後半戦に調子を上げた森下と佐藤輝の活躍にOBも賛辞を贈った(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 2023年のペナントレースで、セ・リーグを18年ぶりに制した阪神。シーズン序盤より首位争いでの主役を演じたこともあり、岡田彰布監督の采配、選手起用も常にフォーカスされ続けた。

 特に、期待をかける選手に対しては投手、野手ともに、結果が伴わなくとも試合に出場させるという、岡田監督の辛抱強さが表れたシーズンとなり、その上で見事に復帰1年目で大輪の花を咲かせた。

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 今季、岡田監督の強い信頼を受け、期待に応える結果を残した多くの選手の中で、シーズンが進むにつれ状態を上げて行き、好結果に繋げていったプレーヤー森下翔太佐藤輝明だ。

 森下はルーキーイヤーの今季、開幕スタメンの座を射止めるも、シーズン前半で2度の二軍落ちも経験。しかし、夏以降は主に3番打者として存在感を放った。新人右打者では岡田監督以来という本塁打数2桁をマークしている。

 プロ3年目、「和製大砲」として、さらなる飛躍を期待された佐藤輝も今季、序盤から数字が伸び悩んだ。好機でも凡打が目立ち、6月には2年ぶりとなるファーム行きを命じられている。好調のチームの中で、一人その波に乗り切れない状況が続くも、後半戦、8月以降は、本塁打、打点で今季のほぼ半分となる数字を記録するほど、打棒を奮った。

 いずれも、シーズン中盤から打線の中軸としてチームを力強く牽引し優勝に導く存在となり、CSでもそのバッティングに高い期待が懸けられている。そして、森下、佐藤輝の両選手に対しては、かつて主力選手として日本一に貢献した球団OBからも、今季のパフォーマンスへの賛辞が贈られている。

 リーグ優勝、日本一を達成した1985年シーズン、抑えのエースとして活躍した中西清起氏がYouTubeチャンネル『中西清起虎の穴チャンネル』を10月5日に更新。2023年の阪神のレギュラーシーズンを振り返りながら、ここまでの森下、佐藤輝の働きについてコメントを寄せた。

 中西氏は森下に対して「3番に入って打線に勢い、繋がりが出てきた」と後半戦からの貢献度を称えており、ノイジーを6番に据えたことにも触れながら「課題だった3番と6番が埋まった」と評した。さらに「思い切りのいいバッティングができるようになったことは評価したい。まだまだ課題はあるけど、一年目でこれだけできれば立派だと思います」と称えている。

 また、佐藤輝については「期待度が高かっただけに、岡田監督も厳しく当たっていた」と語っており、その上で「ファームに落とされたことなどで野球に取り組む姿勢も変わってきているようにもみえる。一軍復帰後はメンタル的にもしっかりして、キャリアハイの数字を残せた」と精神面での成長も大きかったと指摘。

 さらに中西氏は、岡田監督の今季の方針を振り返り「就任当初から4番大山、5番佐藤輝が顔と言い続けていた」と述べながら、「(今季の大山の様に)来季は佐藤輝もフル出場、フルイニング出場をしてほしい。これは来季の課題だと思います」と期待の言葉も発している。

 今月18日からのCSファイナルステージを勝ち抜き、日本シリーズ出場を見据える阪神にとって、森下、佐藤輝の活躍は必須。若く、頼もしさを増す両選手は一年の最後の舞台でも、トラ党を熱狂させるパフォーマンスをみせてくれるはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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