今季から主将を務める岡本和(C)Getty Images

 去就が注目されていた巨人原辰徳監督が今季限りで退任することとなった。10月4日付のスポーツ各紙が一斉に報じている。

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 V奪回を目指して戦った今季はここまで70勝70敗2分けの勝率5割で4位。球団にとって同一監督による2年連続Bクラスは史上初の屈辱となり、原監督は責任を取って身を引く形となった。

 開幕からいきなり単独最下位に転落するシーンもあるなど、シーズン通して上位浮上が果たせなかった。

 当初想定していた機動力野球の導入、チーム打撃の徹底など目指す野球はあったものの、いずれも不完全燃焼に終わった形だ。

 数々の「誤算」がからみあっての2年連続Bクラスとなったが、原監督がシーズン当初から浮上のピースとして期待をかけたのは主砲・岡本和真のリーダーシップにもあった。

 元来、前に立って声などで鼓舞するタイプではなく、パフォーマンスで見せるタイプ。ただそういった岡本和にもっと前に立ってチームを引っ張ってもらいたいと、指揮官が今季プロ9年目を迎えた岡本和に8期務めた坂本勇人から引き継いで、主将のバトンを託した経緯がある。

 新たに副将に就任した吉川尚輝とともに「和真と尚輝のチームになるように」と原監督も生え抜き野手の2人にリーダーシップを発揮するよう求めたが、結果として順位に結びつかず。

 今季は1点差ゲームに多く敗れるなど「ここ1本」というところで打てないシーンが目立った。シーズン順位を決定づけた9月24日からのDeNA3連戦(横浜)では25日の第2戦、26日の第3戦でも0-1の完封負けを喫した。淡泊とも見える試合運びの中、負けん気をむきだしにする選手はおらず、強烈なリーダーシップを発揮する存在が不在だったこともチーム低迷を招いた一つの要因といえる。

 岡本和はリーグトップの41本塁打をマーク。本塁打王のタイトルを確実にしているが、目標としていたチームのV奪回は叶わなかった。来季は新体制で上位浮上を目指す中、今度こそチームの主砲として多角的な貢献が求められそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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