生成AIは、地球上のほぼすべての仕事に影響を及ぼす可能性があります。その中でも、どの仕事が最も影響を受けるのでしょうか?また、その理由は何でしょうか?これらの答えを得るために、エコノミストと研究者からなるIndeedの国際的な労働市場に関する調査・研究チームである「Indeed Hiring Lab(インディード ハイアリング ラボ)」は、米国のIndeed上 の5,500万件以上の求人と2,600以上のスキルを分析し、生成AIによって影響を受ける仕事について明らかにしました。

その結果、Indeedに掲載されている求人の全てが生成AIによる影響を受ける可能性があることがわかりました。しかし、生成AIによって仕事のあり方が大きく変化する可能性が高いのは2割程度であり、直感や高度な推論、手作業を必要とするものなど、人間的要素の強い仕事は生成AIには実行できず、影響を受けにくいことも明らかとなりました。また、生成AIの影響を最も受けやすい仕事は「ソフトウェア開発」であり、最も影響を受けにくいのは「ドライバー」であることが明らかになりました。

*本プレスリリースは、9月21日(木)(現地時間)にIndeed Hiring Labが米国で発表した「Indeed’s AI at work Report(https://www.hiringlab.org/2023/09/21/indeed-ai-at-work-report/)」を要約したものです。

  • 調査結果要約

● Indeed に掲載されている仕事のほぼ100%が生成AIによる影響を受ける可能性があります。しかし、その影響度は仕事によって異なり、最も高いレベルの影響を受ける可能性のある仕事、すなわち生成AIによって仕事のあり方が大きく変化する可能性が高いのはわずか19.8%で、最も影響レベルの低い仕事は3分の1以上(34.6%)でした。

● 生成AIは、ある仕事に必要なスキルの一部を得意とする一方で、多く仕事において必要とされる直感や高度な推論、手作業など、人間的要素の強いスキルについては実行できません。生成AIによって多数の仕事が影響を受け、変化すると思われますが、それらの仕事の多くは完全になくなることはないでしょう。

● 生成AIの影響を最も受けやすい仕事は「ソフトウェア開発」であることが分かりました。一方で、最も影響を受けにくいのはトラックやタクシーの「ドライバー」でした。

● 生成AIはほとんどのタスクを完璧にこなすことはできず、(よくても)まずまずのレベルでの実行にとどまる可能性が高く、現在のところ、得意なスキルよりも不得意なスキルの方が多くなっています。

  • 調査結果

1.  生成AIの影響を受けやすい仕事の割合は、求人全体の2割未満

本調査では、米国のIndeed 上の求人をもとに、生成AI が与える影響のレベル (低/中/高) と、影響を受ける具体的な仕事を特定しました。

過去1年間に米国の Indeed で公開された、1つ以上の仕事のスキルに言及した5,500 万件以上の求人について、求人内で言及された2,600 以上の個別のスキルを特定し、それを48の種類に分類しました。次に、生成AIの各スキルに対する「得意・不得意」を明らかにするため、主要な生成AI ツールである ChatGPTを活用し、これらのスキルに対する能力を 「低い」「普通」「高い」「非常に高い」のいずれかで評価するように求めました。

つまり、ChatGPTが「高い」「非常に高い」と回答することは、生成AIが優れたパフォーマンスを発揮できる「得意」なものであり、影響を受けやすいスキルであると評価できます。逆に能力が「低い」と回答することは、生成AIが「不得意」なスキルであり、影響を受けにくいと言えます。

このような評価を基に分析した結果、求人全体の2割未満の19.8%が、生成AIの影響を受けやすく(影響の受けやすさの判断については「調査方法」参照)、求人全体の3分の1以上の34.6%は生成AIの影響を受けにくいことが明らかとなりました。

2.  生成AIの影響を受けやすい仕事と受けにくい仕事:最も影響を受けやすいのは「ソフトウェア開発

初期のロボットやコンピューターの進歩は肉体労働に大きな影響を与え、肉体労働に取って代わりましたが、生成AI技術の進化によってより大きく影響を受けるのは、ナレッジワーカーである可能性が高いです。

● 「ソフトウェア開発」の仕事は生成AIによる影響を一番受けやすく、「ソフトウェア開発」の求人内で言及されている全スキルの95%以上について、生成AIは能力が「高い」または「非常に高い」(得意である)と回答しました。

● トラックやタクシー等の「ドライバー」は最も生成AIの影響が小さく、「ドライバー」の仕事におけるスキルのうち生成AIが能力が「高い」、「非常に高い」(得意である)と回答したものは29%に留まりました。

● Indeed に掲載されている仕事の中で掲載数の多い仕事の一部(介護士、調理師看護師など)は、生成AIの影響を最も受けにくい職種です。

3.  生成AIの影響を受けにくいスキルの特徴

仕事は基本的にさまざまなスキルが求められ、求人はそれらの様々なスキルを組み合わせて作成されています。生成AIはこれらのスキルの一部を得意としていますが、生成AIには対応できないスキルもあります。Indeed は、分析結果から生成AIが不得意な2つのスキルを特定しました。

1) 人間の直感または高度な推論が必要であるスキル。

2) 手先の器用さ、または身体的な機能が必要であるスキル

  • 調査概要

・調査主体:Indeed Hiring Lab(米国)

・調査対象期間:2022年8月~2023年7月

・調査方法:

 ▶調査期間において、米国の Indeed で公開された、少なくとも 1 つ以上の仕事のスキルに言及した 5,500 万件以上の求人について、求人内で言及された 2,600 以上の個別のスキルを特定し、それを48 の種類に分類しました。

 次に、広範なプロセスの中で、主要な生成AI ツールである ChatGPTを利用し、この48分類のスキルを実行する能力を 「低い」「普通」「高い」「非常に高い」のいずれかで評価するように求めました。

その後、これらのスキルの分類を Indeed の求人掲載にマッピングし、生成AIの変化に最も影響を受けやすい仕事と最も影響を受けにくい仕事を特定しました。

 ▶求人内容に記載されているスキルの80%以上について生成AIが「高い」または「非常に高い」とみなした場合、その仕事は「影響を受けやすい」とみなされます(中程度の影響:スキルの50%~80%未満、影響を受けにくい:スキルの50%未満)。

※本プレスリリースおよび結果詳細は、以下からもご確認いただけます
Indeed Japan Press Room:https://jp.indeed.com/press/releases/20231005

Indeed (インディード) について

Indeedは、最も多くの人が仕事を見つけている世界No.1求人検索エンジン*です。現在60ヵ国以上、28の言語でサービスを展開し、求職者は何百万もの求人情報を検索することができます。 約350万の企業がIndeedを利用して従業員を見つけ、採用しています。また、月間3.5億人以上のユニークビジター**が、Indeedで求人検索や履歴書の登録、企業の情報検索を行っています。詳細はhttps://jp.indeed.comをご覧ください。

*出典:Comscore 2023年6月総訪問数

**出典:Indeed社内データ 2023年4~7月

配信元企業:Indeed Japan株式会社

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