先週末に行われた第8節ではマンチェスター・シティが今シーズン初黒星を喫し、開幕からの連勝が「6」でストップ。その首位チームを追う2位グループではトッテナムアーセナルのノースロンドン勢が無敗をキープし、1ポイント差に迫っている。

インターナショナルマッチウィーク前最後の一節となる今節は、昨シーズンのリーグタイトル争いで主役を演じたアーセナルマンチェスター・シティビッグマッチに大きな注目が集まる。

アーセナルは前節、敵地でのボーンマス戦に4-0で完勝。2度のリードを追いつかれたノースロンドンダービーでの悔しいドローを見事に払拭。格下相手に常に危なげない試合運びを見せた上、悩めるMFハヴァーツにPKながら加入後初ゴールが生まれるポジティブな内容となった。

ただ、ミッドウィークに開催されたチャンピオンズリーグ(CL)ではRCランスに敵地で1-2の敗戦。今季の公式戦初黒星を喫することになった。同試合では決定力不足にミス絡みの失点と少なくない課題を露呈し、FWサカが筋肉系のトラブルで前半半ばに負傷交代と、今回の大一番に向けて不安を残す形となった。

対するシティは前節、ウォルバーハンプトンとのアウェイゲームで1-2の敗戦。相手の粘り強い守備に手を焼き、一時はFWアルバレスの見事な直接FKで同点に追いついたものの、相手の鋭い高速カウンターから2失点を喫し、1-2の敗戦。EFLカップのニューカッスル戦に続く公式戦2連敗となった。

それでも、直近のCLではRBライプツィヒに3-1の勝利を収めてバウンスバックに成功。試合の大半を通して主導権を握りながらも一時同点に追いつかれたが、いずれも途中出場となったアルバレスとFWドクの1ゴール1アシストの共演によって敵地で大きな勝ち点3を手にした。MFベルナルド・シウバに加え、DFストーンズと負傷者も続々と復帰しており、悪くない状態で敵地へ乗り込むことになった。

その大一番と共に注目を集めるのが、6位のブライトンと4位のリバプールによる上位対決。MF三笘薫とMF遠藤航の日本人対決も期待される一戦だ。

開幕から好調を維持するブライトンだが、ここに来てクラブ史上初のヨーロッパリーグ(EL)との二足の草鞋を履くダメージがじわじわと効いてきた印象だ。前節のアストン・ビラ戦では堅守速攻、ハイインテンシティのホームチームの長所を全面に出させてしまい、FWワトキンスにハットトリックを許すなど1-6の惨敗。EFLカップのチェルシー戦に続く公式戦2連敗となった。

さらに、バウンスバックを図った直近のELマルセイユ戦では三笘の初アシストなどで2点差を追いついたが、最終的に2-2のドロー。またしても欧州の舞台での初白星を逃した。公式戦4試合ぶりの白星を目指す上位対決では、昨季3度の対戦で1分け2敗と好結果を残したクロップのチーム相手に守備の修正と共に、三笘ら攻撃陣の躍動が求められるところだ。

一方、リバプールは前節、トッテナムとの無敗対決に1-2で敗れて今季初黒星を喫した。MFカーティス・ジョーンズ、FWジョタの2選手の退場に加え、PGMOLが誤審を認めて謝罪したFWルイス・ディアスの先制点の見逃しによって受け入れがたい敗戦となった。その誤審問題の余波は約1週間を経過してもなお続いているが、直近のELではサン=ジロワーズとのホームゲームをMFグラフェンベルフの初ゴールとジョタのゴールで2-0で勝利。しっかりとリバウンドメンタリティを示した。同試合で上々のパフォーマンスを見せた遠藤は前半のみの出場となっており、カーティス・ジョーンズの代役としてシーガルズ戦に先発する可能性は高そうだ。

誤審問題に話題をさらわれたものの、リバプールを破って開幕無敗を継続した2位のトッテナムは、17位のルートン・タウン相手に連勝を狙う。リバプール戦では相手の先制点の取り消し含め、幾つかの判定が有利に働いたことは間違いないが、難敵相手に自分たちのスタイルを最後まで貫いた末にシェフィールド・ユナイテッド戦に続く後半アディショナルタイムの劇的ゴールによって勢いに乗る勝利となった。MFペリシッチやFWブレナン・ジョンソンに続き今週のトレーニング中にFWソロモンが負傷するなど前線に相次ぐ負傷者は懸念材料も、対戦相手はミッドウィークに延期分のバーンリー戦(1-2で敗戦)を戦っており、地力の差と日程面の優位性を生かしてしっかりと勝ち切りたい。

直近の公式戦2連敗で苦境が続く10位のマンチェスター・ユナイテッドは、14位のブレントフォード相手に連敗ストップの勝利を目指す。リーグ前節ではEFLカップで完勝したクリスタル・パレス相手にセットプレー一発に泣いて0-1の敗戦。さらに、CLのガラタサライ戦では本領発揮のFWホイルンドが2ゴールを挙げる活躍を見せたが、守護神オナナの再びの失態を含め脆弱な守備陣が3失点を喫してホームで2-3の逆転負けとなった。対戦相手は直近2分け3敗の公式戦5戦未勝利と不調に陥っているが、鋭いカウンターとセットプレーを武器とする侮れない相手だ。守備の修正と共にFWラッシュフォードを筆頭に精彩を欠く一部アタッカー陣の奮起が求められる。

11位のチェルシーはミッドウィークに待望の初勝利を挙げた18位のバーンリー相手に今季初の連勝を狙う。マンデーナイト開催となったフルアムとのダービーでは、悩めるFWムドリクの加入後初ゴールに長期離脱明けのFWブロヤのゴールによって2-0の快勝を収め、リーグ4試合ぶりとなる2勝目を手にした。サスペンション明けのFWジャクソンが復帰し、前線の厚みを増す中で戦う昇格組との一戦では攻撃陣のさらなる躍動が期待される。

その他では公式戦4連勝と一時の不振を完全に脱却した8位のニューカッスルと、同じく公式戦3連勝の7位のウェストハムが対峙する強豪対決。今季初勝利を目指すシェフィールド・ユナイテッド、ボーンマスの戦いにも引き続き注目したい。

プレミアリーグ第8節
▽10/7(土)
《20:30》
ルートン・タウン vs トッテナム
《23:00》
バーンリー vs チェルシー
エバートン vs ボーンマス
フルアム vs シェフィールド・ユナイテッド
マンチェスター・ユナイテッド vs ブレントフォード
《25:30》
クリスタル・パレス vs ノッティンガム・フォレスト

▽10/8(日)
《22:00》
ブライトン vs リバプール
ウェストハム vs ニューカッスル
ウォルバーハンプトン vs アストン・ビラ
《24:30》
アーセナル vs マンチェスター・シティ