昨日「導入推奨! マカフィーがスマートフォン向け迷惑・詐欺電話防止アプリの提供を開始」と言う記事でマカフィーが、スマートフォン向けに電話詐欺や迷惑電話対策用のAndroid向けアプリ「マカフィーセーフコール」を提供することを紹介した。

そのツールの発表会において興味深いことがわかったので紹介したいと思う。迷惑電話や詐欺電話をかける相手は、基本的には固定電話が中心であると個人的には思っていた。報道などでも自宅にかかってきた電話といった表現が多かった。

しかし、最近は状況に変化があるようだ。マカフィーが同ツールを提供した理由は電話詐欺や迷惑電話のターゲットがスマートフォンへと移りつつあることが判明したためだという。ユーザーの電話環境が固定電話から携帯電話へと移行しているように、振り込め詐欺や迷惑電話をかける側も、スマートフォンを活用するような新時代に合わせた対策をしているというのだから恐ろしい。

これまでのオーソドックスな振り込め詐欺や不動産購入や投資といったセールス用にかける電話としては固定電話が圧倒的に多かった。しかし、現在は固定電話を契約しないで、電話回線は携帯回線一本という人が増えているようだ。その結果、詐欺や迷惑電話をかける側も携帯電話を使って携帯番号にかけることが一般化しつつあるのだという。

従来は、電話回線の入手が固定電話に比べ携帯電話のほうが比較的楽なことが携帯を利用する主な理由だったが、携帯電話業者が提供を始めた定額通話料でかけ放題になるプランの存在によってその価値が高まっているという。

従来は1通話で最低でも10円前後の料金が発生していた。しかし、新しく開始された各社の携帯電話の定額プランなら、いくら電話をかけたとしても4,000円程度の定額だけになる。最近のセールス用の電話はIP電話を使うケースもあるようだが、この固定料金の影響で一般のセールス用の電話にも、携帯電話を利用するケースが、従来以上に増えていく可能性が高い。

セールスに使う電話はともかく、詐欺や犯罪に使われる携帯電話は警察がすぐに止めてしまえば良いと思うだろうが、キャリアに確認する作業が必須で、現在は手順を踏んで通話を止めるまでに最低でも3日かかるそうだ。となると、その3日間で犯行が完了してしまえば後の祭りということになる。

犯行に使われる携帯電話は、キャリアによって止められるまでの数日間電話をかけまくるので、詐欺対策アプリのデータベースは、この短期間で詐欺用に使われている電話番号をデータベースに追加する必要がある。「マカフィーセーフコール」が採用しているトビラシステムズのデータの収集方法の詳細については公開されていないが、警察とも協力しているということなので、比較的早くデータは更新されるとみて良いだろう。

人によって状況は異なるのだろうが、たとえば筆者の自宅の固定電話にセールスの電話は定期的にかかってくる。ところが携帯電話には詐欺もセールスの電話もかかってきたことはない。しかし、これからはそうであるとは限らない。今まで携帯電話に迷惑電話がかかってきたことがない人にも、これからは増えてくる可能性があるので注意が必要だということを念頭に入れておいていただきたい。特に年末・年始は、忙しい時期でもあるので、スマホにかかってきた詐欺電話についうっかり引っかかってしまうことのないように注意して欲しい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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