退任と報道された原監督。手を尽くしたが浮上のきっかけはつかめなかった(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人は3年連続で優勝を逃し、CS争いにも敗れて球団史上初となる同一監督による2年連続Bクラスが確定。来季まで契約を残す原辰徳監督が身を引く形となった。常勝軍団でなければいけない巨人としてこれほどの屈辱はなく、低迷と言っても差し支えない成績だろう。

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 巨人が今シーズン振るわなかった原因はどこにあるのか。現役時代に南海、阪神で活躍した野球評論家の江本孟紀氏が自身のYouTubeチャンネルで、巨人の戦いぶりを振り返っている。まず「ファンもメディアも含めてすぐに短絡的に『監督が悪い』と(言うが)、今年の場合は選手が全然いません」と怪我や成績不振から離脱する選手が多かったとキッパリ。

 続けて、「(岡本は)ここ一番(の状況)でホームランを打ったかというと、その割合が少ない」と指摘し、「そうやって考えたら手の打ちようがない。『監督、コーチは何をしたら良いの?』っていう」「打者は活躍しない、故障はする。『最後まで投げさせろ』っていうのは戸郷しかない。リリーフピッチャーフォアボール出しまくる」と投打ともに選手がふがいなかったと話した。

 その一方、江本氏は首脳陣に違和感を覚えたシーンもあったようで、「横川っていうピッチャーが出てきて、新しい戦力ですよね。0点で抑えたにもかかわらず6回でさっさと代えちゃった」と5月26日の阪神戦を振り返った。先発した横川凱は6回無四球0失点と好投。球数も80球ともう1イニングは投げられそうだったが6回まで投げて交代した。結果的には7回に登板した鈴木康平が逆転を許して巨人は敗戦。横川の好投は報われなかった。

 江本氏はここで継投を選択したことに「ピッチャーはゲームで肩のスタミナとか馬力がつく。あそこで投げさせといたら次につながる。その後見てください、ボロボロになってる」と苦言。横川はこの試合以降先発での勝ち星はなく、5月26日に続投させていれば後の成績も変わっていたかもしれないと江本氏はいう。

 さらには、「あれは最大のミスです。最近は監督が1人で全部やるわけじゃない。コーチの助言とか、いろんな情報が入るから監督もそれに従う時もある」と原監督だけではなく、コーチ陣も含めた判断ミスも今シーズンの成績に大きく影響していると分析した。

 選手、首脳陣ともに多くの課題が露呈したシーズンとなった巨人。来季は新指揮官のもとでどんなチームを作り上げるのか注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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