米ミネソタ州の空港で先月29日、アメリカに入国しようとした女性が“キリンの糞”を所持していると申告したため、税関で止められた。女性はケニアキリンの糞を拾ったと言い、持ち込みの理由について「ネックレスを作るつもりだった」と話したという。米ニュースメディア『FOX 9 Minneapolis-St. Paul』などが報じた。

アメリカ合衆国税関・国境警備局(以下、CBP)が、今月5日にリリースした情報によると、ミネアポリス・セントポール国際空港で先月29日、ケニアから帰国した女性の税関申告書に“キリンの糞”と記載されていたため、女性の荷物が検査されることになったそうだ。

女性の所持品をチェックすると小さな箱が見つかり、その中には10粒以上のキリンの糞と1つの貝殻が入っていた。女性は旅行先のケニアキリンの糞を手に入れたそうで、この糞を使って「ネックレスを作るつもりだった」と話した。さらに女性は、以前にもアイオワ州の自宅でヘラジカの糞を使ったことがあると説明したそうだ。

最終的にCBPの農業専門家がキリンの糞が入った箱を押収し、糞は米国農務省の廃棄プロトコルに従って、蒸気滅菌された後に破棄された。

CBPシカゴ支局のラフォンダ・D・サットン=バーク支局長(LaFonda D. Sutton-Burke)は「糞便を米国に持ち込むのは、非常に危険な行為です。もしこの女性がキリンの糞の申告をせずに持ち込んだ場合、作られたアクセサリーから病気に感染する確率が高く、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります」と、今回のケースの危険性を指摘した。

反芻動物の糞をアメリカに持ち込む場合には、米国農務省の植物検疫所が発行する獣医サービス許可証(Veterinary Services Permit)が必要になる。ケニアアフリカ豚熱、豚熱、ニューカッスル病、口蹄疫、豚水胞症などの影響を受けており、さらに特別な許可が必要とのことだ。

CBPミネソタ地区港湾局のオーガスティン・ムーア局長(Augustine Moore)は「CBPの農業専門家は、外来の害虫や病気、汚染物質がアメリカ国内に侵入する脅威を軽減させます。彼らは生物学や農学に関する広範囲に及ぶ訓練を行い経験を得ており、空路、陸路、海路による入国地点において、アメリカに到着する旅行者や貨物の検査を行います」と検疫のシステムについて説明した。

今回の奇妙なニュースには、「なんでキリンの糞なの!?」「この人は本気なの?」などという疑問の声や、「こんな笑いが欲しかったところだったよ」といったコメントもあがっている。

なおテックインサイト編集部では、CBPの広報担当者に、キリンの糞をアメリカに持ち込もうとした女性に対してその後どのように対処したのか、また規制に違反した者に対してどのような罰則や措置が取られる可能性があるのかをうかがうべく取材を申し入れている。

ちなみに昨年12月には米ウィスコンシン州のデーン・カウンティ・リージョナル空港で、搭乗者の手荷物をチェックしていた際にリュックの中から犬が発見された。飼い主は動物の機内持ち込みについて、「ルールを知らなかった」と主張していた。

画像は『BalkansTimes 2023年10月5日付「Woman’s box of giraffe poop seized at Minneapolis airport」』『U.S. Customs and Border Protection 2023年10月5日付「Unusual Repurpose of Giraffe Feces Seized by Minnesota」、2020年2月10日付「Dulles CBP Intercepts Dead Birds in Passenger Baggage from China」』『Metro 2021年4月28日付「Bird smuggler taped 35 live finches stuffed in hair curlers to his body for 5-hour flight」(Picture: US Attorney’s Office for the Eastern District of New York)』『TSAmedia_LisaF 2019年4月23日付Twitter「Yes, you can bring moose poop to a checkpoint!」』『TRAFFIC-the wildlife trade monitoring network 2017年5月15日付Facebook(Elizabeth John/TRAFFIC)』『TSA 2022年11月23日付Twitter「We’re letting the cat out of the bag on a hiss-toric find.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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