2024年2月に日生劇場、3月に梅田芸術劇場メインホールにて、『テラヤマキャバレー』が上演されることが決定した。

2023年、寺山修司は没後40周年を迎えた。演劇、映画、ラジオ、テレビ、詩といったおさまりきらないジャンルにおいて、人々を惹きつける数多くの作品、言葉は、今もなお輝き続け、当時の寺山修司を知らない若者の世代にも注目されている。

本作の物語は、寺山修司が亡くなる前夜から始まる。寺山修司47歳、死を迎えるその瞬間何を思ったのか。自身の死をも劇化し人々に何かを残そうとした。寺山は、まだ残したい言葉がある、胸躍るようなスペクタクルが作りたい、人生という物語を完結させたくない、死を目前にしても、作品を創ることへの熱い思いは消えなかった。

寺山の前に「死」という登場人物が現れ、「死」と寺山の間で取引が交わされる。「日が昇るまでに、私(死)を感動させられる作品を作る猶予をあげよう」。寺山の残された命はいかに? 最後に作りたい作品は完成するのか? 「死」を感動させるため、また寺山自身も満足するまで、寺山最後の作品を命がけで作ろうとする個性あふれる劇団員たちと共に作り上げた作品とは?

本作の演出は、ウエストエンド、ブロードウェイ、日本とさまざまな国で活躍してきたデヴィッド・ルヴォー。主演は、寺山修司役初挑戦となる香取慎吾に決定。ふたりは初顔合わせとなる。また共演者には、成河、伊礼彼方、村川絵梨、平間壮一、凪七瑠海(宝塚歌劇団)など、さまざまな舞台で活躍する素晴らしい役者がそろった。

(左から)香取慎吾、成河、伊礼彼方、村川絵梨、平間壮一、凪七瑠海(宝塚歌劇団)

(左から)香取慎吾、成河、伊礼彼方、村川絵梨、平間壮一、凪七瑠海(宝塚歌劇団

そしてこの斬新な切り口の物語を新進気鋭の劇作家・池田 亮が書き下ろした。『あしたのジョー』他、寺山修司による作詞の楽曲を数多く交えて、生演奏でオリジナル音楽劇としておくる。

さらに、豪華出演者が担う寺山劇団員によるパフォーマンス、寺山修司の「いたずら心」「遊び心」も見え隠れする本は、この作品の見所のひとつとなる。これまでに見たことのない華麗なる寺山修司音楽劇、『テラヤマ・キャバレー』に期待しよう。

デヴィッド・ルヴォー コメント

「どんな鳥だって想像力より高く飛ぶことはできないだろう」——寺山修司

この作品は、寺山を「再現」することが目的ではありません。それは誰であれ、不可能な事だと思います。イギリスの演出家なら尚のこと、無理でしょう。寺山修司は社会的、または身体的な「のけ者たち」を作品の中心に据えていました。そんな彼は、今の世界をどう思うだろうか? 彼の眩しいほどの想像力の灯火は、嵐のような現代において、どれほど奇妙で、滑稽で、とんでもない美しさを我々に見せてくれるのだろうか?このプロジェクトが提案された時、自分にはやらないという選択肢はありませんでした。

香取慎吾(寺山修司役) コメント

死を迎える寺山修司を演じます。
デヴィッド・ルヴォーさんが奏でる寺山修司に、僕の今をぶつけます。
熱いキャバレーになりそうです。
心燃やして参加します。

香取慎吾