フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督が、3大陸6カ国共催が決定した2030年FIFAワールドカップに苦言を呈した。9日、アメリカメディア『ESPN』が伝えている。

 2026年にアメリカ、カナダメキシコの3カ国で行われるFIFAワールドカップ北中米に向け、各国代表が始動しているなかで、FIFAは4日に同大会の次大会にあたる2030年大会の構想を発表した。ワールドカップ開催から100周年を迎えるメモリアルな大会となることから、第1回大会の開催国及び優勝国であるウルグアイアルゼンチンパラグアイの3カ国でそれぞれ開幕戦1試合を実施。その後に、スペインポルトガルモロッコに舞台を移すという前代未聞の3大陸6カ国共催となることを明らかにしていた。

 そのなかで、フランス代表を率いるデシャン監督が苦言を呈した。やはり、長距離移動の負担を強いられる代表チームが出てくることなどを憂慮する同指揮官は「複数の国で(トーナメントを)開催することがトレンドという事実を超えているし、南米大陸で3試合が開催される特徴的な側面もある」としつつ、「どの国が関与するかは決まっていないが、それは南米諸国が有利になることを意味するもので、南米以外の代表チームは移動し、また移動することになるだろう」と公平性に欠けることを語った。

 さらに、デシャン監督は「誰が決断を下したのかは知らないけど、スポーツ的、倫理的なレベルでより一貫性のあるものが好きだという事実を隠すつもりはない。それには、一貫性があるとは思えないよ」と見解を示している。

 なお、2030年ワールドカップの大会構想に対しては、各国代表チームの監督から批判の声が噴出している。

3大陸6カ国共催となる2030年のW杯に苦言を呈したデシャン監督 [写真]=Getty Images