ビジネス書や実用書を中心に出版する株式会社クロスメディア・パブリッシング(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:小早川幸一郎)は、2023年10月13日に書籍『あわせて学ぶESG×リスクマネジメント』を刊行します。ESGとは、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字を取ったもので、企業の中長期的成長のために不可欠な要素といわれます。本書は、業種・セクター別のリスクデータベースを構造化し、他書にはない切り口でESGの要求事項を豊富な事例とともに整理。「ESG」と、その本質となる「リスクマネジメント」との関係性を解像度高く理解できる一冊です。

  • 先行きが読めない時代に不可欠な「リスクマネジメントとしてのESG」

現代の社会・経済は、非常に激しい変化の渦中にあります。コロナ禍で生まれた新しい生活様式ロシアによるウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの高まり、AIのめまぐるしい発展といったように、ここ数年だけを振り返っても実にさまざまな変化が起こりました。

こうした時代において企業が競争力を維持・向上させるためには、“バックキャスティング”の視点で、中長期的な未来を見据えながら先手を打って行動する力が求められています。

こうしたなかで取り組まれているのが、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字を取ったESGです。企業の中長期的成長のために不可欠な要素であるとして、すでに一定の認知度がありますが、何が本当に求められているのかについては理解されていないように見受けられます。

そこで本書では、人事部や総務部、財務部、法務部などの企業のコーポレート部門の担当者であればぜひ知っておくべき「ESGの必要性」と、その「リスクマネジメント」についてわかりやすく解説していきます。

  • ESGへの不十分な理解がもたらす影響

近年は、株主や投資家、顧客、従業員、取引先、地域社会、政府、NGOなどのステークホルダーとのコミュニケーションの重要性がますます高まり、自社の取り組みを積極的に発信することが求められるようになりました。

ESGの各要素がそれぞれに関わる部門は以下の通りで、多くの部門が関わる以上、その本質についての理解に乏しいままであれば、ステークホルダーからの要求に対する認識の齟齬が生まれる可能性は大いにあります

・環境    :総務、事業・商品企画、購買

・社会(人権):人事、購買

ガバナンス :法務、財務、総務、内部監査

ESGに対応できる社内体制が不十分な状態では、無駄な取り組みや作業が増え、生産性低下につながるだけでなく、環境や社会によい影響を与えているかのように見せかけるESGウォッシング問題(投資家目線では「インパクトウォッシング」とも呼ばれる)に発展する恐れもあります。これらは規制や外部監査(保証)によって問題が発覚したり、要求事項を理解しないままESG開示を行ったりした結果、ウォッシングとみなされてステークホルダーの信頼を損なうという事態に陥る可能性を指します。

また、ESGへの取り組みは競合他社との差別化の主たる要素にもなっています。この場合は事業部門が中心となって、脱炭素などの環境対応、ジェンダーフリーの人権サービスなどに取り組むこともあります。事業部門とコーポレート部門が協力し、全社的な取り組みを加速することがますます求められるでしょう。

  • 本書の構成と特色について

本書では、次の2部構成を主軸として、ESGの本質とリスクマネジメントについて解説しています。

・第1部 ESGとは何か――基本編

第1部では、ESGの誕生の経緯、ESGが注目される背景、ESGの基準とガイドラインなどを、データやエビデンスに基づいて紹介します。「ESG誕生の社会的背景」や「ESG業務の意義」が、きっと腑に落ちて理解いただけることと思います。

・第2部  ESGリスクマネジメント――サステナビリティ文脈とステークホルダー対話を考える

第2部では、コーポレート部門各部署の担当者が、自社のサステナビリティ文脈を理解したうえで、どのようなことに注意し、どのような対応をすべきなのかという実践的な内容をまとめています。セクター/業種別の解説については、自社に関係する部分だけを読んでいただいても構いませんが、他のセクター/業種別との比較によっても理解を深めることができるため、他の部分も一読されることをお勧めします。

なお、本書では、ESGのうちしばしば重きを置かれる「環境(E)」よりも、「社会(S)」と「ガバナンス(G)」に重きを置いて解説しています。具体的には、ESG関連のリスクと特に関係するセクター・業種をまとめた図も本書に掲載していますが、このうち社会とガバナンスに絞り、リスクの具体的内容や特に理解してほしい対策を紹介します。

  • 出版の背景(著者のことば)

ESGの本質と日本企業のコーポレート部門がもつ認識のギャップを埋めたい、そうした思いから本書の出版をしました。

ESGに関する情報は、インターネットや書籍でも多く発信されていますが、概念的な説明や一企業の事例、執筆者の主観に基づいた見解や展望もあり、結局のところESGとは何なのか、そして企業のコーポレート部門は何をすべきかが体系的にまとめられているコンテンツが少ない、というのが私からみた印象です。

実際、「ESGという言葉は知っているが、自分あるいは自社として、具体的に何をすればいいのかはわからない」という人が大半ではないでしょうか。私は10年以上、内部統制・リスクマネジメント業務に関与していますが、この期間だけを振り返っても、企業に求められるものは大きく変わりました。内部統制システムに基づく「内部」向け業務から、「外部」向けのコミュニケーション業務に変わっています。企業の環境・社会・コーポレートガバナンスに与えるインパクトを評価してスコア化したESG格付評価が広く利用されるようになってからは、なおさらではないでしょうか。

いまや世の中の「物差し」は大きく変わりました。従来と同じ意識のままであれば前述のESGウォッシング・インパクトウォッシングのような致命的な問題に発展しかねません。本書の第2部では、そうした事態に実際に陥ってしまった事例を豊富に載せていますので、実際に読んでいただければご理解いただけることと思います。特に企業の経営基盤を支えるコーポレート部門の担当者こそ、本書をきっかけにESGに対する意識が変わったとなれば幸いです。

  • 本書の読みどころ

類書では初めて(※)、 「ESG」と「リスクマネジメント」を掛け合わせて、ESGコンセプトからESG関連基準、さらにリスクマネジメントまでをセクター/業種別に切り分けて構造化しています。

セクター・業種ごとに豊富な事例を紐づけて解説した内容で、企業のコーポレート部門担当者であれば知っておくべき「ESGの必要性と本質」と、その「リスクマネジメント」を深く理解できます。

※ 当社調べ

▼こんな方におすすめ

・ESGという言葉は知っているが、自分/自社として具体的に何をすればいいのかがわからない

・ESGがどういうものかはわかるが、自社が具体的に回避すべきリスクの勘所を学びたい

・いよいよESGに取り組む話が社内で出てきており、そもそものところからESGをちゃんと理解して、自分の業務のために本質的に理解したい。

  • 著者紹介

木村研悟(きむら・けんご)

2003年同志社大学経済学部卒業、2008年公認会計士登録。KPMGあずさ監査法人での会計監査、財務デューデリジェンス、リスクコンサルティング、上場会社でのリスク管理実務を経た後に独立。

現在は、会計士コンサルタントとして、内部統制、情報セキュリティ、経理財務PMI等のプロジェクト支援、上場会社のリスク管理・コンプライアンスに関する業務支援を行う。GRI認定サステナビリティプロフェッショナル情報セキュリティマネジメント資格を保有。

  • 書籍の詳細

『あわせて学ぶESG×リスクマネジメント』

著者:木村研悟

定価:2,068円(本体1,880円+税)

体裁:四六判 / 224ページ

ISBN:978-4-295-40886-4

発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング(クロスメディアグループ株式会社)

発売日:2023年10月13日

▼リンク一覧(クロスメディアグループ)

株式会社クロスメディア・パブリッシング https://www.cm-publishing.co.jp/

株式会社クロスメディア・マーケティング https://book.cm-marketing.jp/

クロスメディアグループ株式会社 https://cm-group.jp/

配信元企業:クロスメディアグループ株式会社

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