人気アニメ「東京リベンジャーズ」(毎週火曜深夜0:00-0:30ほか、テレビ東京ほか/ディズニープラスで定額制見放題独占配信)の“天竺編”。10月10日に放送された第39話「Mortal enemy」では、突如として東京卍會を襲撃した天竺について知るため、武道が再び現代へ。しかし、そこで待ち受けていたのは最悪の事態だった。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】SNSでは「味方になると頼もしい」と反響のあった柴大寿(CV:杉田智和)

■「天竺編」

アニメ「東京リベンジャーズ」は、「週刊少年マガジン」(講談社)にて連載された和久井健の人気コミックを原作としたタイムリープサスペンス。人生どん底のダメフリーター・花垣武道(CV:新祐樹)が突如目覚めたタイムリープ能力で12年前に戻り、中学時代の恋人・橘日向(CV:和氣あず未)が不良集団「東京卍會」に殺されるのを阻止しようと奔走する姿を描く。

実写映画化もされた人気作で、テレビアニメは「8・3抗争編」「血のハロウィン編」が2021年4月から9月、「聖夜決戦編」が2023年1月から4月まで放送された。その続編となる「天竺編」が10月3日にスタート。「天竺編」では、“無敵のマイキー”こと佐野万次郎(CV: 林勇)率いる東京卍會と黒川イザナ(CV:島崎信長)率いる天竺の間で勃発した、東京卍會最大にして最後の抗争“関東事変”が描かれる。

■武道が再び現代へ

横浜のチーム「天竺」のアジトで幼なじみの鶴蝶(CV: 山下誠一郎)と再会を果たした武道。その鶴蝶から告げられた「“裏切り者”に気をつけろ」という一言が引っかかる中、天竺の襲撃を受け、東京卍會の緊急集会が開かれる。

どうやら天竺は、武道らを襲った天竺の主力部隊・望月隊を率いる望月莞爾(CV:稲田徹)、「黒龍」九代目総長・斑目獅音(CV:内山昂輝)、灰谷蘭(CV:浪川大輔)・竜胆(CV:下野紘)兄弟ら、まとまるはずのない「S62世代」が一つにまとまった団体と分かり、動揺する東卍メンバーたち。そんな彼らを「横浜に攻め込む」と宣言し、鼓舞したのがマイキーだ。

みんなが打倒天竺に盛り上がる中、武道は自分に都合の良い東卍を作ろうとしている稀咲鉄太(CV:森久保祥太郎)の思惑通りに事が進んでいるような気がしてならなかった。それを察したのか、松野千冬(CV:狩野翔)に“必要な時は現代に戻ればいい”と言われ、現状の全体像を知るために再び現代へ。

しかしながら、現代では天竺という団体は存在しないことになっており、稀咲はすでに死亡。稀咲をタイムリーパーと想定した場合、何らかの原因で彼の目論見は失敗したことになる。一体、何が起きているのか。その鍵を握る天竺の総長で今は東卍の重要人物となっているイザナについて、武道は橘直人(CV:逢坂良太)と共に調べ始めるのだった。

■天竺の意外な創設者とは?

その矢先、武道は「聖夜決戦」の舞台となった教会で、黒龍の十代目総長・柴大寿(CV:杉田智和)と再会する。かつてはしつけと称し、暴力で黒龍のメンバーのみならず、妹の柚葉(CV:小松未可子)や弟の八戒(CV:畠中祐)を抑えつけていた大寿。しかし、マイキーに敗北し、総長を引退した大寿は亡くなった八戒のために祈りを捧げていたのである。

八戒が殺された理由を知りたい大寿は、武道と直人の情報交換に応じ、天竺についての情報を提供。すると、天竺はなんとマイキーの兄である佐野真一郎(CV: 松風雅也)が創ったチームであることが分かる。伝説的な存在だった真一郎の意志が脈々と受け継がれていき、八代目の総長に就任したのがイザナだ。大寿の2歳年上であるイザナもまた、 S62世代に属する一人だった。

そんなイザナ率いる天竺と東卍の抗争「関東事変」は決着がつかずに終わり、トップにマイキー、ナンバー2に稀咲、ナンバー3にイザナが就いた史上最悪の愚連隊が誕生したことも判明。さらに、武道は警察に顔が聞くイザナが稀咲の死を偽装した上で海外に逃がし、東卍の事実上のトップとなっていることを知る。マイキーが、あの“ドラケン”こと龍宮寺堅(CV:福西勝也)以上の絶大な信頼を置いていたというイザナは何者なのだろうか。

■「君は…僕の誇りです」直人の言葉に涙

少しずつ真相に近づいていた矢先、元黒龍の乾青宗(CV:榎木淳弥)と九井一(CV:花江夏樹)が現れる。彼らはイザナの命令で武道らを拉致しに来たのだった。しかし、飲食店の社長となった今でも強さを誇る大寿に「八戒の無念を晴らしてくれ」とその場から逃がされる武道と直人。しかし、今度は二人の前に海外に逃亡したはずの稀咲が現れ、武道に銃を向ける。とっさにかばった直人が銃弾に倒れ、絶望する武道を仕留めたのはイザナに命令された鶴蝶だった。

前回、「今のオレのヒーローは黒川イザナだ」と武道に言い放った鶴蝶。とはいえ、仲の良かった幼なじみに撃たれ、武道は死の淵をさまようことに。そんな中、武道を奮い立たせてくれるのは直人の言葉だ。大人になった武道と初めて再会した時は、こんな情けない奴に全てを託さなければならないのかと絶望したという直人。だが、何度失敗しても諦めない武道を見るうちに「ヒーローってこういう人なんだ」と思い始めたと直人は語る。

「君は…僕の誇りです」

自身も致命傷を負いながら、最後の力を振り絞って直人は武道と握手をかわしてくれた。まさか、千冬の“必要な時は現代に戻ればいい”という言葉がフラグになっていたとは。タイムリープトリガーとなっている直人がもしこれで死亡していた場合、武道は過去の直人と握手しても現代には戻れなくなってしまうだろう。絶体絶命のピンチに追い込まれた武道は、最悪の未来へつながる過去を変えることができるのか。

シリアスな展開となった第39話にSNSでは、「味方になるとなんて頼もしいんだ大寿!」「現代のカクちゃん、漫画だと眉一つ動かさずタケミチ撃ってる印象だったけど、アニメで表情動いたの良かったな……」「イザナくんはなんで警察に力が効くんだい?」「直人との最後の握手シーン、泣いた」という感想が集まった。

島崎信長の崎は正しくは「たつさき」

■文/苫とり子

アニメ「『東京リベンジャーズ』天竺編」第39話が放送/(C)和久井健・講談社/アニメ「東京リベンジャーズ」製作委員会