病室・病院

心臓カテーテル検査で入院した女性(65)が、手術ミスで帰らぬ人に。しかし死亡診断書と医療記録に記された死亡時間に、相違があった。この事例にまつわる疑問について、『DailyMail』などが報じている。


■動脈を間違って切断か

シーラさん(65)という女性が、心臓カテーテル検査のために入院。家族はその時の様子を、「彼女の健康状態は良好でした」と語る。検査入院は大きな手術とは異なり、家族や本人も定期的なメンテナンスの意識でいたという。

検査には、以前から資格を疑問視されていたベッツ医師が執刀。すると処置中にシーラさんの出血がひどくなり、ICUに移され心臓専門医のレーマン医師が処置にあたったが、結局は助からなかった。


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■死亡時間に違い

家族は、シーラさんの容体急変の知らせを受けて病院に駆けつけた。そのときシーラさんは、ベッドの上で身を起こした状態で人工呼吸器につながれていたという。

医師たちは蘇生が難しいとし、家族に人工呼吸器を外す決断を迫った。家族は仕方なく同意し、シーラさんはその日の午後3時05分をもって死亡と判定された。

ところがシーラさんの医療記録には、死亡時刻が午後1時と記されていた。死亡診断書と2時間の開きがあることを、家族は不審に感じたという。


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■ベッツ医師に疑問の声

シーラさんの処置にあたったベッツ医師には、じつは経歴詐称などの疑いが指摘されていた。病院内では、ベッツ医師が施術内容や手術方法をYouTubeを見て学んでいたとする証言も多数浮上している。

過去に少なくとも3回のカテーテル大動脈弁置換術を執刀したベッツ医師は、手術の資格を持っていないと主張する人が31人に上っている。心臓カテーテル検査の過去の記録には、同様の施術で1人が死亡、3回の追加処置を別の病院で受けた患者もいたという。


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■病院を相手に訴訟

シーラさんの死後、家族は個別の検視を依頼。死亡時間が2時間異なるという不可解な謎の解明と医療ミスの追跡のため、病院を相手に訴訟に乗り出した。

病院の代表者はメディアに対し、「一連の報道は虚偽であり、報道機関の信用性も低い」と事実関係を認めていない。

しかし関係者の証言を調査するなかで、ある看護師は「シーラさんは、本来手術は必要なかったように感じる」と話しているのだそうだ。

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(文/Sirabee 編集部・[本間才子])

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