「馬祖ビエンナーレ」(馬祖国際芸術島)は、台湾の離島である馬祖で、連江県と蔡英文総統が会長を務める中華文化総会の共同主催、台湾文化部(文化省)と台湾交通部(交通省)観光局の特別後援で開催されています。台湾初の10年のビジョンを持ち、大規模なランドアートだけではなく、アート、教育、建築の3分野にわたる芸術祭です。第二回馬祖ビエンナーレは9月23日に開幕しました。台湾、日本、フランスドイツマレーシアルクセンブルクの6カ国のアーティストによる70作品や、80のクリエイティブチームと馬祖の人々による共同制作作品が、馬祖の4つの郷と5つの島に展示されています。馬祖の自然を取り入れた屋外でのインスタレーション、屋内での展示、視覚芸術、パフォーマンスアート、食などをお楽しみいただけます。日本からは高橋匡太氏と胡宮ゆきな氏の2名が参加、台湾、そして日本の小学生と共同制作した作品と、冷戦について考えさせられる作品を制作しました。

沖縄出身のアーティスト、胡宮ゆきな氏の作品《平和なんて朝飯前(10XL)》。台湾で、戦争の象徴である拳銃と平和の象徴である鳩を模したベビーカステラが同じ袋に入れられているのを見て、インスパイアを受けました。まるで世界の縮図のようです

  • 媽祖巨神像前広場で盛大に開幕、日本のアーティスト、教員や中学生も参加

第二回馬祖ビエンナーレは、9月23日、世界最高の媽祖巨神像前広場において、台湾の現代書画の巨匠、陳合成氏が今回のテーマ「生紅過夏」を書き上げ開幕しました。開幕式には香川県高松市の男木島で教員として働く綾田美友さんと中学生の西川優花さん、そして日台を繋ぐ作品《雲の故郷へ》を制作したアーティストの高橋匡太氏らが出席しました。「生紅過夏(芸術の醸成)」は老酒の醸造過程を表現しています。またアートが馬祖で発酵していく過程を表しています。馬祖の日常生活に根付いた老酒文化から発想を得て時間によって積み重ねられた変化を伝え、創作を通じ馬祖文化を世界に紹介しています。

第二回馬祖ビエンナーレは、2023年9月23日に媽祖巨像前広場で盛大に開幕しました。台湾の書道家、陳合成氏が今回のテーマ「生紅過夏」を書き上げました。(画像提供:馬祖ビエンナーレ)

  • ランドアート、パフォーマンスアート、食文化などに関する9つの展示プログラム

今年の展示プログラムには、馬祖のローカルキュレーターによる「島内視角」、空き家を創作スペースとする「轉厝プロジェクト」、馬祖の文化遺産である戦争遺物「26拠点」の地下スペースでの展示「地下実験室」、馬祖の公共スペースをアートで再解釈する「島嶼風景」、東引島の若手デザイナーによる「迴島嶼吧」、台電公共芸術(台電パブリックアート)による「島嶼生息」、そして食文化体験をメインとする「味覚実験室」があります。

最注目作品の一つは、「轉厝プロジェクト」として制作された《打開》です。南竿の津沙集落に作られたこの作品は、老酒文化を伝えるためガラスが用いられており、日常的な家族の思いを素材に、馬祖の家庭に共通する記憶を表現しています。またかつて大勢の人で賑わった南竿の梅石エリアの空き家をアートの力で蘇らせました。アートと建築チームが、現代的視点から閩東の伝統的な家屋建築と生活文化を再解釈したものです。「住居」が地域の風景とリンクした小さな美術館となりました。

「轉厝プロジェクト」の一つ、禾磊建築Architerior Architectsが制作した作品《打開》は、南竿の津沙集落にあります。馬祖のガラス製酒瓶を利用して、廃墟の中に存在しない「扉」を作りました。(画像提供:馬祖ビエンナーレ)
「轉厝プロジェクト」の一つ《窓の外の風景》は、アルミを叩くことで石のでこぼこした質感を表現しています。戦時中に銃弾が壁に当たった様子にも似ています。(画像提供:馬祖ビエンナーレ)

「地下実験室」の注目作品は、北竿の橋仔集落にある五間排遺跡で見ることができる《漁光》です。アーティスト、劉致宏氏は抽象的な表現方法で、この建物でかつて行われていた漁業加工の歴史を伝えています。また公共スペース再解釈計画「島嶼風景」の作品の一つ《海は私の陸》は、先住民アーティスト、伊祐・噶照(Iyo Kacaw)氏によって制作されました。馬港ビーチに設置されたこの作品は、かつて馬祖にあった退役軍艦の部品を集め、馬祖の人々にとって不可欠な「船」の記憶を大型インスタレーションとして表現しています。この作品はビエンナーレ後も常設される予定で、馬祖の新しいランドマークとなるでしょう。

「地下実験室」の一つ、北竿橋仔五間排遺跡に設置された《漁光》は、アーティスト劉致宏氏によって制作されました。抽象的な表現方法で、この建物でかつて行われていた漁業加工の歴史を伝えています。(画像提供:馬祖ビエンナーレ)

「島嶼風景」の一つ、先住民アーティスト、伊祐・噶照(Iyo Kacaw)による『海は私の陸』。馬祖の古い船や退役軍艦の部品を収集し制作された、大型インスタレーション作品。(画像提供:馬祖ビエンナーレ)

  • 6ヶ国のアーティストが馬祖で創作を行い、国際的な対話を展開

新型コロナウイルス流行の落ち着きにより、第二回馬祖ビエンナーレにはより多くの国際的なアーティストが参加しています。日本の高橋匡太氏、胡宮ゆきな氏、ドイツのLars Koepsel氏、フランスEmma Dusong氏、マレーシアの劉静怡(Raito Low)氏、ルクセンブルクのSven Gastauer氏、Claudine Arendt氏などが招待されました。

日本のアーティスト、高橋匡太氏は、馬祖の東莒小学校と日本香川県高松市立男木小・中学校でワークショップを行い、《雲の故郷へ》を共同制作しました。雲の風船には行きたいところが書かれたチケットが結ばれており、馬祖と男木島ならではの風景と台日の友情を結びつけています。

「島嶼風景」の一つ《雲の故郷へ》は、南竿の馬祖民俗文物館で展示されています。日本のアーティスト、高橋匡太氏とともに、馬祖の家族と男木島の小中学生らが共同で制作しました。 (画像提供:馬祖ビエンナーレ)

《雲の故郷へ》のワークショップの様子。高橋匡太氏と男木島の小中学生らが海辺を訪れ、自分好みの石を探しました。(画像提供:馬祖ビエンナーレ)

  • 冷戦時代の古い発電所が、アート作品となり一般公開

キュレーションユニット、台電公共芸術(台電パブリックアート)は、音と光を用いた作品『国家はあなたを必要としています:軍魂の光』を、北竿の発電所に常設展示として制作しました。坑道の中に建設された発電所は、馬祖の軍事管制の解除に伴いその役目を終えました。この特別な場所を再び一般公開し、没入型の音と光の作品として蘇らせます。

「島嶼生息」のキュレーションユニット、台電公共芸術(台電パブリックアート)は、音や光のアーティストらと共に島を訪れ北竿発電所で作品を制作しました。 (画像提供:馬祖ビエンナーレ)

  • 馬祖の味を残し、伝承する

馬祖ビエンナーレの飲食プロジェクト「味覚実験室」には、「味覚の島嶼」をテーマに、飲食のプロや馬祖の店、結婚後馬祖で生活する世界各地出身の女性、Uターンした若者、地元の職人など、大勢の人々が参加しています。馬祖ならではの味を新たに見出し、多様な料理芸術を国際的に展開し、多様な味覚体験をすることができます。

結婚後馬祖で生活する世界各地出身の女性らと考案したビエンナーレ期間限定のお弁当。 (画像提供:馬祖ビエンナーレ)

「第二回馬祖ビエンナーレのメインビジュアル。テーマは「生紅過夏、芸術の醸成」。(画像提供:馬祖ビエンナーレ)

第二回馬祖ビエンナーレは、2023年9月23日から11月12日まで、馬祖の4つの郷5つの島で開催しています。今年の秋は、馬祖での島巡りアート旅行に出かけませんか?

  • 第二回馬祖ビエンナーレ(馬祖国際芸術島)、開催中

・開催期間:2023年9月23日(土)~2023年11月12日(日)

・公式サイト:https://matsubiennial.tw/

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・主催:中華文化総会、連江県政府

・特別後援:台湾文化部、台湾交通部、台湾デジタル発展部、台湾交通部観光局、国家発展委員会、陳雪生議員事務所、連江県議会

・総合プロデュース:社計株式会社 呉漢中

・総合ディレクター:左脳創意 程詩郁

・総合運営:白日夢創意 劉慧婷

配信元企業:社計株式会社

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