オックスフォード

学問の街であるイギリスオックスフォードの中世は、「暴力多発地帯」だったことが最新の調査で明らかになった。イギリスの『Sky News』や『Telegraph』が報じている。

 

■殺人率は現代の50倍

ケンブリッジ大学による最新の研究により、中世のイギリス、特にオックスフォードが極めて治安の悪い地域であったことが判明したという。

中世から学問の盛んだったオックスフォードだが、その一方で学生たちの暴力沙汰が多く、殺人事件が多発していたようだ。

研究によれば、オックスフォードで起きた殺人事件は、同時期のロンドンやヨークの4倍から5倍も多く、特に中世後期は人口10万人あたりに対して約60〜75人の殺人事件が発生していた。

これは現代のイギリスの都市における殺人率の50倍に相当し、非常に高いものだ。

 

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■若い学生が酒に溺れる

この時代のオックスフォードでは、14歳から21歳の若い男子学生の飲酒が暴力の主な原因となっていた。学生たちは、酒場や風俗など誘惑の多い環境に身を置いており、争いに備えて常に武装していたようだ。

加害者のうち75%は、大学の学生または職員であったことも判明している。これは当時の学生が社会的にも職業的にも最も凶暴な集団であったことを示唆している。

また学生組織内の「友愛会」同士の衝突も、紛争の大きな原因だったという。学生たちは「国」と呼ばれる地域の友愛会に所属し、対立により殺人事件を引き起こしていた。

 

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■口論で殺人に発展

当時の記録も残っている。1298年のある木曜日の夜、オックスフォード・ハイ・ストリート居酒屋で学生同士の口論があり、その結果、「剣と戦斧を使った大乱闘」になったというのだ。

この争いで、被害者のジョン・ビュレルは「頭頂部に致命傷を負い、長さは6インチ、深さは脳まで達していた」と検視官は記録している。

中世のイギリスで、このような暴力を防ぐ手段は「叫び声」で知らせるだけだったという。犯罪を防ぐために、しばしばその場に居合わせた女性が大声を出し、その役割を果たしていたそうだ。

中世のオックスフォードは治安が最悪と研究で明らかに 「学生が剣と斧で殺し合い」