原監督は打線構築で1番の起用に頭を悩ませた印象。巨人は新監督の元で、この問題を解決できるだろうか(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人原辰徳監督が今季限りで退任すると明かした。チームはシーズン序盤から低迷し、優勝争いに加わることができず2年連続でのBクラスに沈み、最後まで浮上のきっかけを掴めなかった。来季、新たな指揮官のもと、巻き返しを図ることになる。

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 巨人は今季も含め、原監督が率いたこの5年間、打撃のチームとしての戦いを繰り広げた。今季のチーム本塁打数はリーグダントツとなる164本を記録し、これは優勝した阪神の2倍の数字となる。原監督が3度目の就任となった2019年から今季まで、毎シーズン、本塁打数がセ・リーグトップということにもチームカラーが表れている。

 2023年シーズンでは、本塁打数2位のヤクルトと40本以上の差がついており、チーム打率.252とともに、両リーグを通じてもトップの成績を残した。しかし、総得点数は阪神551点、ヤクルト529点に次ぎ、522点で3位と、打撃陣全体での効率の悪さが目立つ1年となってしまった。

 そして、球団OBからも今季の巨人において、打線の繋がりが乏しかったことを指摘する声が挙がっている。現役時、通算135勝をマークし、巨人のエースとして活躍した江川卓氏が10月3日に配信となったYouTubeチャンネル『江川卓のたかされ』の中で、今季の巨人打線について語った。

 江川氏は「ホームランを狙える、長打力を備えたバッターが多かった。4番打者タイプを揃えても良いピッチャーは打てない」と今季の打線の特徴を説いており、「長く4番を務めてきた打者に2番などの役割を任せてもそれは難しい。打線の中で次へつなげていく作業としてのバッティングにならない」と振り返っている。

 その上で、「誰が良い悪いではなく、1年間、チームとして噛み合うことができなかった」と打撃陣の内容を評しており、その上で「わずかな変化だけでも、来年は(打線が)噛み合うかもしれない」と指摘。江川氏は優勝した阪神を例に挙げ「今季、新たに岡田(彰布)監督になって、あれだけ四球が多くなった。(チーム全体で心がけた)『フルカウントから一球、粘りましょう』という意識づけ、それ1つだけでみんなが四球を選ぶようになるなど、大きく変わった」と打線全体の変化を強調している。

 江川氏は動画の中で、阪神打線の変貌ぶりに「こんなやり方があるのかと思った。勉強になるほどだった」との言葉も発していた。巨人に最も必要とされる「打線の噛み合わせ」は、来季より新たに生まれ変わるチームにおいて、どのような形で加えられることになるのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

本塁打数トップもBクラスの巨人 球団OBが指摘する阪神との違い 来季へ必要な「変化」とは?