日本との一騎打ちに向け、アルゼンチンでは警戒が強まっている。(C)Getty Images

 現地時間10月8日フランスで開催中のラグビーワールドカップ(W杯)2023の1次リーグD組の最終戦で、日本はアルゼンチンと対戦。2大会連続での決勝トーナメント進出を懸けた大一番に挑む。

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 勝者が次に進む――。現時点で同組3位につけている日本と、2位アルゼンチンはともに勝点9で並んでいるため、ベスト8進出への構図はシンプルだ。仮に引き分けに終わったとしても、アルゼンチンが3トライ以下で終わり、日本が4トライ以上を決めた場合にはボーナスポイントの差で突破はできる。がしかし、得失点差で32差をつけられているブレイブブロッサムズ(ラグビー日本代表の愛称)にとってそれは現実的とは言い難い。

 ともすれば、アルゼンチン優位の見方もできる。だが、同国メディアでは日本への警戒も強まっている。全国紙『Ole』は「ワールドカップの緊張感が高まっている」と国内に流れる雰囲気を伝えたうえで、「両国が置かれた状況は簡単だ。勝てばいい。負けた方は荷物をまとめて帰国するだけだ」とリポート。そのうえで元代表OBであるフアンフェルナンデス・ロベ氏の桜戦士たちに対する分析を伝えている。

「彼らとの試合は決勝トーナメント1回戦のようなものだ。間違いなく厳しい戦いになる。日本はダイナミックなチームで、あらゆる物事は明確にされている。我々が臨むうえで、非常に困難な相手だ」

 そう論じたロベ氏は「日本は準備も整っている。私は今大会の3試合を見ているが、イングランドでさえ接戦だった」と指摘。桜戦士への警戒を強めた。

 無論、南米の雄は日本への警戒を微塵も怠っていない。アルゼンチンを指揮するマイケル・チェイカヘッドコーチは、現地4日の会見で「日本はとても鍛え抜かれたチームだ。どんな努力も惜しまないし、あらゆる局面で積極果敢に挑戦してくる。こちらもそれに立ち向かわなければいけない」と強調した。

「日本は非常に競争力のあるチームだ。攻撃と守備で取り組んでいる戦術も他のチームとはまったく違う。日本を支えているジェイミー・ジョセフとトニー・ブラウンは、私がとても尊敬する優秀なコーチだ。そんな指導者と彼らは仕事をしてきたんだ。ただ我々も準々決勝に行く意思を見せる。日曜日に向けて、準備とプランニングは細部まで進んでいる」

 まさに臨戦態勢といった様子の指揮官の下でアルゼンチンは、どこまで仕上げてくるか。運命の一戦の幕開けはすぐそこまで迫っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


日本戦へアルゼンチンは臨戦態勢! 最終戦で“優位”の見方に指揮官は「日本は鍛え抜かれたチームだ」【ラグビーW杯】