さすが米国、アメフトのイメージが名称にも。

ハイブリッド化で隠密性とプラットフォーム性を両立

アメリカの大手兵器メーカー、ゼネラル・ダイナミクス・ランド・システムズ(GDLS)は2023年10月上旬、新たな装輪戦闘車両の試作型「ストライカーQB(StrykerQB)」を公開しました。

ストライカーQB」は、テクノロジーデモンストレーター、すなわち技術実証モデルともいうべきもので、「QB」とは「Quarterback(クォーターバック)」の略だそう。クォーターバックはアメリカンフットボールアメフト)などで攻撃の起点となる、いうなれば司令塔というべきポジションであり、そこからこの「ストライカーQB」も、アメリカ陸軍が将来案のひとつとして掲げている「Army 2030」のなかで中核的役割を担える車両として開発された模様です。

ベースになっているのは、昨年(2022年)に発表されたコンセプトモデル「ストライカーX」だそう。同車の特徴であるパワーパックのディーゼルハイブリッド化を「ストライカーQB」でも受け継いでおり、それによって静粛行動性(サイレントムーブメント)や隠密斥候能力(サイレントウォッチ)、ハイブリッドエンジンによる電力供給能力などが付与されているとのこと。これらによって、車両の生残性と機動性が向上しているといいます。

またアクティブ防護システムやサイバープロテクト能力などを備えた高度な電子アーキテクチャによってシステム防護にも優れているとか。一方で無人のロボット戦闘車両「RCV(Robot Combat Vechle)」や独自開発した追跡ロボット「TRX」など、複数の無人地上車両(UGV)や同航空機(UAV)のプラットフォームとしても使えるように設計されています。

実車は、アメリカの首都ワシントンDCにおいて開催中のアメリカ陸軍協会の武器展示会「AUSA2023」において、展示公開されています。

GDLSが発表した次世代戦闘車両のテクノロジー・デモンストレーター「ストライカーQB」(画像:GDLS)。