巨人の原辰徳監督が10月4日、最終戦(対DeNA東京ドーム)終了後にセレモニーを行い、ファンに向け巨人史上初の全権監督として自身の辞任と次期監督の指名を発表した。その後、カメラ(撮影)なしを条件に最後の会見を行っている。巨人担当記者によれば、

「号泣でした。あんな原監督は見たことはない。まさに『無念』の表情でした」

 涙の意味は、原監督本人が来年もヤル気満々だったということにほからない。詰めかけた約4万人の観衆の前では「このような成績に終わり、山口(寿一)オーナーとしっかり話をしました」と明かし、そこで「2つの約束をしました。一つは辞任します。もう一つは若い新しいリーダー、阿部慎之助くんにチームを託そう。そういう決断をしました」と言い切った。原監督はこの山口オーナーとの「二者会談」を「Bクラス確定の(9月29日)夜」とまで明かしている。

 この日はオーナー会議で、山口オーナーが「来季については真剣に考える必要がある」と原監督の続投を言及しなかった日だ。その夜に2人は極秘裏に会っていた。その内容は、

「山口オーナーが原監督に辞任を促し、原監督は後継者に阿部新監督を指名したことしか考えられない」(別の巨人担当記者)

 原監督が次期監督を指名できる人物は阿部しかいなかった。

「実は原監督は、昨季の成績不振の時に『俺は辞めるわけにはいかない』と元木大介ヘッドコーチ(当時)に退団を促している。結局、元木は作戦兼内野守備コーチに降格して落ち着いたわけですが、原監督が今回続投となれば、今季は阿部がクビになる流れだった。プロチームの成績不振の責任は監督本人にある。それを差し置いて2年連続でヘッドコーチをクビにしたとなれば、さすがにチーム内でも原バッシングが起きるところでした」(前出・担当記者)

 原監督の辞任で「お友達内閣」とも揶揄された今季のコーチ陣は、ほとんどが退任の方向。山口オーナーは「新監督の意向も十分聞いて、最終的には私(山口オーナー)が決めます」と宣言。これまで原監督が持っていたチーム編成権も「編成本部長は近々発表します。その本部長が編成のトップになります」とも続けた。

 原ジャイアンツは跡形もなく解体される。ただ、原監督は「しばらくはゆっくりするけど、きっと飽きる」と話していた。となると、何らかの形で再びユニフォームを着る可能性はあるということだ。

(小田龍司)

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