鈴木亮平が主演を務め、黒木華らと共演する日曜劇場『下剋上球児』(TBS系/毎週日曜21時)が10月15日よりスタートする。本作で、弱小野球部の球児を演じるキャストは半年にわたる“演技”と“野球の実技”オーディションを経て選抜。そんな激戦を勝ち抜いた精鋭の中から、今回は中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹、奥野壮の4人にインタビュー。撮影を通じて築かれた絆や、本作に懸ける熱い思いを語ってくれた。

【写真】未来のスター俳優を先取りチェック! 日曜劇場『下剋上球児』に出演する中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹、奥野壮

◆演技だけじゃなく野球の実技審査もあったオーディション

 本作は、高校野球を通して現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。『最愛』でタッグを組んだ新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督、脚本の奥寺佐渡子が再集結することでも話題を集めている。

――大規模なオーディションを勝ち抜いて見事出演が決まった皆さんですが、半年におよぶオーディションはどんな印象でしたか?

中沢:こんな大きなオーディションに参加したのが初めてで、演技の審査はもちろんですけど、実技審査のための練習というのも2回くらいあったんです。同世代がたくさん集まっていたのもあって、参加者の皆さんといろいろと話せたことや、僕は中学時代に野球部だったので、久しぶりにみんなで野球をやるということが楽しかったです。

菅生:僕は野球自体やってこなかったので、実技のオーディションはオーディションという感じではなく、僕の中では男たちみんなで戯れて、本当にただ野球を楽しんでやっていたみたいな感覚で。そんな経験は初めてだったので、印象的でした。

奥野:僕も野球をやってこなかった人間なのですが、親父がすごく野球が好きで、ずっと野球をやれと言われてきたのを避けて通ってきたんですよ。今回オーディションがあるということで、初めて親父に「野球を教えてください」と言った時に、すっごくうれしそうな笑顔で「おし、やってやるよ!」って言うのを見た時は、親孝行できたかなと思いました。

兵頭:僕は、最後の合格発表の時が一番印象に残っています。結果的に最終審査に残った全員が合格したんですけど、最後の1人の発表まで僕は取り残されていて。その時に、一回落ちた感覚になったり、でもそのすぐ後に合格が発表されてうれしい!みたいな、ハラハラドキドキの感情について行けませんでした。

鈴木亮平黒木華小日向文世ら芸達者ぞろいの現場は学校のよう


――鈴木亮平さん、黒木華さんをはじめとする共演者の皆さんの印象はいかがですか?

菅生:先生たちと一緒に演じるシーンが多くて、僕たちがなんかこう、まとまっていなかったりした時に、亮平さんが監督さんに「生徒役の子たちはどうしたらいいですか?」と僕たちのことを気にかけて質問してくださったりするんです。僕たちが気付いていないところも、気付いて聞いてくださるから、本当に先生みたいで、勉強になることばかりです。

兵頭:鈴木さんとのシーンでは、台本には書いていないことでも、「こういうことがあったから、こういうことを伝えたくて会いに来てると思うんだよね」と、想像を共有してくださるんです。こんな裏まで考えて、1つ1つこだわったうえで、あのナチュラルさを出されているんだと思うと感動しました。

奥野:本読みの時に、亮平さんだけに限らず、生瀬勝久さんだったり小日向文世さんだったり、俳優部の皆さんに「なんだ、この説得力は!」って衝撃を受けました。言葉に表すのも難しいんですけど、「そういうふうに言うよな」ってこっちが納得させられるようなセリフの出し方を目の当たりにして、僕たちはいつになったらこうなれるんだろうと、遠く感じたりしましたね。

中沢:黒木さんもカッコイイなと思ったことがあって! 今回、テストの段階からカメラを回して、どのテイクがOKになるか分からない撮影方法を取っているのですが、一度テストでOKになったことがあったんです。僕たちみんな「テストでOKだったんだ」って思っている中、スタッフさんが「黒木さん、大丈夫ですか?」って確認したら、「私はいつも100%でやっているので大丈夫です」って。

兵頭&菅生&奥野:かっけー!!

中沢:そうするのが役者として当たり前だけど、経験値をたくさん積んでいる方から改めて聞くその言葉はやっぱすごいなって思いましたね。

菅生:しかも、さらっと言うんだよね。

――共演者の皆さんが本当の学校の先生のような存在なんですね。

菅生:本当に皆さん、背中でいろんなことを見せてくださっています。

◆部活のような雰囲気 チームワークはばっちり!


――皆さんが演じられるキャラクターについて教えてください。

菅生:僕が演じる日沖誠という人は、本当に愛があふれている人だなと思います。野球に対しても、人に対してもハートフルで、みんなと一緒に野球がしたいという気持ちで行動するキャプテンです。野球は全然上手くないけれど、みんなに対して愛を持っている。ついていきたいなと思われるキャプテンになるよう演じたいと思っています。自分も人が大好きなので、そういう部分は似ているのかな。現場でも僕が一番しゃべってる自負はあります(笑)。

奥野:菅生が演じる誠とは正反対で、僕の演じる野原舜は、2年生なんですけどちょっと嫌な先輩ですね。新しく入ってきた1年生にイチャモンをつけるじゃないですけど…。

中沢&兵頭:被害者です(笑)。

奥野:(笑)。ヤンキーではないけど、ちょっとやんちゃな部分があるような生徒で、野球に対しても、こいつは真面目にやっているのか?どうなんだ?というところがある役柄です。そんな野原の抱えるものは、ドラマで見ていただければと思います。

菅生:壮自身も現場でそんな感じです(笑)。

奥野:待って! 本当に思われるから!(笑)

兵頭:壮はかわいらしい。野原は怖いけど。でも、ちょっと、壮にもそんなところあるかな?(笑)

奥野:やめろって!(笑)

兵頭:僕が演じる根室知廣は気弱な性格で引っ込み思案。緊張しておなかが痛くなって受験に落ちてしまった少年です。塚原監督は根室に対して、なにか1つが足りなくてこれまでの人生恵まれなかった男の子が、南雲先生と出会ったことによって、恵まれなかったところが1つ1つ埋まっていき、変わっていく瞬間を表現したいとおっしゃっていて。根室として人が変わっていく様子を伝えられたらいいなと思っています。

中沢:僕が演じる犬塚翔は、小日向さん演じる大地主の孫で、いわゆるボンボンなんですけど、野球はめっちゃできるけど、推薦が来た強豪校も勉強が苦手で入試で落ちてしまうような子なんです。エースピッチャーなので、マウンドに立つ姿だけで説得力があるような存在感や威圧感が表現できるように、いろんな野球選手の研究をして役作りをしています。翔は心の中は繊細で、表に出す熱さはあまりないけど、内に秘めた熱さは一番なんじゃないかなと思っているので、僕自身と重なる部分があるかなと感じています。

――お話の雰囲気から、中沢さんはチームの愛されキャラな感じですか?

菅生:自分で“愛されキャラです!”って言ってみて(笑)。

一同:爆笑

兵頭:中沢くんとはオーディションから一緒で、近くでよく見てきましたが、オーディションの時と撮影に入ってエースとしてマウンドに立っている姿が全然違う。練習をたくさんやってきたというのを自分では出さないんですけど、僕は野球をやっていたので少しは分かるのですが、本当に頑張ってここまでやってきたんだなと。背中で語る感じが中沢くん本人にもちゃんとあります。

菅生:いいこと言った! 僕が言ってたことは全部場を盛り上げるための冗談です。こんな部活みたいな雰囲気で仲良くやってます!(笑)

中沢&兵頭&奥野:(笑)

(取材・文:編集部 写真:高野広美)

 日曜劇場『下剋上球児』は、TBS系にて10月15日より毎週日曜21時放送。

(左から)奥野壮、中沢元紀、兵頭功海、菅生新樹  クランクイン! 写真:高野広美