付き合いはじめたばかりの恋人ができたのに、遠くの街へ去ることになった少女。大切な人と近くで過ごせる最後の時間に、2人は夏祭りへデートに向かう――。

【漫画】「遠くへ行ってしまう恋人と夏祭りにデートする。」(01)

エリオト(@rierioto)さんが7月、X(旧:Twitter)に投稿した創作漫画「遠くへ行ってしまう恋人と夏祭りにデートする。」は、切なくもその絆が胸を打つ青春ラブストーリーだ。読者からは「アオハル補給させていただきました」「眩しい」と反響を集めた同作について、ウォーカープラスは作者のリエリオトさんに制作の舞台裏を取材した。

■「遠くへ行ってしまう恋人と夏祭りにデートする。」あらすじ

幼馴染同士ながら、中学生になって疎遠になっていた男の子「ヒロト」と女の子「みずき」。時間をかけて再び距離を縮めた2人は晴れて恋人同士となるが、みずきは遠くの街への引っ越しが決まっていた。

引っ越しの準備が続くある日、みずきは予定を明けてヒロト夏祭りへデートへ向かうことを決める。付き合い始めて初めてのデートで、紆余曲折がありながらも浴衣を披露したみずきは、ヒロトと手を繋いで夏祭りへと足を運んだ。

遠距離恋愛になる前のデートということもあり緊張するヒロトに、「私もしてるけど」と言いながら、楽しもうと精一杯前向きなみずき。そんなぎこちない2人のもとへ、やはり夏祭りに訪れていた友人たちが声をかける。

仲良しの顔ぶれと一緒で肩の力も抜け、いつも通りの楽しい時間を過ごす2人。けれどヒロトには何か考えがあるらしく、友人たちが離れた隙に、みずきだけに「2人で行きたいところがあるんだ!」と切り出し――、というストーリー。

■リエリオトさんへのインタビュー

同作は、「少年ジャンプ+」(集英社)にてリエリオトさんが発表した連載作品「今夜僕らはお泊りをする」のクライマックスにあたるエピソード。ヒロトみずきをはじめ、疎遠になっていた中学生4人がふとしたことからヒロトの家でお泊り会を開いたことがきっかけで、その関係が再び動き始める物語だ。

今回はリエリオトさんに、同エピソードをSNSにて公開したきっかけや、作品へのこだわりをインタビューした。

――作品を描いたきっかけを教えてください。

【リエリオト】今回の漫画「今夜僕らはお泊りをする」は、小さいときはお泊りをするほど仲がよかったけれど、疎遠になった幼馴染たちがふとしたきっかけでまた集まり、お泊りをしたことにより関係が深まっていくお話です。今回の作品は夏に投稿したものですが、季節的にもピッタリと思い投稿しました。

――作品の制作で心掛けたことはなんですか?

【リエリオト】今まで作品内ではみずきが勇気を持って行動するシーンが多かったのですが、最後はヒロトが歩み寄ってみずきにキスをするヒロトの心の成長を描きたくてお話にしました。

――ご自身がこだわった、お気に入りのシーンを挙げるとすればどこですか?

【リエリオト】途中登場した3組目のカップルのユウキアヤカが、幼馴染から付き合うまで仲を深めた主人公たち4人を羨ましいと思うシーンは、自分も同じ思いで描いてお気に入りです。

――演出面や台詞など制作において特に力を入れた部分があれば教えてください。

【リエリオト】「次…側でより添える時まで お互いを思い合う」ですね。この2人の関係はこれに尽きます。

――反響への思いや、興味を持った読者に向けてメッセージをいただければ幸いです。

【リエリオト】今、初めての商業連載作品「異種族ケアハウス ソヨカゼ」(講談社)に一区切りがつき、それまで少し自由になるので、自分の漫画を描く力を上げるためにもう少し「お泊り」の彼らの力を借りようと思ってます。自分を漫画家にしてくれた思い入れのある子たちなので。

取材協力:リエリオト(@rierioto)

まぶしい青春模様を描く漫画「遠くへ行ってしまう恋人と夏祭りにデートする。」/リエリオト(@rierioto)