EURO2024予選・グループA第8節が15日に行われ、スペイン代表は敵地でノルウェー代表を1-0で下した。この結果、スペイン代表はグループAを2位以内で終えることが確定し、8大会連続12回目の本大会出場を決めた。

 試合はスペイン代表が主導権を握りながらも、なかなか均衡を破ることのできない時間が続いたが、後半の立ち上がりに“ラ・ロハ”の若武者がゴールをこじ開ける。49分、ボックス右からフェラン・トーレスバルセロナ)が放ったシュートはアルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)に当たってしまったが、こぼれ球に反応したミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ)が右足でフィニッシュ。このシュートもブロックされたものの、今度はガビ(バルセロナ)が左足を振り抜き、ゴール右下隅に狙い澄ましたシュートを沈めた。最終的にはこのゴールが決勝点となり、スペイン代表は敵地でノルウェー代表を1-0で撃破。10月シリーズ2連勝を飾り、EURO本大会行きの切符を掴み取った。

 試合後、スペイン代表を率いるルイス・デ・ラ・フエンテ監督は、RFEF(スペインサッカー連盟)の公式HPを通して喜びの声を明かした。「このことはスペインサッカー界にとって非常に良いことだ。希望と喜びを呼び覚ましてくれるからね」と本大会出場を喜んだだけでなく、ノルウェー代表戦の1試合にフォーカスしてもその戦いぶりを称えている。

ドレッシングルームがお祭り騒ぎだったことは想像できるだろう。我々は勝利に値するパフォーマンスを見せることができた。このチームは成長を遂げたが、“未来のチーム”でもあるんだ」

「今までの我々の試合の中でも最も完成度の高い、成熟した試合だった。チームは自信に満ち溢れていただけでなく、時間を有効活用して流れを自ら作り出せていたため、私自身は落ち着いて見ることができた」

 続けて、デ・ラ・フエンテ監督はスペイン代表の守備陣に言及。ノルウェー代表は“怪物”アーリング・ハーランドマンチェスター・シティイングランド)や“神童”マルティン・ウーデゴーアら攻撃陣に類稀なタレントを揃えているが、スペイン代表は決定機らしい決定機を作らせることなく、クリーンシートを達成した。「チーム全体が守備面において並外れていた」と称えたデ・ラ・フエンテ監督は「我々には将来を保証してくれるセンターバックも数多くいる」と、ロビン・ル・ノルマン(レアル・ソシエダ)を筆頭としたセンターバック陣に賛辞を送った。一方で、「我々が達成したことについて、誰かを特別視することはない。チーム全員で戦うことが我々の責任であり、義務だ。サッカーというスポーツは、ある日はトップに立ち、ある日は最下位になるもの。バランスを取らなければならない」とも話し、あくまでチーム全体が成し遂げた成果であることを強調している。

 また、現在の“ラ・ロハ”を「未来のチーム」と称したデ・ラ・フエンテ監督は「我々は常に将来を見据えている。つまり、現在だけでなく未来のために非常に良い基盤を作らなければならない。そのための準備はうまく進んでいると思う」とその理由を説明。近い将来として、まずは来年夏に控えたEURO2024の本大会に向けて準備を進めていくこととなるが、2012年大会以来4度目の優勝を目指して戦うことを明言した。

EUROのような大会では、参加することはできても、ほとんどのチームが最終的には敗退して終わる。本大会が近づけば、我々がどのレベルにいるのかわかるだろう。私は非常に楽観的な人間ではあるが、もちろんヨーロッパの頂点に立つために戦うつもりだ。このチームにはまだまだ改善の余地があるし、挑戦と要求はどんどん大きくなっている」

スペイン代表を率いるデ・ラ・フエンテ監督 [写真]=Getty Images