プレミアリーグ第8節、アーセナルvsマンチェスター・シティが、日本時間8日24:30にエミレーツ・スタジアムでキックオフされる。昨シーズンのリーグタイトル争いで主役を演じた両雄が勝ち点1差で対峙する、注目のビッグマッチだ。

開幕5勝2分けで3位のアーセナルは前節、敵地でのボーンマス戦に4-0で完勝。2度のリードを追いつかれたノースロンドンダービーでの悔しいドローを見事に払拭した。格下相手に常に危なげない試合運びを見せた上、悩めるMFハヴァーツにPKながら加入後初ゴールが生まれるポジティブな内容に。ただ、ミッドウィークチャンピオンズリーグ(CL)ではRCランスに敵地で1-2の敗戦。今季の公式戦初黒星を喫することになった。FWガブリエウ・ジェズスのゴールで先制に成功したが、新守護神ラヤのミス絡みで失点を喫すると、以降は相手の堅守に手を焼いた中で一瞬の隙を突かれて逆転を許すという、攻守両面で課題が少なくない一戦となった。

その敗戦からのバウンスバックを図るアルテタのチームは、今節のシティ戦からインターナショナルマッチウィークを挟んでチェルシー戦、セビージャ戦と、シーズン序盤の正念場となる3連戦を控えており、その初陣となる昨季王者とのホームゲームでは是が非でも勝ち点3がほしいところだ。

対する首位のシティは前節、ウォルバーハンプトンとのアウェイゲームで今季リーグ戦初黒星。相手の粘り強い守備に手を焼き、一時はFWアルバレスの見事な直接FKで同点に追いついたものの、相手の鋭い高速カウンターから2失点を喫し、1-2の敗戦。開幕からの連勝が「6」でストップすると共に、EFLカップのニューカッスル戦に続く公式戦2連敗となった。

それでも、直近のCLではRBライプツィヒに3-1の勝利を収めてバウンスバックに成功。試合の大半を通して主導権を握りながらも一時同点に追いつかれたが、いずれも途中出場となったアルバレスとFWドクの1ゴール1アシストの共演によって敵地で大きな勝ち点3を手にした。そして、悪くない状態で敵地へ乗り込むことになった。

なお、今季開幕前に行われたコミュニティ・シールドはPK戦の末にアーセナルが勝利を収めたが、プレミアリーグの直近の対戦ではシティが12連勝と圧倒的な戦績を残している。アーセナルが最後にリーグ戦でシティを破ったのは、2015年12月と約8年に渡って勝利がなく、今回の試合ではコミュニティ・シールド勝利の良いイメージを持ってグアルディオラ率いるシティズンズ相手の初勝利を狙う。

アーセナル
【4-3-3】
▽予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.

GK:ラヤ
DF:ホワイト、サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコ
MF:ウーデゴール、トーマス、ライス
FW:サカ、ジェズス、トロサール

負傷者:DFティンバー、FWサカ、マルティネッリ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関しては長期離脱中のティンバーの欠場が確定。同じく負傷を抱えるサカ、マルティネッリの2選手に関しては前者の出場の可能性が高い一方、後者に関しては欠場が濃厚だ。

スタメンに関してはクラブ記録のプレミアリーグ87試合連続出場中のサカのタフさを考慮し、前述の11人を予想。注目は左サイドバックとウーデゴールとライスの中盤の相棒、3トップの組み合わせだ。対シティという部分で冨安健洋の守備力を買って左サイドバックに置く可能性もあるが、頑固なスペイン指揮官は全幅の信頼を与えるジンチェンコを継続起用するとみる。

中盤は負傷明けのトーマスをアンカーで起用すると予想したが、ライスを引き続きアンカーに配置し、ハヴァーツかファビオ・ヴィエイラを左インサイドハーフに置く可能性も十二分にある。3トップはサカ不在の場合、トロサールとエンケティアに加えてネルソンが候補に挙がる。

マンチェスター・シティ
【4-2-3-1】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:エデルソン
DF:ウォーカー、アカンジ、ルベン・ディアス、グヴァルディオ
MF:コバチッチベルナルド・シウバ
MF:フォーデンアルバレス、ドク
FW:ハーランド

負傷者:DFストーンズ、MFデ・ブライネ
出場停止者:MFロドリ(3/3)

ロドリが3試合停止の3試合目で引き続き欠場となる。負傷者に関してはデ・ブライネに加え、直近のライプツィヒ戦でベンチに戻ったものの、コンディションに問題を抱えるストーンズが欠場する。

システムに関しては[4-2-3-1]、可変式の[4-3-3]、[3-2-4-1]など今季も複数の布陣を使い分けているが、[4-2-3-1]の布陣を予想。スタメンはロドリ不在のセントラルMF、両ウイングの人選に注目したい。

世界屈指のホールディングMF不在でいまひとつ機能していないセントラルMFではコバチッチが一角を占める可能性が高いが、相棒に関してはフィリップス、リコ・ルイス、マテウス・ヌネスと数人の候補がいる。その中で、最も多才なベルナルド・シウバの起用を予想。両ウイングフォーデンとドク起用の可能性が高そうだ。

★注目選手
アーセナル:DFウィリアム・サリバ
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連敗ストップ託された若きディフェンスリーダー。リーグ直近の対戦で12連敗中の天敵との対戦で勝ち点3がほしいのは言うまでもないが、連敗ストップの観点から見ると、まずは失点しないことが最優先事項となる。そういった中で今季も開幕から安定感抜群のパフォーマンスを見せるフランス代表DFの活躍が非常に重要となるはずだ。

開幕後数試合は慣れない左センターバックで試行錯誤の印象が拭えなかったが、相棒ガブリエウの復帰以降は本職の右センターバックで本来のソリッドなパフォーマンスを継続中。とりわけ、チームは2失点を喫したものの、ノースロンドンダービーでは傑出したパフォーマンスを披露し、改めてビッグマッチでの存在感、能力の高さを証明した。

今回の試合では怪物ハーランドを筆頭に多士済々な相手アタッカー陣に対して、持ち味のアスリート能力、守備センスを総動員し、無失点あるいは最少失点で抑え込みたい。

マンチェスター・シティ:FWフリアン・アルバレス
Getty Images

加入2年目で万能性増す絶好調のストライカーが攻撃牽引へ。今季のプレミアリーグではゴール関与数では8ゴール1アシストハーランドに及ばずも、3ゴール4アシストと決定的な仕事が印象的なアルゼンチン代表FW。さらに、フィニッシュに特化したエースストライカーとは異なり、セカンドトップ、トップ下、インサイドハーフと様々な役割を担い、中盤と前線のリンクマン、プレースキッカー、ファーストディフェンダーマルチタスクをこなす。

とりわけ、ここ最近の試合ではエースが重要な試合で存在感を欠く中、CLでの重要な2試合連続ゴールや敗れたウルブス戦での圧巻の直接FKなど、絶対的な司令塔であるデ・ブライネ不在の穴を埋める活躍で強烈な輝きを放っている。

今回の一戦では対アーセナルで現役最多の8ゴールを挙げるベルギー代表MFが引き続き不在となっており、奮起求められるハーランドと共に得点源としての活躍が期待されるところ。なお、偉大なる同胞FWアグエロは同カードで歴代最多11ゴールを挙げており、その正統後継者である23歳FWにはこの試合で対アーセナル初ゴールを奪えるか。