野村不動産ホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:新井 聡、以下「当社」)は、当社グループの野村不動産株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:松尾 大作、以下「野村不動産」)と野村不動産パートナーズ株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長 問田 和宏、以下「野村不動産パートナーズ」)のプロジェクトが、公益財団法人日本デザイン振興会主催「2023年度グッドデザイン賞」を受賞しましたのでお知らせいたします。本年度の受賞で、野村不動産グループの「グッドデザイン賞」受賞は22年連続となりました。

 本年度は7プロジェクトが受賞しており、居住者だけでなく地域全体を巻きこんだエリアマネジメント(Be ACTO日吉~プラウドシティ日吉を拠点としたエリアマネジメント~)や、建物内外で緑を感じ、自然と歩きたくなる環境を創造したサービス付き高齢者向け住宅「オウカス世田谷仙川」など街や地域全体に影響を与えるような取組み・物件、大規模太陽光発電やEV充電車普及に貢献する環境面へのアプローチ等が多く受賞しております。

 野村不動産グループでは今後も人や街が大切にしているものを活かし、「未来(あした)につながる街づくり」を通じて、社会に向けた新たな価値を創造してまいります。

2023年度グッドデザイン賞 受賞プロジェクト

1. プラウド白金長者丸

2. カメクロ横丁~プラウドタワー亀戸クロス~

3. Be ACTO日吉

~プラウドシティ日吉を拠点としたエリアマネジメント~

4. オウカス世田谷仙川

5. 持続可能な大規模太陽光発電の導入スキーム

6. EV充電サービス「プライブ」を用いたEV車普及への取組み

7. SHIROKANE THE SKY

【オウカス世田谷仙川】
【プラウド白金長者丸】
【カメクロ横丁~プラウドタワー亀戸クロス~】
【Be ACTO日吉】

1.「プラウド白金長者丸」(中~大規模集合住宅)

【概要】

 目黒・恵比寿エリアの低層住宅地に誕生した分譲マンション「プラウド白金長者丸」。線路沿いという立地を逆手にとり、電車からの視認性を意識した「PCコンクリート※1によるファサード」、バルコニーを室内に内包した「コンサバトリールーム※2」、音環境が有利な地下に「エントランススタジオ※3」を計画し、喧騒ある都心における集合住宅の一つの在り方を提案した。

【審査委員のコメント】

 住宅と街との関わりには、開口部のデザインの質も大きく関わっていることをこの住宅は再認識させてくれる。一見して住宅らしいファサードとは違う印象だ。それは線路際という敷地条件が、こうしたベランダを排したデザインに繋がったとされている。コンサバトリーという中間領域も、深い抱きを持つ線路側の開口も、結果として生活空間が街に隣接した感覚を醸し出している。2, 3階が上に浮かべられたようなボリューム操作も、軽やかさがあってとても良い。土地の性質に根ざしそこから生まれることを読み解いたデザインといえる。

※1: 規格化された壁などを構成するコンクリート部材をあらかじめ工場で量産し現地で組み立てること。

※2: 屋根や壁面がガラス張りになっている、多目的スペースのこと。

※3: 地下階に設けた土間空間。靴や自転車アウトドア用品の収納やワークスペースなど、様々な用途に使用可能。

【ご参考】プラウド白金長者丸公式サイト:https://www.proud-web.jp/mansion/a116210/

【プラウド白金長者丸】

2.「カメクロ横丁~プラウドタワー亀戸クロス~」(中~大規模集合住宅)

【概要】

 大型商業施設跡地だからこそ、地域に貢献し、にぎわいのコアとなる横丁を中心に街区をデザイン。集合住宅と商業施設と違う個性を持つ建物を、格子・切子といった亀戸ゆかりの伝統モチーフで統一。模型でスタディを重ねた横丁と2つの広場から成る街路空間を創造し、人の集まる地域ネットワークの拠点を創出した。

【審査委員のコメント】

 東京都江東区亀戸、国道14号線が北側にあり外周に道を持つ敷地には、かつては地域のランドマークとして親しまれた大規模商業施設が位置していた。そうした人々に馴染みのある場所に、周辺環境や敷地形状を活かして、南北に通り抜けられる横丁と2つの広場から成る街路空間を創出した大変優れた計画である。一般的な南側住戸型を重視した配置でなく、高層の住宅棟と低層の商業棟の配置をスタディし、東に住戸棟、西に商業棟とし、路地空間(横丁)や広場が生まれることで、光や風、そしてまちの空気感までをも各住戸に取り入れられるようにしている。高層の住宅棟の1階レベルの壁はセットバックすることでピロティとし、そこにベンチを設置、横丁沿いにコワーキングラウンジやカフェ、レストランといった店舗を誘致した。地域の人々と住民双方が利用できる開かれたオープンスペースのあり方は、土地の記憶の継承というテーマにおいても、今後の街づくりのモデルケースとなる計画である。

【カメクロ横丁】
【カメイドクロック(商業施設)・プラウドタワー亀戸クロス】
【オープンスペース】

3.「Be ACTO日吉~プラウドシティ日吉を拠点としたエリアマネジメント~」(中~大規模集合住宅)

【概要】

 分譲マンション「プラウドシティ日吉」では居住者と野村不動産とが一般社団法人を設立し、マンションを拠点とするエリアマネジメント「Be ACTO日吉」を実施。開発時から地域活動を意識し、制度や仕組み等の環境デザインをおこなった結果、マンションの居住者だけでなく、地域の方や多くの企業や団体も活動に参画。新しいコミュニティの輪が拡がっている。

【審査委員のコメント】

 大規模マンション開発におけるエリアマネジメントという課題に、6年をかけて取り組んできた事例である。一般的に共用棟や広場を周囲に開いたという実践例はよく見られるが、「Be ACTO日吉」が実践しているのは、人とコミュニティが共に成長する、他には類をあまり見ない先進的な取り組みである。 居住者や地域住民、事業者により構成される社団法人の立ち上げや、活動を持続していくための「稼ぐ」仕組みづくりは秀逸で、持続可能な状況となれるように多方面から様々な後押しをしていることがわかる。素晴らしい仕組みも、活動資金が回っていかなければ安定して続けられないのだ。ここが住民主体の魅力的な活動であることは会員数の多さに表れており、今後のさらなる進化が楽しみである。

【ご参考】Be ACTO日吉 公式サイト:https://be-acto-hiyoshi.net/

4.「オウカス世田谷仙川」(中~大規模集合住宅)

【概要】

 世田谷で半世紀に渡り守り継がれた約9haの広大な杜の中に建ち、緑の継承と多世代が健康的に暮らし続けられる街づくりに資する賃貸シニアレジデンス。街づくりの中心部で交流の核となる芝生広場側に、地域に開かれた健康づくりの象徴となる木造フィットネス・カフェ棟を設けるとともに、建物内外で緑を感じ自然と歩きたくなる環境を創造した。

【審査委員のコメント】

 広大な敷地開発の中心となる広場に向けて、地域に開かれた共用棟を持つ高齢者集合住宅の事例である。広場に顔を向けた木造フィットネス・カフェ棟は、大断面集成材を使用することにより伸びやかさと安らぎを持つ空間を実現している。地域住民が自由に出入りできる木造棟の奥からは、入居者が利用するエントランスと大空間のダイニング、そして低層に抑えたレジデンスへと繋がる。その連続性と機能ごとの適切な分化形態の両立もよく考えられている。そうした要素を内包しながら、半世紀にわたり守られてきた既存樹を継承しつつそこに寄り添いながら建つ姿に、審査委員からの高い評価が集まった。

【ご参考】オウカス世田谷仙川 公式サイト: https://www.nomura-re-wn.co.jp/sengawa/

【オウカス世田谷仙川】
【木造フィットネス・カフェ棟】
【ダイニング】

5.持続可能な大規模太陽光発電の導入スキーム」(中~大規模集合住宅関連のサービス、システム/HEMS

野村不動産野村不動産パートナーズ、株式会社ファミリーネット・ジャパンの共同受賞)

【概要】

 様々な社会情勢から、脱・化石燃料を果たす自然エネルギーの活用は国際的に喫緊の課題となっている。これまでマンションでは実装が難しいとされてきた大規模太陽光発電を導入するため、野村不動産グループが設置から運用、管理までを一括して行い、居住者の経済的負担を軽減すると共に、効率的かつ永続的に利用できるスキームを構築した。

【審査委員のコメント】

 集まって住むことの利点に、環境負荷の抑制がある。集合住宅は戸建住宅に比べ、1戸あたりの外皮面積が少なく、発電設備を効率的な形でシェアできるはずである。その一方で、特に規模の大きい集合住宅において、環境負荷の低減を試みる際に抵触する制度の仕組みを乗り越えるための一つの方策が、住宅の開発供給者による一括受電システムである。このスキームではその10年間の実績に基づいた各種最適化が図られている。住人が地産地消の電力エネルギーを効率的かつ実使用状況に応じて柔軟に使いこめる可能性を追求する姿勢が評価された。

【ご参考】プレスリリース:https://www.nomura-re.co.jp/cfiles/news/n2023071902253.pdf

【プラウド新浦安パークマリーナ】
【プラウド青葉台】

6.「EV充電サービス「プライブ」を用いたEV車普及への取組み」(中~大規模集合住宅関連のサービス、システム/HEMS)

野村不動産九州電力株式会社の共同受賞)

【概要】

 分譲集合住宅においてEVを充電できる区画が少ない現状を踏まえ、充電設備をマンションの電気設備とは別系統かつ低圧で引き込むことで、高まるEV需要に応えるサービス。初期費用を抑えられる低圧引込に加え、充電器は利用者との個別契約で管理費負担ゼロを実現。さらに、将来の需要増を見越して導入時に増設計画まで立案。増設も容易に対応。

【審査委員のコメント】

 社会のEVシフトに対して、集合住宅管理の面から、コストや合意形成の課題に一つひとつ丁寧に対応していく現実的手法であることが評価された。集合住宅は、人が集まって住むことの豊かさをあらゆる面で追求すべきだが、EVの駐車(充電対応)はかねてよりそれに逆行する面がある課題であった。デベロッパーによるこの取り組みは、近年の法改正により専用の別引き込みが解禁されたことに合わせた動きといえるが、すでに賃貸アパートでは当初から全数対応をしている事例も出てきているという。今後は既存のマンションへの提供など、より一層の柔軟な対応が求められよう。

7.「SHIROKANE THE SKY」(中~大規模集合住宅)

(東京建物株式会社、株式会社長谷工不動産、住友不動産株式会社、野村不動産、三井不動産レジデンシャ

ル株式会社の共同受賞)

【概要】

 本プロジェクトは「安心して快適に暮らし続けられる、やすらぎとゆとりのあるまち」の実現を目標にした約1.7haに及ぶ区域の再開発事業である。都市構造上の課題を抱えた区域を街区再編し、道路等基盤施設の整備・拡充、古川沿い歩行者通路等の整備を行い、住宅・商業・工場・病院等の多機能が融合した魅力ある複合市街地を創出した。

【審査委員のコメント】

 東京都港区白金、8車線程の道路の415号線、416号線の交差部、角地で416号線の上部には首都高速が通り、高層建築が建ち並ぶ。そうした立地的に特色のある地域に、住宅・商業・工場・病院等を配した複合高層建築である。平面、断面的な構成は、高さの違う3棟を分棟で配置しながら、都市的な視線の抜けを確保し、低層レベルのボリュームは繋げ、ピロティやガラスの庇などで歩道と境界なく連続させている。都市スケールからヒューマンスケールまでの各段階を総合的にデザインした大変優れた計画である。既存機能である病院や町工場、戸建て住宅や集合住宅等も含めて計画地内に計画することを前提に行政との協議、権利者との対話を繰り返し、古川の浸水対策など都市部の機能向上に貢献している。今後もこの地域をより良くしていく姿勢が期待されるところである。

【SHIROKANE THE SKY】

配信元企業:野村不動産ホールディングス株式会社

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