暴力・暴行・喧嘩・けんか

オンラインで10代の少女を装い、小児性愛者をおびき出して捕まえる活動を行っていた男性が、相手とトラブルになった上、銃で撃たれて死亡したという。『Washington Post』『Midland Daily News』などの海外メディアが報じた。


■子供を狙う大人を標的に

SNS上で「ブーパック・シャクール」と名乗り、5万人のフォロワーがいたロバート・ウェイン・リーさん(40)は、地元のアメリカ・ミシガン州では特に有名で、「英雄」と呼ぶ人も少なくないという。

リーさんはオンライン上で15歳の少女のふりをして、彼が「プレデター(捕食者)」と呼ぶ小児性愛者をおびき出し、直接会って捕まえるという超法規的な活動を長年続けていた。その一部は、警察による逮捕にもつながっている。


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■「獲物」の反撃に遭い…

報道によると、リーさんはレストランで若い男2人に声をかけ、そのうちの1人を小児性愛者だと非難して殴りかかったという。

男はナイフを抜き、もう1人の男は拳銃を取り出し、リーさんに向けて数発撃った。2人は逃走し、リーさんは病院に運ばれたが搬送先で死亡が確認された。

2人組は17歳と18歳で、事件の翌日に逮捕されたが、警察は詳細を公表していない。


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■TV番組で活動を紹介

リーさんの活動は、2004年から2008年までにNBCで放送された『To Catch a Predator(捕食者を捕まえる方法)』で有名になり、ターゲットとなった容疑者の1人が自殺を図ったことで、番組は終了している。

実際に多くの性犯罪者があぶり出されたにも関わらず、地元警察はリーさんの活動について「彼の行為は自分自身と他の人々を危険に晒している」と述べ、私人逮捕の危険性について警鐘を鳴らしていた。

警察の危惧したことが現実のものとなってしまった形だが、リーさんのFacebookには彼の長年の献身への感謝のコメントが溢れ、「132人のプレデターを摘発することに成功した」と功績を称えた。


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■危険な活動に警察は難色

NBCの番組が終わった頃はちょうどSNSの開花期だったため、リーさんのコンセプトを模倣して子供と出会おうとする大人を積極的に暴露したり、逮捕を試みようとする「フォロワー」が増加したという。

しかし、中には「子供たちを救う」ことを後ろ盾にして罪のない人の人生を破滅させたり、逆にトラブルに巻き込まれてリーさんのように射殺されてしまった活動家もいるそうだ。

警察はこのような自警団的活動を非難しており、捜査を専門家に任せるよう人々に求めている。

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(文/Sirabee 編集部・びやじま

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