この度、坂本龍一と高谷史郎(ダムタイプ)のコラボレーションによるシアターピース「TIME」日本初公演開催に際しまして、アーティストコメント、新ビジュアル画像を発表致します。また、東京公演は10月14日(土)に、京都公演は10月29日(日)に、いよいよチケット一般発売開始となります。

 「TIME」は、1999年日本武道館大阪城ホールで上演され、約4万枚が即完売した公演「LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999」に続き、坂本龍一が全曲を書き下ろし。高谷史郎(ダムタイプ)とコンセプトを考案、創作しました。

 2017年から約4年の製作期間を経て、2021年に坂本がこの年のアソシエイト・アーティストを務めた世界最大級の舞台芸術の祭典「ホランドフェスティバル」(オランダ・アムステルダム)で世界初演され、高い評価を得ました。来春の日本初公演は、奇しくも坂本の逝去からちょうど一年後の命日にあたる2024年3月28日に東京・新国立劇場にて開幕します。

 観客は、暗闇の中、雨音だけが響く客席空間に足を踏み入れ、本作の鑑賞体験は始まります。水鏡のように舞台上に揺らぐ水面と、精緻な映像を写しだすスクリーン。「こんな夢を見た」の語りで始まる夏目漱石の「夢十夜」(第一夜)、「邯鄲」、「胡蝶の夢」―― 一連の物語と溶け合うテキストとともに紡がれる本作を包括するテーマは「時間」。田中泯、宮田まゆみ(笙)、石原淋のパフォーマンスと、サウンド/インスタレーション/ヴィジュアルアート。そのすべてが、光と水が交錯し幻出する、幾つもの「夢」とともに、劇場空間で融合します。衣裳デザインにソニア・パーク(ARTS&SCIENCE)、音響FOHエンジニアにZAKら、著名クリエイターも迎えた唯一無二のシアターピースが、遂に日本で初めて上演を迎えます。

  • アーティスト コメント

坂本龍一

PHOTO BY NEO SORA (C)2020 Kab Inc.

パフォーマンスとインスタレーションの境目なく存在するような舞台芸術を作ろうと考え、『TIME』というタイトルを掲げ、あえて時間の否定に挑戦してみました。

(2023年新潮社刊『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』より抜粋)

高谷史郎

坂本龍一さんと長い時間をかけて創作に取り組んだ『TIME』がようやく日本で上演の運びとなりました。奇しくも東京公演の初日は一周忌。坂本さんの訃報を聞いた時、この偶然に慟哭し言葉を失いました。2021年コロナ禍のアムステルダムでの初演は、田中泯さん、宮田まゆみさん、そしてチーム全員が一丸となって坂本さんと共に成し遂げた奇跡の初演でした。私は幸運にもこれまで数多く坂本さんと作品を制作させていただき、その過程で多くのことを学びました。『TIME』のテーマである「時間」についても様々な角度から多くのことを語り合いました。坂本さんが思索を重ね情熱を持って作り上げた『TIME』。他の作品と同様に『TIME』も坂本さんのアイディアで埋め尽くされています。そのシンプルな構造の中に何重にも様々な思想が織り込まれていて、坂本さんがプロットされたより深い意味を、今後も作品を上演していくたびごとに、私自身、理解を深めていくのだと感じています。終盤、舞台に響く藤田六郎兵衛さんの笛の音は、六郎兵衛さん生前最後となってしまった演奏を、渡邊守章先生演出の舞台公演の際に急遽記録させていただいた音源であり、坂本さんの強い思いでこのシーンが生まれました。すべてが奇跡のようであり夢のようであり、それは「時間」の中に、存在します。

田中 泯

ヒトは現在だけを生きている者ではない。現在だけに眠る者でもない。金輪際の外にまで心踊らせ生きる者だ。僕は坂本龍一さんと、ずっとその事を話し続けてきた。これからもだ。沈黙の内側での会話だった。ある時、坂本龍一さんと高谷史郎さんが用意し演出する舞台作品「TIME」へ参加を頼まれた。お二人の共鳴する舞台の時にカラダを投げ込みたいと自然に思った。用意はとっくに済んでいる。「TIME」の日本公演が間も無く始まる。また坂本さんと話せるかな。

宮田まゆみ

「TIME」。
空間、音、ことば、そのすべてが静寂から生まれ、終(つい)には静寂に吸い込まれてゆく。
大いなる静けさに包まれたかけがえのない時をオランダで過ごしました。
日本でまた、この幸せを皆さまと共にすることができる。なんとうれしいことでしょう。
坂本さんもきっとふわふわと雲に乗っておいで下さるに違いありません。
2024年春を待ち遠しく思います。

石原 淋

さあ、今度はどんな旅に出かけようか。どんな支度をすればいいかな。そこにいけばどんな呼吸を感じられるかな。戻れなくってももういいや!ってなくらい、おもいっきりファンタジーに飛び込んでいこう。波瀾万丈の大河の流れに乗り、永遠と続く小さな命の1つ、心細い事ばっかりだけれど、なんだか「あたたかいや」って思える儚い一瞬を感じ続けたい。ね、そうだよね?。

  • 公演概要

シャボン玉石けん 特別協賛

RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI
TIME

日本初公演

2024年3月28日(木) - 4月14日(日)  東京・新国立劇場 (中劇場)
2024年4月27日(土) - 4月28日(日)  京都・ロームシアター京都 (メインホール)

音楽 + コンセプト:坂本龍一
ヴィジュアルデザイン + コンセプト:高谷史郎

〈出演〉
田中 泯  ダンサー
宮田まゆみ  笙奏者
石原 淋  ダンサー

能管:藤田流十一世宗家 藤田六郎兵衛 (録音:2018年6月)

照明デザイン:吉本有輝子
メディア・オーサリングプログラミング:古舘健、濱哲史、白木良
衣装デザイン:ソニア・パーク
衣装制作:ARTS&SCIENCE
プロダクション・マネージャー:サイモン・マッコール
舞台監督:大鹿展明
FOHエンジニア:ZAK
撮影助手:新明就太
映像グラフィックデザイン・アシスタント:南琢也
音響エンジニア:アレック・フェルマン(KAB America Inc.)
音響エンジニア・アシスタント:竹内真里亜(KAB America Inc.)、近藤真(オフィス・インテンツィオ)
制作アシスタント:湯田麻衣(Kab Inc.)

夏目漱石『夢十夜〈第一夜〉』、『邯鄲』 英訳:サム・ベット
『邯鄲』 現代語訳:原瑠璃彦
胡蝶の夢』 英訳:空音央

コンセプト立案協力:福岡伸一

プロデューサー:リシャール・キャステリ、空里香、高谷桜子
共同製作:ホランドフェスティバル(アムステルダム)、deSingel (アントワープ)、マンチェスター国際芸術祭
共同制作:ダムタイプオフィス、KAB America Inc.、エピデミック
プロダクション&ツアー・マネジメント:リシャール・キャステリ、フローレンス・ベルトー(エピデミック)

広報グラフィック・デザイン:南琢也

WEBサイト:https://stage.parco.jp/program/time
ハッシュタグ:#RyuichiSakamotoTime

〈東京公演〉主催: (株)パルコ朝日新聞社、集英社-T JAPAN 後援: J-WAVETOKYO FMinterfm
〈京都公演〉主催: サンライズプロモーション大阪、(株)パルコ朝日新聞社、集英社-T JAPAN 共催: ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)

特別協賛:シャボン玉石けん株式会社

  • チケット情報

東京公演
[公演日程] 2024年3月28日(木)~4月14日(日)
[会場] 新国立劇場 中劇場  (京王新線初台駅」中央口直結)
[入場料金(全席指定・税込)] S席:15,000円 A席:12,500円
U-18チケット:3,500円[観劇時18歳以下対象] (前売販売のみ/要身分証明書/当日指定席券引換)
一般発売日=2023年10月14日(土)
◆チケットに関するお問合せ=サンライズプロモーション東京0570-00-3337(平日12:00~15:00)
◆公演に関するお問合せ=パルコステージ 03-3477-5858 https://stage.parco.jp/

チケット取扱い   ※各プレイガイドでのチケット取扱いはWebのみとなります。
PARCO STAGE スマホアプリ「パルステ!」 パルステ で検索!
イープラス https://eplus.jp/time/
・チケットぴあ https://w.pia.jp/t/time/
ローソンチケット https://l-tike.com/time/

京都公演
[公演日程] 2024年4月27日(土)~4月28日(日)
[会場] ロームシアター京都 メインホール
[入場料金(全席指定・税込)] S席:15,000円 A席:12,500円
U-18チケット:3,500円 (観劇時 18 歳以下対象、要身分証明書(コピー・画像不可、原本のみ有効)、当日指定席券引換)
※営利目的の転売禁止
一般発売日=2023年10月29日(日) ※先行予約受付中
◆お問い合わせ=キョードーインフォメーション0570-200-888 (11:00~18:00※日祝休業)

チケット取扱い
・チケットぴあ Pコード522-307 https://w.pia.jp/t/time/
(セブンイレブン、チケットぴあ店舗、チケットぴあWEBサイト)
ローソンチケット Lコード:54941 https://l-tike.com/time/
(ローソン店内Loppi、ミニストップ)
・e+(イープラス) https://eplus.jp/time/
(ファミリーマート各店舗)
・CNプレイガイド 0570-08-9999 (10:00~18:00) https://www.cnplayguide.com/time/
・楽天チケット http://r-t.jp/time
・ロームシアター京都  (京都公演のみ取扱) チケットカウンター TEL.075-746-3201
(窓口・電話とも10:00~17:00/年中無休 ※臨時休館日等により変更の場合あり)
オンラインチケット https://www.s2.e-get.jp/kyoto/pt/
・京都コンサートホール チケットカウンター TEL.075-711-3231

(窓口・電話とも10:00~17:00/第1・3月曜日休館 ※休日の場合は翌日)
フレンズ会員・Club会員・京響友の会会員先行販売 10/22(日)~】

  • プロフィール

坂本龍一 | Ryuichi Sakamoto
1952年、東京生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。1978年千のナイフ』でソロデビュー。同年、YMOの結成に参加。1983年に散開後は『音楽図鑑』『BEAUTY』『async』『12』などを発表、革新的なサウンドを追求し続けた姿勢は世界的に高い評価を得た。映画音楽では『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞作曲賞、『ラストエンペラー』でアカデミー賞作曲賞、ゴールデングローブ賞最優秀作曲賞、グラミー賞映画・テレビ音楽賞など多数、『The Sheltering Sky』では2度目のゴールデングローブ賞最優秀作曲賞を受賞した。『LIFE』,『TIME』などの舞台作品、韓国や中国での大規模インスタレーション展など、アート界への越境も積極的に行なった。環境や平和問題への言及も多く、森林保全団体「more trees」を創設。また「東北ユースオーケストラ」を設立して被災地の子供たちの音楽活動を支援した。2023年3月28日、71歳で死去。

高谷史郎 | Shiro Takatani
1963年生まれ。京都市立芸術大学 環境デザイン専攻卒業。1984年からアーティストグループ「ダムタイプ」の活動に参加。様々なメディアを用いたパフォーマンスやインスタレーション作品の制作に携わり、世界各地の劇場や美術館、アートセンターで公演/展示を行う。1998年からダムタイプの活動と並行して個人の制作活動を開始。パフォーマンス《明るい部屋》(初演:2008年 ドイツ世界演劇祭)、《CHROMA》(初演:2012年 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール)、《ST/LL》(音楽・坂本龍一ほか/初演:2015年 ル・ヴォルカン国立舞台、フランス)を制作。台北・國家兩廳院、マルセイユフェスティバルシンガポール国際芸術祭などでの公演や、東京都写真美術館東京都現代美術館、ポンピドゥー・センター・メッス(フランス)、ハウス・デア・クンスト(ドイツ)での個展等。
坂本龍一との主なコラボレーションは、1999年《LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999》の映像担当を契機に、インスタレーション作品《LIFE - fluid, invisible, inaudible…》(2007)、《water state 1》(2013)等を山口情報芸術センター[YCAM] にて制作、坂本龍一のアルバム『async』(2017)のアートワークを担当、ワタリウムでの「坂本龍一|設置音楽」展でインスタレーション《async - drowning》制作(2017)、コンサート「Ryuichi Sakamoto: async Live at the Park Avenue Armory」の映像担当(ニューヨーク、2017)、「設置音楽2《IS YOUR TIME》」展(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、2017)、ブルーレイ『async - surround』映像制作(2018)、コンサート「dis・play- Ryuichi Sakamoto with Shiro Takatani」フランス3都市ツアー(2018)、展覧会「Ryuichi Sakamoto Exhibition: LIFE, LIFE」(piknic、韓国・ソウル2018)で共同制作インスタレーションを複数展示。坂本龍一コンサート「FRAGMENTS with Shiro Takatani」シンガポール国際芸術祭(2019)、坂本龍一の大規模個展「観音聴時」(木木美術館、中国・北京、2021)で主要な共同制作インスタレーションを一堂に展示。第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展で日本館のアーティストに選出されたダムタイプが新メンバーとして参加した坂本龍一と新作を制作(2022)、ヴェネチア・ビエンナーレ帰国展(アーティゾン美術館、2023)、坂本龍一の大規模個展「一音一時」(木木美術館、中国・成都、2023)で新作を含む主要な共同制作インスタレーションを一堂に展示、など。

田中 泯 | Min Tanaka
1945年生まれ。66年クラッシックバレエモダンダンスを学んだ後、74年から独自のダンス、身体表現を追求するようになる。本格的海外デビュー「パリ秋芸術祭『間―日本の時空間』展(ルーブル装飾美術館)78年」をきっかけにし、ゆるやかで微細な動きで身体の潜在性を掘り起こすパフォーマンスは、ダンスをはるかに越えて、新しい芸術表現として衝撃をもたらした。一方、85 年から今日に至るまで、山村へ移り住み農業を礎とした日常生活をおくることでより深い身体性を追求している。02年映画「たそがれ清兵衛」(山田洋次監督)初出演により、映像への出演も多く独自の演技力によって異彩を放っている。著書『僕はずっと裸だった』、共著『意身伝心』、写真集『平間至「Last Movement 最終の身振りへ向けて」(二冊組)』、写真集『岡田正人「海やまのあひだ」』、『写真集「光合成」MIN by KEIICHI TAHARA』。22年田中泯の本格的な長編ドキュメンタリー映画「名付けようのない踊り」(犬童一心監督)が公開された。www.min-tanaka.com

宮田まゆみ | Mayumi Miyata
東洋の伝統楽器「笙(しょう)」を国際的に広めた第一人者。古典雅楽はもとより、現代音楽オーケストラとの共演などにより、「笙」の多彩な可能性を積極的に追求している。国立音楽大学ピアノ科卒業後、雅楽を学ぶ。1979年より国立劇場の雅楽公演に出演。1983年より笙のリサイタルを行って注目を集める。古典雅楽はもとより、武満徹ジョン・ケージヘルムート・ラッヘンマン、細川俊夫など現代作品の初演も数多く、小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラシャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団アンドレ・プレヴィン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック、ウラディーミル・アシュケナージ指揮チェコフィルハーモニー管弦楽団、大野和士指揮ベルギー王立歌劇場管弦楽団ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団、準・メルクル指揮リヨン国立管弦楽団アレクサンダーリープライヒ指揮ミュンヘン室内管弦楽団佐渡裕指揮ベルリンドイツ交響楽団BBC交響楽団、WDRケルン放送交響楽団ほか国内外のトップオーケストラと数多く共演。加えて、ザルツブルクウィーン・モデルン、ルツェルンシュレスヴィヒ・ホルシュタイン、パリの秋、アヴィニヨン、ダルムシュタット、ドナウエッシンゲン、タングルウッドをはじめとする各国の音楽祭への参加、ウィーン、パリ、アムステルダム、ミラノ、ニューヨークなどでのリサイタルと幅広く活躍。近年ではケージ『One9(笙独奏のための)』全曲演奏会、古典「調子・入調」全曲演奏会などでも高く評価されている。98年の長野オリンピック開会式で「君が代」演奏の模様は全世界からの注目を集めた。芸術選奨文部大臣新人賞、エイボン女性年度賞「芸術賞」、中島健蔵賞、横浜文化賞奨励賞、日本伝統文化振興賞、佐治敬三賞、松尾芸能賞優秀賞、芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。2018年秋の褒章において紫綬褒章を受章。2021年度国際交流基金賞受賞。国立音楽大学招聘教授。

石原 淋 | Rin Ishihara
1994年、NHK音楽映像ドラマ『ハムレット幻蒼』で映像デビュ-。番組にダンサーとして出演していた田中泯に出会いその後、師事。1996年、田中泯演出の舞台『千年の愉楽』(原作:中上健次)にて観世栄夫と共演。その後、海外公演も含め田中泯作品に多数出演。2006年より本格的にソロ活動を開始し、田中泯の完全振付によるシリーズ作品『昭和の体重』(音楽:灰野敬二)は現在も続く代表作となった。野外公演『八月十五日のエトランゼ』出演、MV 『The Weeknd - Belong To The World』振付ほかドラマや映画でも活躍中。田中泯の唯一無二の「弟子」であると同時に、田中泯の活動全般を支えるマネージャーであり、プロジェクトを牽引するプロデューサーでもある。田中泯の「場踊り」の音をライブオペレーションするなど、演出的な活動にも携わる。

配信元企業:株式会社パルコ

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