内海氏の手腕に期待が高まる(C)Getty Images

 西武は10月6日内海哲也ファーム投手コーチと来季の契約を結ばず、退団すると発表した。

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 同氏については阿部慎之助新監督率いる巨人が投手コーチとして招へいを検討しているとされ、6年ぶりの古巣復帰が有力視されている。

 内海氏は東京ガスから2003年のドラフト自由獲得枠で巨人に入団。2011、12年には2年連続最多勝を獲得するなど、左腕エースとして一時代を築いた。

 チーム在籍時は「内海組」と呼ばれるほど、人望も厚く投手陣のリーダー役を長年務めたことも知られている。

 その後、同氏は18年オフに炭谷銀仁朗捕手(現楽天)の人的補償として西武に移籍。投手兼任コーチとしてプレーした22年限りで現役を引退、今季は西武のファーム投手コーチに就任し、若手の育成に努めていた。

 また内海氏といえば、巨人のエースという看板を背負いながら、「栄光と挫折」を味わったことでも知られる。キャリアハイの18勝をマークした2011年も、勝ち星18勝の内、2勝は中継ぎ登板時にマークしたもの。

 このときのことを同氏は巨人OBの上原浩治氏のYouTubeチャンネル「雑談魂」に今年の春先に出演した際に「あまり信用がなくて」と苦笑しながら振り返っている。当時は第二次原政権下だったが、先発ローテーションの2周目に外されたという。

 またその後、自由枠で入団した選手が人的補償で他球団に移籍することになったのも異例のこととなり、プロ人生の節目で様々な厳しい局面と向き合ってきた。

 一方でそんな山あり谷ありのプロ人生を送ってきた内海氏だからこそ、現在2年連続Bクラスに沈むチームの再建を託すにはふさわしいという見方もある。

 投手陣では最終戦で10勝目をマークした山崎伊織、終盤に存在感を示した赤星優志、救援陣でもルーキーの船迫大雅など若手の台頭も目立った中、今季は中堅、ベテラン勢の元気のなさも目立った。

 目指すV奪回には投手陣においても若手だけではなく、中堅、ベテラン勢の力も結集して、チーム力の底上げが必須とされる。元気をなくしている面々には再び自信を取り戻してもらうことが必要となる中、様々な場面で挫折を味わってきた内海氏の「寄り添う力」、サポート力がチーム浮上の鍵を握る大事なピースとなりそうだ。

 巨人在籍時、投手陣をまとめ上げた手腕が6年ぶりの現場復帰でいかに発揮されるか。巨人ファンにとっても待望の復帰劇となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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