ボクシングとは思えない試合展開を見せたポール(右)とダニス(左)のエキシビション。その内容にバッシングが止まらない。(C)Getty Images

 あまりにお粗末な試合展開だった。いま批判の対象となっているのは、現地10月14日に英国・マンチェスターで開催されたボクシングイベント「MF & DAZN: X Series 010」のメインカードだ。

 プロボクサーでもあるお騒がせYouTuberのローガン・ポールが、ブラジリアン柔術家ディロン・ダニス(ともに米国)と6回戦のエキシビションマッチを行ったのだが、両者の繰り広げた戦いは、あまりに稚拙だった。

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 互いに決定打を打てずに迎えた最終ラウンドだった。接近戦となった際にダニスが、右脇に相手の首を抱え込むようにし、そのまま寝技に持ち込もうかという動きを見せる。ボクシングルールを無視した行為は空振りに終わったが、まさかの行動に場内は騒然となる。

 すると、緊張の糸が切れたように両陣営が一気にリングに上がると、大の大人が入り乱れる取っ組み合いの乱闘に発展。事態を重く見た警備員が沈静化を図る異様な雰囲気のなか、ポールはロープに足をかけ、観客に鼓舞するように右手を突き上げてアピール。結局、試合はダニスの反則負けで決着となった。

 DAZNでPPV放送されたこの一戦は両陣営に多額のファイトマネーが支払われたと報じられてもいる。そうした背景もあり、茶番劇と言わざるを得ない結末にあきれ返るメディアや識者の声は尽きない。

 英スポーツ専門ラジオ局『talk SPORT』は「ダニスは奇妙なことに、ボクシングの試合で柔術戦に挑んだ」と、30歳の柔術家が取った前代未聞の行動を回想。そのうえで「試合終了間際のリングはあまりにおかしく、カオスな状況となった。それは試合のつまらなさを物語るようだった」と批判した。

 また、ブラジルのネットワーク『Globo』は「ダニスは挑発行為に終始し、最後まで恥ずかしいパフォーマンスを続けた。ポールはほとんど何もせぬまま大金を手にした」と糾弾。さらにフランスのラジオ局『RMC Sports』も「試合に向けては何週間にもわたって、舌戦が繰り広げられた。しかし、その内容も低レベルでくだらないものばかりだった」と嘆き、「ついに迎えた試合で我々が目にしたのは高貴な芸術というよりも、ただの酷いサーカスだった」と辛辣に皮肉った。

 SNS上でも「本物の戦いではない」「道化同士の馬鹿げた試合」「ディロンは恥」「ポールにとっては予定調和だろ」「たいして期待はしてなかったが、期待をより下回る内容だった」「こんな試合に高額なチケット代を払っているのが信じられない」といった批判的な声が噴出。これまでもありとあらゆる異種格闘技戦を実施して人気を誇ってきたポールだが、今回の戦いは、自身の株を落とす結果になったと言わざるを得なそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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