2023年9月26日、「バキ童チャンネル【ぐんぴぃ】(以下バキ童チャンネル)」というYouTubeチャンネルが、登録者数100万人を突破した。

参考:【写真】ネットミームとなってしまった「春とヒコーキ」のボケ担当「ぐんぴぃ」

・お笑いコンビ・春とヒコーキ

 「バキ童チャンネル【ぐんぴぃ】」とは、バキ童こと“ぐんぴぃ”と、相方の土岡による『春とヒコーキ』というお笑いコンビが発信しているYouTubeチャンネルだ。2人は青山学院大学の落語研究会で出会い、コンビを結成した。ぐんぴぃが街頭インタビューを受けた際、自身のことを「バキバキ童貞です」と答えたシーンがネット上で大バズリする。現在は“自分がネットミームそのもの”であることを逆手に、チャンネルではネットのネタ系動画や、さまざまな性癖を取り扱った動画で人気を博している。

 今回は、「バキ童チャンネル」の柱のひとつである“性にまつわる動画”の軸から、魅力を紐解いていきたい。

・キャッチーなトピックだけでは終わらせない

 2023年9月1日に公開された「【インタビュー】魚でシ○る人が登場!跳ねる魚にムラムラする理由が衝撃すぎた…【正欲】」という動画に注目したい。タイトルだけ見ると「なにそれ!?」と思ってしまう人もいるだろう。だが、ぜひ一度動画を覗いて欲しい。自分がいかに狭く、浅はかな性の世界で生きていたのだろうかと痛感させられる。

 この動画では、お笑いコンビのマリオネットブラザーズ・井上がゲストで登場。井上は、釣り上げられた魚が陸で跳ねている様子に興奮するという性癖を持っている。終始ポップに自身の性癖を紹介し、「1番いいのは鮭です」と発言し、2人の笑いを取るシーンもあった。今回井上は「俺の話を聞いてくれるのはバキ童チャンネルしかいない」ということから、出演を志願した。このように“ここでしか話せない”とゲストに思わせる希少性の高さが、チャンネルの魅力のひとつなのではないかと感じる。

 こちらは2023年9月29日に公開した「【神ゲー】学長が本気プレゼン!萌えゲーアワード2022大賞作品があまりにも面白すぎる!」という動画だ。

 この動画では、お笑いコンビのリップグリップ・岩永がゲストで登場。『ヘンタイプリズン』というエロゲーを紹介するという内容になっている。さまざまな性犯罪者が集まった監獄が舞台なのだが、監獄であるためエロを行ってはいけないという、エロゲーにも関わらず逆説的な設定にすることでエロくなっている、というゲームの魅力について解説した。また、ゲーム内のキャラクターは自分たちの変態性を理解してほしいという想いから、監獄内でエロゲーをつくることに。署長に制作を阻まれながらも、「エロがあるだけで規制をしないでくれ」と訴える。あくまでゲーム内のストーリーだが、ゲームを通して現実のエロゲーの制作業界に通ずる想いを訴えているのではないか、ということを解説した。岩永は、「俺はエロゲーを広めたい。俺よりもっと影響力ある人がやってくれ」という想いがあり、たびたびバキ童チャンネルに出演しているという。

 バキ童チャンネルはキャッチーなタイトルに惹かれ再生するものの、視聴後には予想以上の深い世界に考えさせられるというギャップを体験することが非常に多い。それは、ゲストたちがバキ童チャンネルを「ここでなら性の熱量を発信できる」と信じているからではないだろうか。

 今回はバキ童チャンネルに集う強者たちについて着目したが、春とヒコーキの2人ももちろんゲストに負けないほどのキャラクターを持っている。2人を中心として勢力を拡大しているバキ童チャンネルからも目が離せない。

(文=はるまきもえ)

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