イギリスでもこの問題あるんだ…。

燃料費の高騰が大きなネックに

第二次世界大戦中に行われたノルマンディー上陸作戦で、重要な役割を果たした元イギリス海軍の哨戒艇「メドゥーサ」が、2024年6月6日に行われる予定の上陸作戦80周年を記念したイベントへの参加を辞退しなければいけない状態にあることを、2023年10月11日、同艇を所有するボランティア団体が明かしました。

メドゥーサ」が参加を辞退しなければならない理由は船体の老朽化ではなく、ここ数年の燃料費高騰を含む物価上昇が影響しているそうです。現在同艇はイギリス本土のポーツマス港の西岸にあるゴスポートでボランティア団体が保管していますが、フランスノルマンディーまで行くには、燃料や乗組員の旅費などを諸々の費用と考えると、3万ポンド(約540万円)の資金が必要とのことで、寄付を募っています。

メドゥーサ」は、イギリスが開発し500艇近く建造された、ハーバー ・ディフェンス・モーター・ランチ (HDML)のなかでも唯一現存し最も武功をあげた艇としてイギリスでは知られています。

「D-デイ」ともいわれるノルマンディー上陸作戦において、最初にノルマンディー海岸沖に到着した艦艇のひとつで、上陸前日の6月5日には上陸に備え、機雷や上陸用舟艇の接岸阻止のために、海岸の障害物の上などに設置された地雷の正確な場所を確認する任務を担いました。友軍が上陸後も、海峡に留まり哨戒任務に従事。その後も様々な沿岸での任務をこなし、オランダのスヘフェニンゲン近郊での任務中にドイツが降伏し、終戦を迎えます。

「メドゥーサ」と同型のHDML(画像:パブリックドメイン)。