国際親善試合のイングランド代表vsオーストラリア代表が13日に行われ、ホームのイングランドが1-0で勝利した。

イタリア代表らと同居するユーロ2024予選のグループCで首位を快走するイングランドは、17日にそのイタリアとの直接対決を控えるなか、調整試合としてオーストラリアを聖地ウェンブリーで迎え撃った。サウスゲイト監督はこの一戦でウォーカーやケインベリンガム、ライスといった主力をベンチに置き、A代表デビューのコルウィルダンク、ボーウェン、ワトキンスといった控え選手をピッチに送り出した。

一方、オーストラリアではFC町田ゼルビアのミッチェル・デュークやプレミアリーグでもプレー経験のあるGKライアンやサウターら主力を起用した。

アレクサンダーアーノルドの“偽SB”で起用する変則的な[4-2-3-1]の布陣で臨んだイングランド。立ち上がりは慣れないメンバー構成の影響もあってボールの循環でぎこちなさが目についたが、徐々に相手陣内でのプレータイムを増やしていく。そして、右サイドでの連携や左のグリーリッシュの個人技で幾度かボックス内への侵入を試みるが、なかなか最後の局面でうまくいかない。

一方、ホームチームにボールを握られながらも焦れずにカウンターを狙うオーストラリアは、より効果的にフィニッシュまで持ち込んでいく。22分にはショートカウンターから右サイドのボイルが上げたクロスをボックス中央に走り込んだデュークが右足ボレーで合わすが、これは惜しくも枠の右に外れる。

チームとしての機能性がいまひとつで攻撃が停滞するイングランド。それでも、好調の司令塔とストライカーコンビネーションで決定機を創出する。29分、マディソンの狙いすましたスルーパスに完璧なタイミングで抜け出したワトキンスがボックス左から左足のシュートを放つが、これは惜しくも右ポストを叩いた。

その後も試合展開に大きな変化はなし。前半終了間際にはオーストラリアが鋭いカウンターからボイルのラストパスを受けたストレインに絶好機も、ボックス右で放ったシュートはDFダンクの決死のゴールカバーに阻まれた。

互いに選手交代なしで臨んだ後半も試合は拮抗。それでも、優勢に進めるイングランドがセットプレーからゴールをこじ開ける。57分、相手陣内右サイドで得たFKの場面でアレクサンダーアーノルドのクロスがファーに流れると、これをボックス左で収めたグリーリッシュが左足のグラウンダーシュート。ボールの軌道は枠の右に外れていたが、大外で詰めたワトキンスがスライディングで流し込んだ。

苦しみながらも先制に成功したイングランドは直後に4枚替え。ヘンダーソン、トモリ、グリーリッシュ、ギャラガーを下げてトリッピアー、ストーンズ、ラッシュフォードフィリップスピッチに送り出す。この交代でアレクサンダーアーノルドがセントラルMFにポジションを変えた。

その後はあまりリスクを冒すことなく粛々とゲームを進めていくイングランド。70分過ぎには殊勲のワトキンスとマディソンを下げてA代表デビューとなるエンケティアフォーデンと共に投入。

後半終盤にかけてはオーストラリアが攻勢を強めたが、メトカーフの際どいシュートが右ポストを叩くなど前半同様に最後の局面で精度を欠いた。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、控え中心のスカッドで実験的な試みも目立ったイングランドが、オーストラリアとの接戦を1-0でモノにした。