もうハコモノイベントに税金を投入する時代ではない。日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長と札幌市の秋元克広市長が10月11日東京都で会見し、2030年冬季五輪・パラリンピックの招致を断念して、2034年以降の招致を目指していくと表明した。山下会長の弁は、

「現段階で皆様の理解を得ているとは言いがたい」

 東京五輪では約7000億円とされた大会経費が2倍以上膨らみ、約1兆7000億円となって大赤字に。さらに汚職にまみれ、大失敗に終わったことで「オリンピック嫌悪」が広がり、国民の支持が伸びなかった。これが札幌招致断念の要因なのだが、

「ハコモノ推進政治家が選挙前にバラまきと減税をニオわせ、選挙が終われば巨大イベントのための増税を国民に押しつける。そんなループを繰り返してきたことへの不満が爆発したからですよ」(全国紙社会部デスク

 山下会長と秋元札幌市長には、これまでの「失敗」の概括を求める声が高まっている。

「山下会長は東京五輪が惨状を招いた現実をどう直視しているのか。問題をあぶり出し、反省点を公の場で語らなければなりません。秋元市長はハコモノの『新月寒体育館建設』や『札幌五輪』を誘致する前に、日本ハム札幌ドームから北広島へ本拠地移転した責任を負う必要がある。秋元市長の歴史に残る大失政によって、札幌ドームの大赤字を札幌市民がカブることになっているわけですから」(前出・社会部デスク

 2034年以降の招致断念も、早期に発表してはどうか。

佐藤恵

アサ芸プラス