NPO法人WELgee(代表理事:渡部カンコロンゴ清花、以下「WELgee」)は、日本での就労に向けて伴走したカメルーン出身の難民人材が、有限会社 荒木商会(本社:富山県高岡市/代表取締役社長:荒木 信幸/以下 荒木商会)にて採用されたことを発表します。

荒木商会は「モノを大切に、人を大切に。調和と成長を通したゴミのない社会の実現」を掲げ、『リサイクル価値創造企業』として新たな価値を提供できる企業づくりと、問題解決ができる末端の商品開発に取り組む、富山県の地場企業です。ダイバシティ経営を重要視し、アフリカベナン共和国への視察をきっかけに将来、アフリカ進出も検討している中で、紹介を通じてWELgeeと出会い、22年10月より難民採用を進めていきました。


カメルーン出身のVさんは母国にて、経済・英語のダブルメジャーで大学を修了。2018年に来日した後は、建設業や英語の先生として働く一方で、将来的に母国でリサイクル事業を立ち上げたいと、そこに向けての準備・投資を進めていました。今回の採用では、Vさんの外向的で愛されるキャラクターや、リサイクル事業をアフリカで展開するというビジョンがマッチすることが評価されました。

WELgeeはVさんに対してメンターシッププログラムにて、日本でのキャリアについて再考する機会や、日本での就活における採用文化を学ぶ機会を提供しました。また、今回の採用にあたっても、伴走者として、時には富山の荒木商会にともに訪問する等、Vさんに寄り添い、Vさんの将来を考えながら、本人に自らのキャリアの選択を促しました。

Vさんは2023年6月より荒木商会にて3カ月のお試し雇用を実施。仕事に対する積極的な姿勢等から、活躍のポテンシャルを見出され、2023年9月より正社員として採用されました。本事例は、WELgeeとして初の北陸地方都市での難民人材採用事例となります。中期的に地場である富山での新規開拓営業職にステップアップする前提のもと、現在は最初のトレーニングとして、リサイクル現場での廃棄品の仕入れや仕分けを学んでいます。長期的には、荒木商会のアフリカ展開を皮切りに世界展開の立役者としての活躍が期待されています。

  • 荒木商会 荒木信幸 氏のコメント

Vさんはとても外交的で、社員とも一瞬で打ち解け、Vさんの母国では、未だ争いがある中で、様々な心配事があるにも関わらず、いつも笑顔で周囲を明るくしてくれる素晴らしい人間力を持っています。持ち前の笑顔でみんなを和まし、現在は大学専攻での専門職種に付くための現場研修を行っていますが、積極的に行動して、本人が今できる最善を尽くしてくれています。

当社では、子供たちが安心して過ごせる未来への貢献の理念を掲げ、ゴミのない社会の実現をミッションに日々チャレンジしています。近い将来に日本だけでなく、世界にも活動拠点の拡張を図る挑戦していく中で、Vさんが持つ母国でのリサイクル事業の夢は、まさに当社との目的と合致し、彼の夢を荒木商会のビジョンとしてサポートして共に成長していきたいと考えております。

今回このような素晴らしいめぐり合わせを頂いたことに感謝しております。

  • WELgee就労伴走事業キャリアコーディネーター 武居 裕介のコメント

Vさんにとって「究極の選択を迫られたマッチングケース」と言っても過言ではないくらい、人生における大きな決断だったかと思います。前職の工事現場での仕事は、報酬は高くて申し分ない。しかし、職種柄、「技術・人文知識・国際業務」への在留資格はできず、難民認定申請より5年経過を目の前に、申請が通るかは神のみぞ知る状態。

そんな状況下において、Vさんを快く受け入れ、在留資格変更へスポンサーとして積極的に協力してくださり、そしてVさんの夢を一緒に叶えたい!と仰ってくださった荒木社長の心意気に、ただただ感謝の一言です!

今回の採用は、過去の経歴の評価ではなく、Vさんの人間性やキャラクターを買った、まさにポテンシャル採用だったと感じております。

富山という保守的な環境に、Vさんの持ち前のキャラクターで革命を起こしたい!と仰っていた荒木社長がとても印象的で、これからどんな新しい風が富山に吹くのか、楽しみで仕方ありません。

  • 荒木商会の概要

設立 : 昭和31年4月

本社 : 富山県高岡市

代表取締役社長: 荒木 信幸氏

HP : https://www.araki-syoukai.co.jp/

  • WELgeeの概要

日本に逃れた難民とともに未来を築く団体です。難民認定の厳しい日本で、難民一人ひとりがキャリアや人生の目標を追求できる道筋を、多様なセクターとの協働を通じて目指します。難民人材の強みを、日本企業のダイバーシティ推進・イノベーション創出に生かす人材紹介サービス「WELgee Talents」、キャリア教育やメンターシップ、スキル開発などの育成機会を提供する「育成事業」、一人ひとりの難民が持つスキルや経験を、日本社会の様々なアクターの課題解決に生かし、お互いの強みを生かした価値創造を行う「共創事業」を運営しています。詳しくは https://welgee.jp/ をご確認ください。

◎難民の定義

難民とは「人種・宗教・国籍・特定の社会的集団の成員資格・政治的意見を理由に迫害されるという十分に理由のある恐怖のために国籍国の外におり、かつ、その国の保護を受けられないか、そのような恐怖のためにそれを望まない者」(出典:UNHCR『難民の地位に関する条約』『難民の地位に関する議定書』)を指します。 近年、UNHCRのガイドラインなどによって国際慣習では、紛争・ジェンダー・気候変動での強制移住をせざるを得なくなった人々についても難民として保護する流れが主流になっています。

◎WELgeeの「難民」の考え方

難民が生じる背景や社会情勢が多様化・複雑化する中で、従来の難民の定義にとどまらない多くの人々が、祖国を追われる状態に置かれています。WELgeeは、命の危険があって現在祖国に戻れない状態にある人を活動の対象としており、認定難民・難民認定申請者・後発的難民(帰国困難な状態にある元留学生等)・避難民なども含んでいます。

◎WELgee活動のスタンス

WELgeeは「難民」を保護対象としてのみならず、一人ひとりが志や経験をもった個人として捉えています。政府による難民認定だけをゴールにするのではなく、難民の人生の再建の選択肢を増やす取り組みを行っています。

配信元企業:NPO法人WELgee

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