佐久間宣行氏が手掛けるYouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」に出演したことで話題となった二瓶有加。2016年から21年の間は、ダンス&ボーカルグループ「PINK CRES.」のメンバーとして活動し、グループ解散後は女優業を中心に活動している。同チャンネルに出演したことで「下ネタで笑いたくない女優」としてバズり、広く知られることになったが、女優・二瓶有加はどういうパーソナリティなのか。女優としての今後の展望や舞台への思い入れ、20代の後半戦を迎えて感じることなど、包み隠さずに語ってもらった。

【写真】ノースリーブワンピース姿で取材に応じた二瓶有加の全身カット

■「下ネタで笑いたくない女優」の呼び名に感謝「もっと頑張りたい」

――「下ネタで笑いたくない女優」と呼ばれるようになったきっかけから教えてください。

「佐久間宣行のNOBROCK TV」(以下「NOBROCK TV」)に出演させていただいて、その時の企画がトータルテンボスさんが100回ボケて100回突っ込むというものだったんですけど、ボケの下ネタ率が高くて、私がそれに対してゲラゲラ笑っていて「普段下ネタばっかり話すので大丈夫ですよ」と言ったんです。でも、下ネタで笑っちゃうと女優としてあまりイメージが良くないので、払拭するために「NOBROCK TV」の企画「下ネタで笑ってはいけない」に繋がったという感じです。

――正直なところ、この呼び名をどう受け止めていらっしゃいますか。

名前を知っていただく機会が増えたので、本当に佐久間さんと芸人さんたちに感謝しています! 下ネタにあまり抵抗がないということから名前を知っていただくことになるなんて、まさかまさかの展開すぎて…。今は本当にうれしくて、もっと頑張りたいという気持ちです。

――同じ動画で生まれた「二ヘラチオ」も定着しています。これについてはいかがでしょう。

二へラチオの恩恵もあるのでなんとも言えないのですが…。私が目標にしている女優、タレントさんは小池栄子さんで、グラビア出身で今はバラエティでも活躍されていて「しゃべくり007」(日本テレビ系)で巨乳伝を披露されていたのを見て、懐の広さに「かっこいい!」と思ったんです。私は「テレビドラマにレギュラー出演すること」を目標に活動をしているので、小池さんのようにコメディもできればシリアルな役もできるという、役の幅が広い女優さんにものすごく憧れます。この目標に向かって活動していく中で、二ヘラチオより大きな衝撃を残せたら、それ以外の二瓶も知ってもらえるじゃないかなと思うので、今は(このあだ名を)特別拒絶する訳でもないです。

■28歳なので無理して隠す必要もない。YouTubeで失恋話をポロリ

――「NOBROCK TV」では失恋話もされていて驚きました。

ブランディングや見方はすごく大事だと思うんですけど、考えてもうまく作用したことがなくて…。好感度だけ上がっていくのも怖いので、ありのままでいいのかなと思ったので話しました。「NOBROCK TV」で一番最初にバズった時に「何も考えていない状態でいい」と言ってもらえたこともあって「今は何も考えないでおくのが吉」という考えでいます! 今年で28歳なので、無理して隠す必要もないかなと思っています。あと、佐久間さんの誘導がうまいっていうのもありますね(笑)

――佐久間さんによって引き出されている可能性もあると。出演して気づいた佐久間さんのすごさについて教えていただけますか。

こんな私でも、現場でカメラが回っていない時に「佐久間さん〜」って話かけられる雰囲気を持たれていて、普通におしゃべりをしてくださるところがすごいなと思いました。あと、収録中にポロッと言った言葉を拾ってくださったり「笑うなよ」ってわかりやすい振りをしてくださるので、伸び伸びとやらせていただいています。

――二瓶さんのYouTubeチャンネルにはご家族が出演されている回もありました。話題となった動画についてご家族からコメントはありましたか。

ずっと芸能活動を応援してくれていたこともあって、父が「本当によかったね」と喜んじゃって。普段から下ネタを言っている父の元で育ったので、家族もすごく笑ってくれています。父に至っては、私のフォロワーの伸び率をグラフにして、統計を取ってくれているんです。私よりも私のSNSの認知度を敏感に察知しているみたいなんですけど「ちょっとやりすぎだよ…」とは言っています(笑)

――いいご家族ですね(笑)。先程「今年で28歳」と言われていましたが、20代も残り僅かですね。

結婚ラッシュが来ているので、思うことしかなくて…。でも、やっと仕事が軌道に乗ってきているので、20代のうちに30代の可能性を広げたいと思っています。20代と30代で女性でわけられがちだと思うんですけど、実際に今活躍されている女優さんの中にも、30歳を超えてから活躍されている方もいらっしゃるので、数字に囚われすぎないようにしたいです。「30歳になった次の日から何かが変わるのか」と言ったら別に何も変わらないですし、今は「いただいているお仕事をやる」というのが私の使命です。それに、自分たちの世代が30代の可能性を広げられたら、下の子たちにも「大丈夫だよ」って言えますから。もちろん、寂しいと思う日もあるんですけど、弱い自分と強い自分を行き来しながら、日々頑張っています!

■舞台にかける思い「グループ解散してからも自分の居場所があった」

――今後のご活躍が楽しみです。「仕事が軌道に乗ってきている」とのことで、来月上演の舞台「かげきしょうじょ!!」へメインキャストで出演も決まっていますね。これまでを振り返っても、舞台作品を中心に活動されていると思うのですが、やはり舞台への思い入れは強いですか。

グループ(PINK CRES.)が解散してからも、自分の居場所があったのが舞台だったので、頑張ってやらせていただいています。毎公演思うんですけど、役者全員が命を燃やしながらやっているので、真摯に向き合っているつもりです。自分にとって特別な場所かもしれないですし、表現することが好きだと再認識できる場所でもあります。これからも大事にしていきたい場所です。

――「かげきしょうじょ!!」はアニメ化もされている作品です。原作は読まれましたか。

もともとアニメのファンで、奈良田愛ちゃん役はオーディションで決まったんですけど、自分が奈良田愛ちゃんとマッチングするとは思っていなかったので、オーディションに受かった時は本当にうれしかったです。

――どういった役作りをされる予定ですか。

本番までに必ずやらないといけないことは、ウェイトを落として体を愛ちゃんに寄せること。あと、声優さんの声の出し方を稽古しながら探っていきたいです。愛ちゃんは、しっかり一言ずつ言葉を置くような話し方をするので、一つひとつのセリフを大事にやっていきたいと思っています。あと、第一印象では、愛ちゃんは陰の部分が大きくて、私は陽が強いと思いますが、内面は反対で、愛ちゃんは内に秘めているものが人一倍大きく、私は弱い部分が強い。この弱さを演技に活かせたらいいなとも思っています。

――最後に、舞台に向けた意気込みをお願いします。

奈良田愛役に選んでいただけて、ものすごく光栄に思っております。普段の活動と、舞台の自分でいいギャップを作れるように頑張りたいですし、1ファンの作品でもあるので、原作ファンの皆さんにも、初めて舞台にお越しいただく皆さんにも、この世界観を愛していただけるように、一生懸命頑張ります。そして、舞台が終わったら、10月28日に開催する生誕ライブのリハにすぐ入るので10月は目白押しの1ヶ月で歳を重ねたいと思います!

◆取材・文=大野代樹

二瓶有加/撮影:大野代樹