ジャニーズ事務所

ジャニーズ事務所の問題はまだまだ混迷の中にあり、そんな中、主にSMAPの番組の放送作家であった鈴木おさむ氏が引退を発表した。SMAPに焦点を当てながら、ジャニーズ事務所の問題を改めて考察したい。

 

■ジャニーズの権力構造

ジャニーズ事務所の2度目の会見では、被害者の補償業務を行う会社と新エージェント会社を分ける方針などが語られた。しかし、記者の指名NGリストが発覚するなどして事態の収拾には至っていない。

この混乱はいずれ収拾するにしても、当初の課題は確実に1つは拡大しているようだ。元々は故ジャニー喜多川氏の性的虐待問題が焦点だったはずだが、少なくとも、ジャニーズと各局・メディアとの権力構造や圧力の問題にまで、論点は広がりつつある。

 

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■SMAPの解散

サンデー・ジャポン』(TBS系)で爆笑問題太田光も言及していたように、ジャニー氏が既に亡くなっている状態から焦点化された性的虐待問題が、最初から直接的目標を喪失していることが問題となる。

性的虐待問題が看過されたことと十分関連のある「ジャニーズの権力・圧力の問題」が焦点化されるのは1つの前進ではあるだろう。

ここにきて放送作家の引退を発表した鈴木氏が長年共にしてきたSMAPとも、この問題は大いに関連がある。つまるところ、ジャニーズの力の源泉はSMAPであり、現在のジャニーズ弱体化の大きな理由にSMAPの解散・メンバーの退所があるわけだ。

 

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■『新しい地図』

SMAP解散騒動によって、稲垣吾郎草彅剛香取慎吾ジャニーズ事務所を退所し、『新しい地図』として活動を始める。

しかし、以後あまりにもTVに出られない期間が続いたが、彼らはABEMAやSNSを巧みに駆使し、遂には公正取引委員会ジャニーズ事務所に注意処分をすることとなった。

 

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■芸能界の権力構造

実際のところ、問題はどこにあったのだろうか。フェアなキャスティングが何かは難しい問題。だからこそ大手老舗事務所が内々で芸能界を支配しがちな面があるだろう。

ここで新たな芸能界へのルートとして、Web上で活躍するインフルエンサーたちの存在はやはり大きい。また、特定事務所の優遇かフェアなのかを判断する基準があるわけでもないだろう。

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■圧力・忖度構造と打ち克つ力

島国・日本の同質性の強さの問題も大きく、同質性の裏で、爪弾きにされれば助けてもらえないという文化的な特徴もある。

人気がなくなったことと「干された」 ことの区別は簡単ではない。会見で井ノ原快彦は、その点をよく認識できていた。

それにしても『新しい地図』のメンバーが全くTV番組に出なくなるのは明らかにおかしいわけで、圧力・忖度構造を克服する力とSNSを含めたしっかりとした環境が彼らにあったことが決定的だったのだ。

 

■騒動の目標ビジョンを持つ

なんとかジャニーズの権力・圧力問題を焦点化できたのかもしれないが、結局のところフェアな芸能界の追求自体は難しい問題でもあるだろう。

また太田光も言及したように圧力・忖度構造を考えると、ジャニーズだけの問題になっている理由がよくわからなくなり、ゆえに騒動の目標がよくわからない事態となるのだ。その点に関しては、NGT48の暴行事件と似た点もある。

 

■能年玲奈の復活へ

少なくとも芸能界の権力・圧力問題を焦点化しようというならば、レプロエンタテインメントなども同席させて、のんこ能年玲奈の復活を認めさせられれば、より芸能界の明るい兆しとなるのではないだろうか。

のんも明らかに不自然にTVに出られなくなった女優であることは、CM企業や映画界が証明しているだろう。もちろん、被害者救済の曖昧化を意味することのないように。

ジャニーズ問題を機に”能年玲奈”復活へ前進すべき理由 SMAPが拓く新時代