明治安田生命保険相互会社(執行役社長 永島英器)と独立行政法人国立科学博物館(館長 篠田謙一)は、来る10月16日(月)~11月5日(日)まで企画展「皇居の生き物たち-環境変化で何が起こっているのか?-」を開催いたします。

 皇居に広がる大規模緑地は多様な生物を有することから、「都心のオアシス」とも例えられます。

 本企画展では、国立科学博物館による皇居生物相調査I~II期(I期:1996年度~2000年度、II期:2009年度~2012年度)、動物相モニタリング(2000年度~2005年度)、およびIII期(2021年度~2025年度予定)の途中経過によって明らかにされた代表的な生き物たちの紹介や皇居の生物相の特徴、変わりゆく都市環境に対してどのような生物相の変化がみられたのか、などについて紹介いたします。
 当企画展は地球規模環境問題に関する国立科学博物館の基礎研究へ、「環境保全・気候変動への対応」を推進する明治安田生命保険相互会社が支援し、皇居に程近い、明治安田ヴィレッジ丸の内 1階アトリウムで開催するものです。皇居という都市環境下での生物たちと環境変化による生物相の変化を広くみなさまに知っていただく内容となっております。
 両者はこれからも、環境問題に対する連携を通じて持続可能で希望に満ちた豊かな社会づくりに貢献してまいります。
※生物相調査とは…
ある地域に生息・生育する生物を確認し、学術的な分類方法に従って一覧とするもの。

  • 概要

企画展「皇居の生き物たち-環境変化で何が起こっているのか?-」
【共  催】明治安田生命保険相互会社、独立行政法人国立科学博物館
【協  力】宮内庁
【会  期】令和5年10月16日(月)~令和5年11月5日(日)
      会期中は7時~23時30分までご観覧可能です。
【場  所】明治安田ヴィレッジ丸の内 1階アトリウム
     (東京都千代田区丸の内2-1-1)
【料  金】入場無料

  • 展示内容

1.皇居の生き物たち

 皇居から見つかった動物や植物について、普通種や珍しい生き物たち(絶滅危惧種・希少種・新種・日本新産種)、意外な生き物、皇居を特徴づけるような象徴的な生き物などを紹介します。
 その他、分類群を12の区分(甲虫類、チョウ・ガ類、トンボ類、ハチ・アリ・ヌカカ類、クモ類、鳥類、両生類爬虫類、寄生蠕虫・その他動物、植物、菌類、藻類、コケ植物・地衣類)に分けて、それぞれ紹介するコーナーも設けます。

吹上御苑内のニホンミツバチ


日本在来のミツバチ。皇居内には、ミツバチの天敵となるスズメバチ類も多く生息していますが、ニホンミツバチは導入種であるセイヨウミツバチと比べ、これらの天敵に対する高い防衛能力を有しており、皇居内でも営巣が確認されています。


2.皇居の自然

 都市部における開発により、自然環境の破壊や生物多様性の喪失が懸念されています。
そのような状況の中、皇居は東京の中心地に位置するにも関わらず、豊富な自然が育まれています。その自然の特徴を紹介いたします。

3.生き物の多様な調査方法

 生物相調査で実際に使用されている調査用具、分類群毎の調査方法をご紹介します。また調査風景の一端を動画でご紹介します。

4.環境変化と生物相の変遷

 第I期からの継続的な調査によって、様々な分類群において生物相の変化が確認されています。原因を特定するためには詳細な科学的裏付けが必要になりますが、ヒートアイランド現象や地球温暖化に伴う都市部の気温上昇、人間活動に伴う生物の移入や消長、大気汚染とその改善などが要因として考えられています。

「温暖化、外来種の侵入、大気汚染原因不明」の4つにテーマを分け、皇居で近年になって見られるようになった生物、見られなくなった生物、その推定される原因などについて紹介いたします。また、新たに皇居で見られるようになった昆虫数種(温暖化の影響による可能性、外来種)の動画を公開します。

皇居で近年見られるようになった外来種クズクビボソハムシ

中国原産で体長6~8mm、背面は黄褐色で体下面と脚が黒色。

クズの葉に穴をあけながら食べる。2016年に東京都心(目黒区、港区)で発見されて以来、非常な速さで分布を拡大中である。

皇居で定着・成長が確認されたウメノキゴケ

ウメノキゴケは大気汚染指標としてよく知られており、二酸化硫黄などの汚染物質濃度が高くなると衰退する。

5.皇居生物相調査(第III期)の取り組みと意義
 第III期調査の目的、DNA情報の解析の意義などをご紹介します。


種を調べる手がかりとなるDNA領域の解析(DNAバーコーディング)や、現場では確認できない種もDNA情報から検出するメタゲノム解析を行い潜在的な多様性についても一部の分類群で調べています。

配信元企業:文化庁

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