7日、明治安田生命J2リーグは第38節が行われ、3位の清水エスパルスと2位のジュビロ磐田が対戦。1−0で清水が勝利し、磐田を抜いて2位に浮上した。

リーグ戦で通算54目の静岡ダービーは白熱した試合展開となった。

前半磐田は前線から素早いプレスをかけ、攻撃では早いパススピードでのパスワークで相手を揺さぶり、ワンタッチパスも効果的に使いながら攻めていたのに対し、清水は後方からボールを繋いで、スピードのある中山克広とカルリーニョス・ジュニオの両サイドを中心とした攻撃を展開。ゴールを脅かす。

20分の清水のチャンスは乾貴士が起点となって攻めた良い形であり、磐田も28分にセンターサークル付近でボールを受けたジャーメイン良がキーパーと1対1の形に。どちらも決定機を作るも、決められないまま時間が過ぎていく。

磐田ペースで進んでいき、前半も終了に差し掛かった41分に試合が動く。

ペナルティーエリア付近の広大なスペースでボールを受けたチアゴ・サンタナからカルリーニョスへ。ボールは手前でカットされるも、こぼれ球に反応していた乾がミドルレンジからダイレクトで右足を振り抜き、DFにあたってゴールに吸い込まれた。ここまで3試合得点がなかった清水にとっては、自動昇格圏浮上に向けて大きな1点となった。

磐田はゴールキックからのフィードが引っかかり、ボランチが高めのポジションを取っていたことでサンタナをフリーになってしまい、こぼれ球のところも詰めきれずに失点してしまったため、少し勿体無い失点のように感じられた。

その後の清水はカルリーニョスが前から激しいプレッシャーをかけて相手を脅かし、ボールを繋がせない。磐田は失点後攻撃の糸口が掴めないまま前半が終了した。

明暗が分かれた静岡の両雄

後半、磐田はドリブラーの古川陽介を投入し、攻勢に出る。対する清水はバックを5枚にして中を固めて引いて守る陣形をとった。

さらに62分には、守備に定評のある吉田豊を投入。サイドで厄介な存在になっていたドゥドゥを封じ込める作戦に出た。磐田は良い攻撃はできていたが、清水の堅いディフェンス陣に阻まれてシュートが打てずに苦戦していた。

そんな状況を変えるべく、磐田は64分、18歳の新星・後藤啓介を投入し、点をとりに行く。その後藤は74分にコーナーキックからヘディングシュートを放つもゴールラインライン際で原輝綺に防がれる。一方、清水も77分に西澤健太を投入。こちらも追加点を奪いに行く姿勢を示した。

80分を過ぎると磐田が波状攻撃に出る。清水も守りながら、隙があればカウンターを狙い最後まで追加点を狙った。どちらのチームもうまくゴールの繋げられず、試合は1-0のまま終了したが、結果としてははっきりと明暗が分かれた試合になった。

磐田は80分以降流れの中から打ったシュートを全て相手の守備に跳ね返され、後半は前半よりも攻められずにいた。ただ、間違いなく良い試合はできていた。守備陣も奮起し、後半終盤もカウンターになりかけた場面もしっかりと対応していた。だからこそ41分の失点が悔やまれた。

清水はリーグ2位の失点数を誇る強力な守備陣が躍動。だが、本来のサッカーをさせてもらえなかったのは確かだ。今季ここまでの37試合のうち32試合は支配率が50%を上回っており、パスを中心としてゲームを組み立てるポゼッションサッカーを持ち味としているが、この日は45%と下回った。ただ、サイドを主軸とする攻撃は効果的だった。

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両チームとも残りは4試合。J1昇格争いは自動昇格圏、プレーオフ圏ともに熾烈を極めている。2位清水と3位東京ヴェルディ、4位磐田の勝ち点差もわずか2ポイントだ。ここからどのようなドラマが起こるのか注目したい。

決勝点は乾貴士!清水エスパルス、ジュビロ磐田との静岡ダービーを制しJ1自動昇格圏の2位浮上