埼玉・千葉県境の江戸川に新しい橋「三郷流山橋有料道路」がまもなく開通します。この橋に接続する道路が「都市軸道路」。未だ完成していない「つくばエクスプレス沿いの大幹線」です。

TX沿線が歓喜? 「三郷流山橋」まもなく開通へ

埼玉・千葉県境の江戸川に新しい橋「三郷流山橋有料道路」が2023年11月26日(日)に開通します。同橋の2.5km南、三郷・流山市街地の「流山橋」で発生している慢性的な渋滞の抜本的な解消が期待されている橋です。10月初旬に現地を訪れると、道路付属物もほぼ設置が終わり、開通が近いことが伝わってきました。

三郷流山橋の埼玉県側は常磐道の三郷料金所(スマートIC)付近に出ます。そして千葉県側で橋に接続するのが「都市軸道路」。いうなれば、つくばエクスプレス(TX)に並行する道路です。

橋の開通で、埼玉県内から千葉県柏市の国道16号までが1本でつながります。その間は4車線区間と2車線区間が混在しているものの、橋の取付部から流山おおたかの森駅付近までの区間は4車線化の真っ最中。その先、柏の葉キャンパス駅付近までの間も4車線化が進められています。

「三郷流山橋」も、実は広義の「都市軸道路」計画の一環です。都市軸道路はもともと、外環道直下の「三郷西IC出口(西)」交差点から、茨城県つくばみらい市内までビシっとつながる構想で、茨城県内ではTXと一体整備されている箇所もあります。しかし、TX各駅を中心とした都市と都市の間や、県境部などでつながっていない箇所があることから、1本の道路として捉えにくい状態です。

たとえば、柏の葉キャンパス駅付近から、次の柏たなか駅付近のあいだは、国道16号アンダーパスする仕様で建設が進んでいます。しかしその先、利根川を渡り茨城県に至るまでは事業化もされていません。

都市軸道路以外でTXにつかず離れず近接しているのは常磐道ですが、日常的には利用しづらいかもしれません。TX沿いにクルマで移動することができず、流山市ではTX沿線から既存の鉄道沿いの旧市街に回り込む必要性から、流山橋が大渋滞しているのです。三郷流山橋は、流山橋を通る県道越谷流山線バイパスにも位置付けられています。

JR常磐線沿いの都市であれば、「国道6号(水戸街道)沿い」とわかるものの、かつて常磐新線と呼ばれていたTXは、歴史的街道と無関係の新しい地域を通っており、そうしたイメージがありません。都市軸道路という1本の幹線道路がつながっていけば、TX沿線の存在感をさらに高めることになるかもしれません。

流山市側で都市軸道路に接続する三郷流山橋(乗りものニュース編集部撮影)。