テレビアニメ化された「便利屋斎藤さん、異世界に行く」や、WEB漫画サイト「コミックガルド」(オーバーラップ)にて連載中の「剥かせて!竜ケ崎さん」などを手がける漫画家・一智和智( @burningblossom )さん。X(旧Twitter)には「優し異世界へようこそ」に収録されている短編漫画をはじめ、数多くの作品が投稿されており、心温まるストーリーが人気だ。なかでも「寄付をする強欲な男」は、合計19万超えの「いいね」を獲得(2023年10月6日時点)。「オチが尊すぎる」「めっちゃいい話」などと感動の声が寄せられている。今回はそんな一智和智さんに制作秘話などを聞いた。

【漫画】「寄付をする強欲な男」ほか短編漫画を読む

■オチが必ず優しい…珠玉のショートショートがぎっしり詰まった「優し異世界へようこそ」

「金ならいっぱいある!だが、まだまだ欲しい」。金儲けに余念のない社長に、ある日、秘書が「寄付しましょう」と提案する。社長は「バカ言うな」と一蹴するが、「節税になり、結果、儲かります」という言葉を聞き、寄付をすることに。その後、寄付先の孤児院で1人の少女と出会ったことがきっかけとなり、強欲だった社長の考えが一変。当初の節税という目的を忘れ、次々に寄付をしていくが、やがて会社が倒産してしまう…「寄付をする強欲な男」はそんなストーリーだ。

この他にも、さまざまな短編漫画を描いている一智和智さん。そのなかには、優しい世界観に心がほっこりしたり、感動的な結末に涙腺を刺激されたりする作品も多い。「寄付をする強欲な男」以外の短編漫画も、ぜひチェックしてみてほしい。

■愛犬との別れから生まれた作品も

――「優し異世界へようこそ」はどのお話もみな、最後はとても優しい展開で終わるので、読んでいてあたたかい気持ちになれます。お話はどのように考えているのでしょうか。

散歩してると15分くらいで邪念が消えて自然に何か思いつきはじめ、1~2時間くらい歩くとできてます。

――反響の大きかった作品を教えてください。

ペットショップドラゴン桃太郎勇者シリーズ、竜ケ崎さん、便利屋斎藤あたりです。

――ご自身が思い入れのある作品はどれですか?

ドラゴンを飼うということ」です。このときうちの雑種犬が死んじゃったので描きました。そのときはそういったことは呟かなかったので、長くフォローしている方でも気づいてないかもしれませんが、実は僕がよく写真を上げる雑種犬は2代目で、この漫画を上げた頃にそっくりなコに入れ替わってます。

――大変多作でいらっしゃいますが、どのくらいのスピードで作品を描かれているのでしょうか。

X(旧Twitter)用落書き漫画は1日1本です。

ーー「優し異世界へようこそ」はいつ頃描いた作品でしょうか。また、現在はどんな作品を描いていらっしゃいますか?

「優し異世界へようこそ」は4年前くらいから始めたはずです。商業連載は、アニメ化した「便利屋斎藤さん、異世界に行く」、「剥かせて!竜ケ崎さん」。あとネーム原作とか企画とか、名前変えているのがいろいろ。その他は気まぐれで個人で自由にやってます。

「優し異世界へようこそ」(全21巻)はKindleにて無料公開中!

取材協力:一智和智(@burningblossom)

金儲けに余念のない強欲社長。寄付を始めたことで、男の人生が大きく変わっていく/画像提供=一智和智さん