インフルエンザにかかったかのような症状から始まった病気が、恐ろしい敗血症性ショックに発展。将来の活躍が期待されていた少年ピアニストは、両手を失ってしまったという。あまりにも悲劇的な話題を『PEOPLE』『USA TODAY』などが報じている。
■インフルエンザに似た症状
アメリカ・テネシー州在住のマティアス・ウリベさんは「神童」と呼ばれ、将来を嘱望されていた14歳のピアニストだった。
今年6月中旬、マティアスさんはインフルエンザのような症状を訴え、高熱が出てA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と診断された。この菌は喉の常在菌のひとつで、健康な10代であれば普通は脅威の存在ではない。
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■体内で免疫システムが暴走
マティアスさんは処方された薬を飲むも病状がほとんど改善されず、6月30日に呼吸困難を訴え、ナッシュビルのバンダービルト大学モンロー・カレル・ジュニア小児病院に搬送された。
そこで下された病名は、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(レンサ球菌性毒素性ショック症候群)。体内で免疫システムが暴走し、感染症への反応が制御不能に陥ってしまったことが考えられるという。
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■入院20日後で敗血症性ショックに
肺の機能、および体内の血液循環機能も低下していたマティアスさんには、ただちに生命維持装置が付けられ、その状態が2週間続いた。
だが、入院から20日後に敗血症性ショックに陥り、手と足の組織がみるみる壊死。医師の判断に両親も同意し、7月21日には左の膝から下を、4日後には右の膝から下を、さらに8月1日には両手の手首から先が切断された。
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■手術はこれからも続く
天才的なテクニックとともに、ピアノを弾くことが最大の喜びだった少年が、突然の病で両手を失ってしまった。
生命維持装置はすでに取り外されているが、入院中に十数回もの手術を受けたにもかかわらず、さらに数回受ける必要があり、入院生活はあと1ヶ月続く予定だ。
この悲劇的な出来事に親族はクラウドファンディングのページを開設。高額になる医療費、および義手、義足を作れるようにと、人々から日本円にして4,000万円近い寄付が寄せられている。
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■手を洗い、傷口を守る
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によれば、アメリカでは毎年10万人あたり約3~6人がこのような毒素性ショック症候群を発症し、患者の3割が死亡しているとのこと。
だが、四肢の切断が必要になるほど深刻な症例はきわめて稀だという。
予防のためには頻繁に手を洗い、傷口ができたら包帯を巻いて細菌感染を防ぐ。高い熱が1週間以上続き、呼吸困難、皮膚の冷たさ、だるさなど全体症状が悪化している場合は、必ず医療機関を受診することが大切だという。
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