バイエルンは6日、元ドイツ代表DFジェローム・ボアテングがクラブに復帰しないことをクラブ公式サイト上で発表した。

 現在35歳のボアテングは、2011年から2021年にかけてバイエルンに所属。ブンデスリーガを9回、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を2回、FIFAクラブワールドカップを1回制覇するなど、最終ラインの要として同クラブの黄金期を支えた。

 2021年8月にリヨンへと完全移籍で加入し、長年在籍したバイエルンに別れを告げたボアテング。現在はフリーエージェントとなっており、最近はバイエルンの練習に参加していることが報じられてきた。

 だが、ボアテングが家庭内暴力の疑いで裁判にかけられていることもあり、サポーターは同選手とクラブの“再契約”に反発。これを受けて、バイエルンはクラブ公式サイトで次のような声明を発表している。

ジェローム・ボアテングはバイエルンに戻らない。クラブは6日にこの決定を下し、長く在籍した元バイエルン選手にもすでに通知した」

「約2週間前、バイエルントップチームのセンターバック4人全員が負傷のため、プロイセン・ミュンスターとのポカール杯
1回戦に出場できなかった。そのこともあり、現在無所属のボアテングはバイエルンのトレーニングに参加していた。(フランス代表DF)ダヨ・ウパメカノと(韓国代表DF)キム・ミンジェは再び痛みなくプレーできるようになった一方、(オランダ代表DF)マタイス・デ・リフトも順調に回復しており、守備の中心の人的状況が緩和されたことを意味している」

「あらゆる側面を考慮して、バイエルンはボアテングと契約しないことを決定した。同時に、名の知れたボアテングには、クラブでフィットネスを維持し続ける機会が与えられた。ボアテングの体調は良好だ」

 声明内にある“あらゆる側面を考慮”という部分には、現チームのセンターバックの回復とは別の理由も含まれている模様だ。裁判沙汰になっているボアテングの復帰に反対していたサポーターは、7日夕方までにクラブがボアテングとの関係を断ち切らなかった場合、8日に行われるブンデスリーガ第7節・フライブルク戦の応援を拒否する姿勢を見せていたからだ。引き続き、ボアテングに対してクラブ施設を使用する許可が出た以上、“関係を断ち切った”とまでは言えないが……。引き続き、両者の関係に注目が集まる。

バイエルン復帰の可能性が閉ざされたボアテング(写真は2020年) [写真]=Getty Images