たとえば自転車で走っていて、手を上げて風の強さを感じる程度の低いスピードでも、空力効果が得られるデバイスを開発している。つまり、レーシングスピードのような限界域でない速度でも、ノーマルとの違いを感じることができるのだ。

だから、モデューロXをダンナさんが契約したけれど納車は奥さんが引き取りに行って、帰りに乗っただけで「あっ、いいクルマ!」と感じられる。

ノーマルでは高速道路を走るのが怖かった奥さんでも、安心して高速をドライブしてアウトレット買い物に行けるようになった、…とか、実効空力の良さを感じられるエピソードは多い。

モデューロXが優れているワケ

最初のモデューロXが登場してから10年。実効空力もかなり進化したという。

前述のように走り出して何気なく乗っても安定感が分かる。ハンドルを切った瞬間に、なんとなく良く曲がる。

詳細画像はこちら
日常使いのスピード域でその良さを体感できるモデューロXだから、同乗試乗の車両には子供連れで乗り込むことができる。みんなが納得して選べるのも、10年に渡り支持されてきたこのシリーズの魅力だろう。    宮澤佳久

だがそれはノーマルと比較すると、「なんとなく良くなっている」というもので、数値ではない。つまり、数字では表せないものだ。

車体に沿って空気をキレイに流すことで、4つのタイヤをしっかり設置させ、サスペンションが持つ本来のポテンシャルを使い切る。

ダウンフォースとかCd値とかではなく、コーナーを安心して曲がれる、それはつまり4つのタイヤをいかにして使うか。実効空力を含めたモデューロXの開発は、それを突き詰めている。

ちなみに、タイヤは基本的に純正装着のものを使用することを前提にモデューロXでは開発している。それはタイヤのしなり方がボディ剛性に合っているからで、また“与えられたものでいかに性能を導き出すか”も考えられているからだという。

今後、ホンダ車もEV化が進み、いずれはEVのモデューロXも登場してくることだろう。だが、空力はEVの時代になっても変わることはない。モデューロXの実効空力は、これからも開発が進められて進化していくことは間違いなさそうだ。

会場はイベント盛りだくさん!

会場には、歴代7モデルをはじめ、フィットe:HEVモデューロXをベースにした実効空力エアロパーツ・コアバリュー車(研究開発車両)、両足の不自由な人でも運転可能なモデューロXテックマチック搭載車などを展示。

また、実効空力をはじめサスペンションやホイールなどの開発担当者にオーナーたちが直接話を聞くことができたり、実効空力デバイス装着車の体験試乗、モデューロXに同乗してコース内をめぐる「群サイTAXI」、そして愛車で「聖地」群サイをパレードランするなど、さまざまなコンテンツが用意された。

詳細画像はこちら
大津氏、土屋氏も会場を隅々まで周り、イベントを盛り上げた。愛車にサインを書いてもらうオーナーが多いこと! 右下は、トークショーで「安すぎるよ!」とツッコミが入ったシビック・タイプR用のテールゲートスポイラーの開発モデル。    宮澤佳久

一部のコンテンツは抽選で当選したオーナーのみ参加できるものだったので、選ばれたオーナーにとって10周年の思い出深いイベントになったことだろう。

さらにサプライズとして、ホンダ純正アクセサリー アンバサダーでレーシングドライバーの大津弘樹氏が運転する「群サイTAXI」に一組のオーナーが同乗することができた(写真)。貴重な体験に、幸運なオーナーの家族は満面の笑みで喜んでいた。

会場ではオーナー同士の交流や、土屋圭市氏と記念写真を撮ったり愛車にサインしてもらったり、好天に恵まれた「聖地」群サイに集まったオーナーと愛車は、至福の1日を過ごして、またの再開を楽しみに帰路についていった。


■イベントの記事
運転の苦手な奥様が「モデューロX」を選ぶワケ 175台集合 熱いオーナー達と祝う10周年
グッドイヤーの「ベクター4シーズンズ」、アウトドアデイジャパン神戸に登場
yamaとキタニタツヤが共演 ヒョンデ・コナのジャパン・ローンチで、何かが始まりそう!
トヨタ・セラにMGA ポルシェ356Aも出走 ラリー・フォー・ジ・エイジ 参加無料の公道イベント(3)

運転の苦手な奥様が「モデューロX」を選ぶワケ 175台集合 熱いオーナー達と祝う10周年