鈴木亮平が主演を務める日曜劇場「下剋上球児」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)が、10月15日(日)にスタート。放送に先駆けて、10月10日に都内にて「初回放送直前!特別応援試写会」が行われた。試写会には、演技と野球の実技テストなど約半年間に及ぶオーディションを突破した中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹、奥野壮ら球児役のキャストたちも参加。また、U-NEXTTVerにて配信されている同ドラマのスピンオフ企画「『下剋上セレクション 完全版』~ドラマ出演をかけた熱き予選大会~」でMCを務めている武井壮が会場に駆け付けた。ここでは、第1話のみどころや、第1話を見たキャスト陣の感想コメントなどを紹介する。

【写真】「特別応援試写会」にサプライズ登場した武井壮が満面の笑み

日曜劇場「下剋上球児」とは

同ドラマは高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。

これまでに「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」(2022年)、「最愛」(2021年)、「MIU404」(2020年、全てTBS系)をはじめ、多くの人気ドラマを世に送り出してきた新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督がタッグを組み、初めて日曜劇場枠で作品を手掛ける。また、脚本はこれまでも二人の作品を数多く手掛けてきた奥寺佐渡子氏が担当する。

■試写会前に武井壮がサプライズ登場!

都内の映画館を貸し切りにして行われた今回の試写会。第1話の映像が上映される前から球児役の面々は、仲むつまじく笑い合いながら話をするなど盛り上がりを見せていた。そこへ、「スペシャルゲストが来ています!」の声とともに武井がサプライズ登場。キャストたちが「おぉ!!」「武井さん!!」と喜びの声を上げる中、試写会がスタートした。

黒木華演じる、三重県越山高校(通称:ザン高)に赴任してきた野球好きな教師・山住香南子の「夏は毎年やってくるけど、ただ一度の夏がある。忘れられない特別な夏」というナレーションから物語は始まる。

物語の舞台は、廃部寸前の弱小野球部。やる気のない幽霊部員ばかりで、菅生演じる主将・日沖誠だけが毎日一人で練習をしている。そんな野球部の次年度からの顧問兼監督に、鈴木演じる南雲脩司が打診されていた。

しかし、南雲は妻・美香(井川遥)と二人の子どもとの家庭での時間を大事にしたいと思っており、顧問への就任を頑なに拒む。けれども、南雲を演じる鈴木は「困ったなぁ…」というような優しいほほ笑みを浮かべ、拒む理由はそれだけではないのでは? と感じさせられる。実際、山住(黒木)が南雲を野球部に誘う場面で美香が、「そんな考えることある?いつも他の先生のお願い、気持ちよく聞いてあげてるじゃない」と問いかけているのだ。

小日向文世の“ダメなおじいちゃん”っぷりが愛らしい…!

また、そんな南雲の気持ちとは裏腹に周囲の人間は盛り上がっている様子。山住はもちろんのこと、定年退職に伴い野球部の顧問・監督を離れざるを得なくなってしまった横田宗典(生瀬勝久)、学校のためにと動く校長・丹羽慎吾(小泉孝太郎)が説得を続ける。

そして、そこに加わるのが一癖も二癖もある地元の大地主・犬塚樹生(小日向文世)。地元の産業を支える名家であり先祖代々の大地主、かつ中沢演じる孫の犬塚翔を溺愛し、翔の野球を応援するため、空き地に「犬塚ドリームグラウンド」を作ってしまうほどの愛と財力と権力を持ち合わせたキャラクターだ。

“大地主”=頭が固そうなスーツ姿の堅物といった人物が登場しそうだが、小日向の出演が決まった際のビジュアルや、公式ホームページの満面の笑みをご覧いただきたい。なんとも愛らしい“大地主”だろう。第1話でも、南雲が顧問を拒んでいると知ると「なんで?やろうよ。こっから甲子園行こ」とノリノリ。二言目には「翔くん、翔くん」と孫への愛を爆発させ、小日向曰く“ダメなおじいちゃん”っぷりを発揮して南雲や山住を振り回していくのだが、どこか憎めない。そして、ニコニコ笑顔でたまに発する過激な言葉にも笑わされるのであった。

そんな個性豊かなキャラクターたちの強い押しもあり、南雲はなし崩し的に野球部の手伝いを始めることに。

■きっと“推し”の球児役が見つかる!

実力派、個性派ぞろいの役者たちが登場する中、今作で注目したいのが球児役のキャストたち。1人1人のキャラクターが立っているのはもちろんだが、それを演技力だけでなく野球の実力も兼ね備えた彼らが、演技と自然体の両方でそれぞれの役を魅力的に演じていく。

犬塚翔役の中沢、根室知廣役の兵頭、日沖役の菅生、野原舜役の奥野が「本当に部活そのもの」「ひたすら一生懸命野球をやっていて、それを撮っていただいているという感覚」とインタビューで語っており、だからこそその真剣さ、必死さが画面からひしひしと伝わってくる。

また、球児キャストたちの本格的な野球シーンをさらに迫力あるものにするため、野球シーンの一部をCloverWorksがアニメーションで制作。「高校生」「野球」「甲子園」というワードだけでも青春のキラキラを感じさせるのに、このアニメーションの演出、そして終盤の良いタイミングで流れるSuperflyの主題歌がドラマ内の“エモさ”を増幅させていた。

物語が進むにつれて、登場時の自信のなさもそれぞれの成長により変化していき、球児たち個人個人の物語が描かれていくことで、球児を演じるキャスト陣の中に推しが見つかることは間違いないだろう。

本作は「ドリームヒューマンエンターテインメント」。ただのスポーツドラマでも、ヒューマンドラマでもない。しかし、スポーツあり、テンポの良い会話劇あり、ちょっとした考察もあり…野球好き、スポーツ好きではなくても楽しめるエンターテインメント要素満載の作品だった。

試写終了後、武井は「オーディションの頃とは表情がまったく違いました。野球をこれまでやってきた子もほとんど素人の子もいろいろな子が集まっていると思いますが、みんなが映像の中で1つのチームとして戦っていく姿を見て、これからたくさんの方がこの作品を見て元気づけられて、みんながこのドラマをきっかけにスターになっていくような輝きを感じました」と、オーディションを勝ち抜いて今作の役を掴んだ球児キャストたちと、39歳でデビューしてから芸能界で生き残るために頑張ってきた自身の気持ちを重ねて熱くコメント。

武井と同じくこの日、初めて初回を視聴した球児キャストたちも、声を出して笑ったり、涙を浮かべたりと終始、興奮した様子で笑顔の溢れる試写会となった。

■犬塚翔役・中沢元紀コメント

台本になくて、自分たちのチーム感や素が出ている部分もあるので、そこに注目して欲しいです。南雲先生と日沖(菅生新樹)のシーンがとても好きでした。僕たち自身がちゃんと投げて、打って、取って…というのをリアルに撮れるまでやっているのでそこにも期待しててください!

■根室知廣役・兵頭功海コメント

台本を読んでてここは盛り上がりそうだな…!みたいなところはもちろんなのですが、意外なささいなシーンもすごくしっかり描かれていて、グッとくる部分もあったり、感動しました。ごまかしが効かないように撮っているリアルな野球のシーンにも注目してほしいです。

■椿谷真倫役・伊藤あさひコメント

椿谷は他の部員と違って初心者なので、野球への第一歩を踏み出すのがこの1話となっております。 椿谷の3年間の成長を見届けてください!

■日沖壮磨役・小林虎之介コメント

野球シーンがとても好きでした。野球経験者からすると、野球をしっかり見られるドラマってあまりなくて、そこに引っかからずに納得して見られるというのがすごいし、新しいと思いました。主題歌が流れるシーンなどとても興奮しました!

■久我原篤史役・橘優輝コメント

すごく面白かったです。今日初めて見るシーンも多かったのですが、とても分かりやすく描かれていて、個人的にうるっとくるシーンも結構ありました。野球をやったことがない人や分からない人にも楽しんでいただけるドラマだと思いますので、ぜひご覧ください!

■楡伸次郎役・生田俊平コメント

冒頭のシーンが良くて、あそこから鳥肌が立ちました。出演者ですが、ここからどう物語が進んでいくのか、早く2話が見たいです。景色がすごくきれいだったり、ご飯のシーンも印象的で、見ていておなかが空きました(笑)。ぜひ野球部の推しメンを決めてご覧ください!

■日沖誠役・菅生新樹コメント

見ていて笑顔になる部分も多く、それぞれのキャラクターも丁寧に描かれていて、とてもすてきなドラマでした。日曜日の夜に次の日から頑張ろう!と、このドラマを見てパワーや元気をもらえる作品になっていますので、ぜひ初回からご覧いただきたいです!

長谷川幹太役・財津優太郎コメント

南雲家のシーンなど自分たちが初めて見るシーンの衝撃も大きくて、笑えるところもあったりと印象に残っています。僕たち球児のキャラクターもすでにそれぞれきちんと描かれていて、ぐっと引き込まれて、思わず楽しんじゃいました。

■藤本大牙役・鈴木敦也コメント

感動しちゃいました(笑)。冒頭からインパクトが強すぎて、1話のあのシーンから迫力がありました。野球シーンのアニメの絡みも本当にすごかったですし、小日向さんのインパクトにも注目してほしいです。とても熱い作品になっているので、ぜひ家族や友人と一緒に見てほしいです!

■富嶋雄也役・福松凜コメント

自分が演じていてここが使われていたんだ! という意外な発見もあったり、南雲家のシーンもとても印象的で、鈴木さんと井川さんの空気感や気遣いが一瞬で伝わってすてきでした。野球経験者としてもとてもリアルで、きちんとプレーしているのが伝わると思います!

■野原舜役・奥野壮コメント

野球シーンのアニメーションの部分は撮っているときから気になっていたのですが、今までのドラマにはなく斬新で、シーンに“ビタっと”決まっていてかっこよかったです。僕たちが野球を頑張ったのもちゃんと伝わると思うのでよかったなと思いました。

「下剋上球児」の特別応援試写会に球児役キャストたちが集結!/(C)TBS/撮影:ENO