犬は、自分のことを好きな人間がわかるものだ。そしてその愛情に全身で応えようとする。アメリカ・カリフォルニア州の集合住宅に住んでいた犬は、UPSの配達員女性のことが大好きだった。
配達トラックが来ると、犬は一目散に配達員のもとへ駆け寄っていき、やさしい交流を楽しんでいたが、ある日飼い主を失う悲劇に見舞われた。
犬はひとりぼっちになってしまい施設に引き取られることを知った配達員は、犬を引き取ることを申し出た。
現在はこの犬は、配達員女性が飼っている犬と共に、家族として幸せに暮らしているようだ。
UPS Driver Adopts A Dog On Her Route After Owner Dies
2017年、カリフォルニア州ランチョ・クカモンガの集合住宅で、ティナさんという女性に飼われていたピットブルのレオ(オス)は、UPSの女性運転手ケイティ・ニューハウザーさんが配達に来るのを、いつも心待ちにしていた。
レオは、ケイティさんの運転するトラックが住宅前に現れると、大喜びして駆け寄っていく。
そんなレオの姿を見て、犬好きで犬を飼っているケイティさんも愛おしさで満たされていたようだ。
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とにかく、私に会ったら大喜びしてくれるんです。いつも走り寄ってきては私の手を舐めてくれるんです。
その後トラックの運転席に飛び乗って、座席辺りの匂いを嗅いでいます。
私は、次の配達先に行かなければならないし、レオを連れて行くことができないのに、レオは運転席から出ようとしないんですよ。
レオとのわずかな時間の交流は、ケイティさんにとっても楽しみだったようだ。
飼い主を失くしたレオはひとりぼっちに
その後ケイティさんは、レオの飼い主のティナさんとも顔を合わせるようになり、2人の間に会話が生まれた。
いつものようにレオを撫でるために立ち止まったら、ちょうどティナさんがレオを散歩させていたので、話しかけました。
私も犬を飼っていて、犬が大好きなので、配達先の顧客が犬を飼っているのなら必ず立ち止まって話しかけるんです。
ケイティさんとレオの交流は、1年以上続いた。しかし2016年の10月、ティナさんが亡くなった。
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私は休暇を取り終わって仕事に戻り、配達でティナさんの住んでいる集合住宅に行きました。
トラックを停めるときに、ティナさんの息子のキャノンさんが、家具を後ろに積んだ車に乗って出てきたのを見て、「あれ?なにしてるんだろう」と思いました。
私が彼に手を振ると、彼も車から手を振ってくれました。
そのとき、もしかしてレオはティナさんと住宅を出ていくのかなと思いました。
コンドミニアムの管理団体が、レオがピットブルだという理由で厳しい目を向けているということを、私は以前にティナさんから聞いていたので、ついに引っ越すのかなと。
ケイティさんは、ティナさんに電話をかけたが、彼女の電話はそのまま留守番電話になってしまう。
そこで彼女はティナさんの Facebookアカウントをチェックした。そこでティナさんが亡くなったことがわかったのだ。
ショックを受けたケイティさんは、息子のキャノンさんに連絡を取った。レオのことが気になったからだ。
キャノンさんが海兵隊に所属していて、間もなく訓練のために別の国へ出発することを知っていたケイティさんは、キャノンさんにこのように話した。
あなたがこの国に戻ってきて、レオを引き取る決心がつくまで、私がレオを預かってもいいかしら。
この申し出をキャノンさんは快諾。次の土曜日にケイティさんは早速レオを迎えに行った。
私服で迎えに来たケイティさんをレオはちゃんと認識した
ケイティさんがレオを迎えに行ったとき、UPS トラックを運転しておらず、制服も着ていなかった。それでも、レオはすぐに大好きなケイティさんのことをすぐにわかったそうだ。
レオは私に駆け寄り、私に向かって吠え始めました。UPSのトラックに乗っているときと同じ反応でした。
それから、レオはすぐに私の車に飛び乗りました。車に乗るのが大好きなので、ただ飛び乗っただけでしょうが、いつものトラックじゃないので少々混乱しているようでした(笑)
ケイティさんの家には、すでに3匹の先住犬がいる。だが、レオのことはどうしても放ってはおけなかったと言う。
飼い主を失ったレオに、行き場がないのはわかっていました。
避難所に閉じ込められてしまったり、レオにとってあまり好まない人に引き取られてしまたりするのは望ましいことではないと思いました。
ケイティさんの3匹の飼い犬が、レオを連れ帰ってどんな反応をするか分からなかったが、裏庭で一匹ずつにレオを紹介した。
何も心配する必要はないことがすぐわかりました。3匹はレオの匂いを嗅ぐと、一緒に裏庭を走り回り始めました。すぐに打ち解けたんです。
ティナさん恋しさに鳴くことも
レオは、次第にケイティさんと3匹の仲間との暮らしに慣れてきたが、やっぱり元の飼い主だったティナさんのことをとても恋しく思うことがあるようで、ときどき夜になると鳴き声をあげることがあるという。
その声を聞くたび、ケイティさんの心も痛むが、レオは少しずつ乗り越えていくしかないようだ。
「レオは大きな赤ちゃんのよう。今まで会った犬の中で、最も優しい犬の1匹」と、語っているケイティさんは、レオの悲しみが少しでも癒えるよう、日々愛情を注ぎ続けている。
大好きなケイティさんの家族に迎え入れられたレオが、今幸せであることは間違いないだろう。
References:UPS Driver Adopts Pit Bull On Her Route After His Owner Passes Away / written by Scarlet / edited by parumo
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