プレミアリーグ第8節、ブライトンvsリバプールが8日にアメックス・スタジアムで行われ、2-2のドローに終わった。なお、ブライトンのMF三笘薫はフル出場、リバプールのMF遠藤航はベンチ入りも出場機会はなかった。

開幕から好調を維持するブライトンだが、前節のアストン・ビラ戦ではワトキンスにハットトリックを許すなど1-6の惨敗。EFLカップのチェルシー戦に続く公式戦2連敗に。さらに、バウンスバックを図った直近のヨーロッパリーグ(EL)のマルセイユ戦では三笘の初アシストなどで2点差を追いついたが、最終的に2-2のドロー。またしても欧州の舞台での初白星を逃した。公式戦4試合ぶりの白星を目指すホームゲームでは、そのマルセイユ戦から数人のメンバー変更を行ったが、三笘は引き続き左ウイングでのスタメンとなった。

一方、リバプールは前節、トッテナムとの無敗対決に1-2で敗れて今季初黒星を喫した。2選手の退場に加え、PGMOLが誤審を認めて謝罪した先制点の見逃しによって受け入れがたい敗戦となった。それでも、直近のELでは大幅なターンオーバーを敢行した中、サン=ジロワーズとのホームゲームを2-0で勝利。しっかりとリバウンドメンタリティを示した。前節のトッテナム戦からは先発3人を変更。ジョーゴメスと負傷のガクポに代えてアレクサンダーアーノルド、ヌニェス、出場停止のカーティス・ジョーンズの代役には遠藤ではなくエリオットを起用した。

日本人対決も期待された6位のブライトンと4位のリバプールによる上位対決。

3バックでのスタートも予想されたホームチームだが、マーチを左サイドバックに配した[4-2-3-1]を採用。立ち上がりから人を強く意識した守備でアグレッシブに入ると、開始直後に得たセットプレーから続けてフィニッシュのシーンを作り出す。だが、枠内シュートに持ち込むまでには至らず。

マイボール時は相手の圧力を受けるリバプールだが、対戦相手同様に守備時は果敢なプレスで時おりショートカウンターの形を創出。また、両サイドサラーとルイス・ディアスが鋭い仕掛けで相手に脅威を与えていく。

立ち上がりの攻防を経てやや優勢に進めるブライトンが、相手のミスを突いてまんまと先制点を奪う。20分、リバプールのビルドアップの局面でGKアリソンが2センターバックの間にポジションを取っていた中、ファン・ダイクから左に流れたマク・アリスターへのパスにアディングラが反応。まんまとインターセプトに成功すると、すかさずグラウンダーのミドルシュート。慌ててゴールマウスへ戻ろうとしたアリソンだったが、ボールをはじき出すことは叶わず。

古巣初対戦のマク・アリスターも絡んだ失点によって敵地でビハインドを背負ったリバプール。すぐさま反撃を試みるが、ボックス内でのディアスサラーの仕掛けもうまく数的優位で対応されてしまう。また、最前線に入るヌニェスがなかなか効果的に絡めない。

一方、先制後はより前からボールを奪いにくる相手を要所で剥がして、得意の疑似カウンターでチャンスに繋げていくブライトン、前半半ば過ぎには右サイドでの鮮やかなプレス回避から相手陣内を突破したアディングラのラストパスに斜めのランニングで三笘が反応。飛び出したGKアリソンよりも先にボールに追いつくが、フィニッシュには持ち込めない。

ホームチームに圧倒されて難しい状況が続くクロップのチームだったが、前半終盤にこちらも相手のミスを突いて一気に試合を引っくり返す。
まずは40分、最後尾のDFダンクが出した縦パスをアレクサンダーアーノルドが高い位置でカット。前向きで引き取ったソボスライからボックス付近でディアス、ヌニェスと繋ぐと、ヌニェスの横パスをエリオットが絶妙なスルーで流した背後に顔を出したサラーが左足のコントロールシュートを左隅に流し込む。

さらに、勢いづくリバプールは相手のビルドアップに強い制限をかけると、GKフェルブルッヘンの判断ミスでソボスライに完全に付かれていたグロスがボックス内でボールロスト。その流れでグロスがソボスライのユニフォームを完全に引っ張って倒すと、PKが与えられる。これをキッカーのサラーが冷静に左隅へ蹴り込んだ。

互いにビルドアップのミスから3点が生まれた上位対決はアウェイチームの1点リードでの折り返しに。迎えた後半、リバプールエリオットを下げてハーフタイム明けにグラフェンベルフを最初の交代カードとして切った。

一方、後半も同じメンバーで臨んだブライトンは立ち上がりの49分に決定機。ファーガソンからの絶妙なスルーパスに抜け出したアディングラが右サイドからボックス内に切り込んで左足のシュートを放つが、ここはうまく間合いとコースを潰したGKアリソンビッグセーブに遭う。

このピンチを凌いだリバプールも早い時間帯に後半最初の決定機を創出。53分、中央突破を仕掛けたヌニェスの縦パスに抜け出したソボスライがボックス右で正確な折り返しを入れると、ファーにフリーで走り込んだグラフェンベルフがワンタッチで合わすが、このシュートをクロスバーに当ててしまう。

相手のシュートミスに救われたブライトンだが、過密日程の疲労が徐々に出始めて攻守にトーンダウン。遅攻の手詰まりに加えて、守備では前半のようにボールホルダーに圧力がかからずライン間を使われてディアスらに決定機を許す。

こういった状況を受け、デ・ゼルビ監督はファーガソンに代えてウェルベック、負傷のイゴールに代えてファン・ヘッケと交代カードを切っていく。

すると、ここまではやや相手に抑え込まれていたシーガルズの左槍が攻撃の突破口として機能し始める。69分にはボックス左での味方とのカウンタープレスでボールを奪い切ってこぼれに反応した三笘がシュートを放つが、これはDFファン・ダイクブロックに遭う。

それでも、マーチとのコンビで押し込み始めると、77分にはマーチの仕掛けから左サイド深くの好位置でFKを獲得。ここでキッカーのマーチがGKとディフェンスラインの間のスペースへ速いボールを入れると、手前のDFロバートソンの中途半端な対応もあって抜けたボールをダンクがワンタッチで押し込み、貴重な同点ゴールとした。

一方、三笘とマーチの脅威に晒されるリバプールアレクサンダーアーノルドを下げてジョーゴメスを投入。右サイドのテコ入れを図るが、流れを引き戻せない。84分には逆の左サイドを崩されてボックス中央のジョアン・ペドロに決定機を与えるが、ここはシュートミスに救われた。

完全に消耗戦となった最終盤は三笘、サラーを起点に両者がゴールに迫り合うオープンな展開となったが、互いに最後のところで粘る守備を崩し切れず。この結果、リーグ前節の敗戦からバウンスバックを図った強豪2チームは痛み分けの結果に終わった。