サンフレッチェ広島レジーナのGK木稲瑠那が、クラブ史上初のタイトル獲得を喜んだ。

14日、2023-24 WEリーグカップ決勝のサンフレッチェ広島レジーナvsアルビレックス新潟レディースが等々力陸上競技場で行われ、0-0のまま90分、延長戦が終了。PK戦の末に4-2でS広島Rが勝利し、優勝を決めた。

2021年秋に発足したチーム。WEリーグ開幕に合わせた新規クラブとなり、過去2シーズンは中位に終わっていた。

WEリーグ、皇后杯、そしてWEリーグカップのタイトルは“3強”と呼ばれる、INAC神戸レオネッサ、三菱重工浦和レッズレディース、日テレ東京ヴェルディベレーザが分け合っていたが、その牙城を崩すことに成功した。

守護神としてS広島Rに移籍して3年目を迎える木稲。この試合でも危ないシーンが何度かありながら、しっかりとしたセービングを見せた。

特に後半の終わりには道上彩花が抜け出したところで前に飛び出てセーブ。延長前半にも、その道上が浮き球を収めて倒れ込みながらシュートも、見事にセーブし、ポストにも救われた。

後半のシーンについては「最初は下がるかどうか迷ったんですが、前に出ていた方がコースが狭まると思ったので、その位置でいて自分の判断が良かったというのは凄く自信になります」と語り、自身の判断がセーブに繋がったことを喜んだ。

また、延長前半のシーンでは弾いた後にシュートがクロスバーに直撃。「手には当たった感触があったんですが、前に出過ぎていたので、もしかしたら入っていたかもと思った」と、不安もあったという。ただ、これをDF島袋奈美恵がカバー。「自分でもよく止めたと思います」と語りながらも「やばい」と思ったとのこと。ただバーに当たり「一安心というか、良かったです」と、事なきを得てホッとしたという。

WEリーグカップでは失点は「4」。大崩れすることなく、結果的に無敗でトロフィーを掲げることとなった。

守備面については「カップ戦6試合を経験して、1試合1試合自信を積み重ねている感じはしますし、チームの仲の良さ、話し合うというのも自信につながっていると思います」とコメント。「止められる失点もあったと思いましたけど、クリーンシート2試合はディフェンスの連係も良くなってきているのかなと思います」と、今シーズンの守備には手応えを感じるという。

また、ビルドアップの部分でも成長を感じるとし、「3シーズン、サンフレッチェで過ごして後ろからビルドアップして繋ぐということを意識してやっていたので、どんな相手であろうと変わらないことですし、自分の長所でもあるロングキックを生かしながら、繋ぐところは繋ぐという意識はありました」とコメント。この試合では両方を使い分けていたが「自分自身の判断としても繋ぐのか蹴るのかの判断が明確にできるようになったと思います」と自信をつけているようだ。

そしてPK戦ではセーブこそなかったが、相手のシュートは2本ポストを叩いた。PK戦の心境については「シュートに関してはみんなが決めてくれると信じていたので、あとは自分が止めるだけだと」と語り、「実際にはポストに2本でしたけど、気迫で勝ったのかなと思います」と貢献できたことを喜んだ。

次はリーグでの戦いがスタート。そして、個人としてはなでしこジャパンを目指したいところだ。木稲は「もちろん代表を狙っています」と語り、「欲を言えば、(中嶋)淑乃さん、(上野)真実さん、他の選手たちと代表で一緒に活躍できればという思いはあります」と、S広島Rのチームメイトと共に、日の丸をつけてプレーしたいという目標を語った。