国産兵器の傾向を強める。

S-400と同程度のミサイルを開発か?

インド空軍は2023年10月3日、自国産の防空ミサイルプロジェクトに関して国防省から許可が出たと発表しました。

同プロジェクトにゴーサインが出た理由としては、インドがここ数年、自国産兵器の開発を重視していることが大きいですが、ロシアからのS-400地対空ミサイルシステムの到着が遅れていることも、少なからず影響してると本国ではみられているようです。

S-400は、アメリカのパトリオットミサイルの倍の射程があり、400km先の6個の目標を同時ロックオンできる性能を持つといわれているロシア製の超長距離地対空ミサイルシステムです。

インド政府は2018年に同ミサイルシステムを計5個中隊分購入する契約を結んでいました。現状、3個中隊分まではインドに届いていますが、2022年2月から始まったウクライナ侵攻の影響で、残り2個中隊分は納入が遅れている状態です。

ヴィヴェック・ラム・チャウダリ空軍参謀総長によると、S-400の納入は2024年末までに完了する予定とのことです。なおウクライナ侵攻後、ロシア製の兵器はほかのものに関しても納入が遅れ気味で、インド政府が懸念を表明したこともありました。

国産のミサイルシステムのプロジェクト名は「クシャ」で、S-400と同じく広域をカバーする防空ミサイルシステムの構築を目指すようです。

S-400のミサイル本体と輸送起立発射機(画像:ロシア国防省)。