ア接戦となったイ・ヘギョン(奥)とアブジャキノワ(手前)の対戦。決着は思わぬ形でついた(C)Getty Images

 9月19日から競技が行われ、10月8日に閉幕となった杭州アジア大会新型コロナウイルスの影響で1年延期となり開催された今大会、中国・杭州などで初日から個人、団体競技でアジアの頂点を争うハイレベルな熱戦が繰り広げられた。

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 アジアのトップアスリートが集い、連日、スポーツの魅力が伝わる競い合いが行われた一方で、選手たちの度を超えた喜怒哀楽の態度などが、物議を醸すシーンにも発展している。

 開会式の翌日、9月24日に行われた柔道女子48㎏級準決勝、イ・ヘギョン(韓国)対アビバ・アブジャキノワ(カザフスタン)の試合は、「張り手」での反則決着という結果に。試合中、2度に渡りイ・ヘギョンの右手がアブジャキノワの顎にヒット。これにより延長戦で3つ目の指導を受けたイ・ヘギョンは一本負け。試合終了が告げられ、アブジャキノワが畳を下りた後も、この判定を不服としたイ・ヘギョンは畳に立ち続け、不服そうな表情を浮かべていた。

 さらに、サッカー男子準々決勝、日本対北朝鮮のゲームでも信じられない光景がみられた。2-1で日本が勝利したこの試合、終了のホイッスルが吹かれた直後、北朝鮮チームが審判団を取り囲み、会場が騒然となる一幕が。79分に日本に決勝点を献上することとなったPKの判定への抗議だったとも伝えられるも、スポーツマンシップからは大きくかけ離れた行為であったことは明らか。また、試合中には北朝鮮の選手が、水を配りにきた日本のスタッフに対し、殴るしぐさをみせながら強引に水を奪い取ったことで、主審からイエローカードを掲示されている。

 他にも、喜びを露わにするタイミングを「間違えた」ことで、大きな失望を味わうというハプニングも起きた。10月2日に行われた男子ローラスケートの3000mリレー決勝で、最後の1周までトップを走っていた韓国チームは、最終走者チョン・チョルウォンがゴール手前で勝利を確信、ゴール直前で両手を突き上げ、笑顔で喜びを表現した。

 しかし、猛追をみせた台湾のファン・ユーリンがゴール直前で並び、懸命に左足を伸ばしながらゴール。これにより、0.01秒、ファン・ユーリンが速くゴールしており、台湾が金メダルを手にした。レースを終える前に勝利を確信した韓国は銀メダルとなり、アンカーのチョン・チョルウォンは、ゴールライン手前でみせていた満面の笑みから一転、順位決定後は泣き崩れることとなった。

 今大会ではこれらのような、みている側に複雑な思いを抱かせる場面も繰り広げられた。アジアの覇権をめぐる戦い、次回は3年後の2026年、舞台を日本に移し、愛知県名古屋市の共催で行われる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

北朝鮮サッカーの「暴挙」に韓国柔道の「張り手」…物議を醸したアジア大会事件簿