自身の内向的でHSPな実体験を元にした漫画を発信しているここみさん(@cocomi_3)。2022年8月には初の著書となる「私は私を幸せにする方法を知ってるんだ」を刊行し、多くの共感を呼んでいる。

【漫画】本編を読む

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【書籍より引用】

幼少期から集団の中にいると、いつもどこか緊張していてぎこちない。なんとなくまわりから浮いていて、でも1人の時間と家族といる時間だけは、自分らしくいられた。そんな自分を変えたくて無理をする日々。人生が合っていないような、ぬぐえない違和感…。頭と心と体がちぐはぐなまま生きていた。

ある日、自分が「内向的」で「HSP」だということを知ると、今までズレていた人生のピントが初めて自分に合った気がした。これは「私が私を取り戻す」までのキロクである。

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人によっては「あるある」と共感したり、「へ~」という新発見があったり、はたまたクスリと笑えたり、ほっこりしたりもしてしまう…。そんなエピソードをお届けしていきます。今回は、「大人しい」「マイペース」など、よく言われるけれど実は気にしている言葉のお話。

■気になる言葉

人の性格を表現できる言葉には、沢山の種類があります。積極的、消極的、楽観的、悲観的、明るい、暗い、おおらか、神経質…など、良い意味っぽいものも悪い意味っぽいものも、挙げればいくらでもあります。

そして、私たちは、特定のだれかを思い浮かべるときに、これらの言葉のいずれかをも同時に思い浮かべると思います。これは、少しひねくれている言い方をすれば、その人をラベリング(決めつけ)して、評価していることになるのではないでしょうか。

もしも、相手に面と向かってそのことを伝えた場合、言われた方は、無意識にも意識的にも、その言葉に影響をうけるものだと思います。明るいねと言われれば、褒められたようで嬉しくて余計に明るくなるかもしれないし、神経質だねと言われればコンプレックスをわざわざ指摘されたようで悲しくなってしまうかもしれません。もちろん、誰に何を言われても揺るがない自分がある人もいると思うのですが(私も目指すところはここです…)。

人はその時の気分や状況によって、言動が変わったりするから、実際には「こういう人だ」と一言で表すのは難しいと思っています。そこで「あなたは○○だね」と言うことは、その人を既成の枠や型にはめ、それ以上知ることを諦めたようにも感じられるのです。もちろん言い方などによるのですが。

だから私は、人の性質について、たとえそれが客観的な感想だとしても、言葉にすることは気を付けなければいけないと思っています。

ところで、こんな話をしていると、お前だってHSPだとか内向的だとか、自分をラベリングしてるじゃないかという声が聞こえてきそうです。

確かに、自身にラベルを貼り付けて「私は内向的だから雑談なんてできないや」と、選択肢を頑なに狭めてしまってはもったいないですね。それでもあえて自分にラベルを貼るのは、自分を知る、自分を認めてあげるための手がかりにしたいからです。誰かに振りかざしたり、自分をしばりつけるものにはしないように気をつけようと思います。

色々と私のひねくれ癖がついた考えばかり書いてしまったので、最後に、言葉には優しい力もあるということも書きたいと思います。

数年前のことです。私は、誰に対しても良い顔をしてしまう自分が嫌でした。でも、ある時、人から「あなたの、誰にも不快な思いをさせまいとする姿勢が私は素敵だと思うよ。あなたと話すと落ち着くんだよ」という言葉をもらいました。

この言葉がずっと胸に残っています。

自分の、利己的で弱い部分によって失ったものもあるのだろうけど、得られたものもきっとあったんだな、と気付けたのです。変えるのではなく、活かしていく道もあるのかも、と。

ありのままで良いし、どこへでも行けるんだよと後押ししてくれる言葉。そんな言葉が私も言えたらいいなと思います。それがどんな言葉かは、人と接するうちに探していきたいです。

…などと色々考えていると、何も言えなくなって、また大人しいと言われてしまうので、その点に関しては自分との折り合い会議中です(笑)。

「私は私を幸せにする方法を知ってるんだ」より