熊本・宮崎の高速アクセスルートのひとつとなります。

少しずつ確実に前進中

国土交通省 熊本河川国道事務所は2023年9月29日(金)、熊本・宮崎県境付近で整備中の九州中央自動車道「蘇陽五ヶ瀬道路」五ヶ瀬工区について、11月末に着工すると発表しました。

九州中央道熊本市から高千穂を経由し、宮崎県延岡市までをむすぶ構想の高規格道路です。九州の東西をむすぶ高速道路大分道と最南端の宮崎道しかないため、現在「中九州横断道」(熊本~大分)とともに順次整備が進められています。全線開通すれば、熊本県宮崎県がより短時間で直結され、災害時の緊急輸送道路としての機能も期待されます。

その九州中央道のうち、県境をまたぐのが「蘇陽五ヶ瀬道路」。2021年に測量開始しており、いよいよ工事に取りかかることとなります。宮崎県側でも半月前、着工が発表されており、いよいよ両県がバイパスでつながっていくこととなります。着工する区間は蘇陽IC~五ヶ瀬西IC。基本的に地上区間で、トンネルは短いものが1か所あるだけです。

九州中央道は事業化や着工が進み、熊本県側は九州道・嘉島JCTから山都中島西ICまでの12.6kmが開通済み。その先、矢部ICまでの10.4kmも2023年度中に開通予定です。その先の約10.3km「矢部清和道路」は測量設計中、そこから蘇陽五ヶ瀬道路までの数キロは、まだ事業化されていません。

宮崎県側は東九州道の延岡JCTから蔵田ICまでの13.1kmが開通済みで、そこから長い未事業化区間があり、県境付近の日之影町・高千穂町・五ヶ瀬町内で事業中、一部開通済みという状況です。

ちなみに昭和時代、国鉄も熊本~延岡をむすぶべく、両側からそれぞれ「高森線」と「高千穂線」を開業させましたが、結局、県境を越えて両路線がつながることはありませんでした。その後第三セクター南阿蘇鉄道」と「高千穂鉄道」に転換されましたが、後者は2005年に台風で被災し、そのまま廃止となっています。

各地で整備がすすむ九州中央道(画像:熊本県)。